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株式会社生科研(熊本県西原村)

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株式会社生科研
(熊本県西原村)

家入さん 浦上さん 久永さん 堀口さん 株式会社生科研は1967年(昭和42年)設立。土壌用肥料等の製造・販売の他、土壌・作物分析、土壌改良剤・ミネラル剤・作物栄養剤の研究開発、製造、販売などを行っている。
従業員数は80名(2026年5月現在)。年代層は幅広く、若い従業員も多い。女性の割合は約3割。
今回は、専務取締役の久永興さん、総務部課長の浦上国男さん、総務部の家入ひとみさん、同社が産業保健業務を委託している機関の保健師である堀口真愛さんの4人からお話を伺った。

企業理念の実現に向け、専任担当者の熱意から健康経営活動が本格化し、様々な認定を受けている

まず、健康経営に取り組むこととなった経緯と取組み内容についてお話を伺った。

企業理念の実現に向け、会社として従業員の心身の健康を大事にしているメッセージをより明確にするために、健康経営に本格的に取組みました 「今年の3月まで資本関係にあったグループの親会社の方針に沿って、2012年に“健康宣言”は定めていました。ただ、本格的に取組み始めたと言えるのは、2017年からです。ちょうど創立50周年の節目を迎え、当社の企業理念である『土の力で農と食の未来を創る』ために、会社として従業員の心身の健康を大事にしているメッセージをより明確に出していきたいと考えました。」

「また、浦上さんが総務部に異動してきて、この健康経営の取組をより具体的に示して推進していきたいという強い想いもありました。そこで、これまでの健康経営に関する取組みを改めて整理したり、新規に実施したりした上で、2018年に熊本県が従業員がいきいきと働き続けられるよう積極的に取組む企業に授与する“ブライト企業”の認定を受けました。3年ごとの更新で現在も継続認定を受けています。」

「2019年に協会けんぽ熊本支部の“ヘルスター健康宣言”を行い、その取組みの中に、『メンタルヘルス対策を講じます』と定めました。その他、全従業員の健診受診や、運動の習慣づけ、禁煙対策も定めています。そして、2021年に協会けんぽ熊本支部の“ヘルスター認定(二つ星)”を受けました。これら様々な活動をとりまとめた上で、2020年以降“健康経営優良法人(中小規模法人)”の認定を6年連続で受け、今年(2026年)は“健康経営優良法人(ネクストブライト1000)”を初めて受けました。」

ストレスチェックの集団分析結果を会社の実情に合わせてさらに分析し、全従業員に公開することで、より具体的かつ迅速な職場環境改善につながっている

次に、ストレスチェックの取組みについてお話を伺った。

産業医の変更に伴いストレスチェックの外部委託先も変更しました 「ストレスチェックは、義務化になってから毎年実施していましたが、より積極的に行い始めたのは2023年からです。それまで依頼していた産業医が辞めることになり、急いで探していたところ、今の産業保健サービス業者と出会い、産業医・保健師(堀口さん)契約を行うと共に、ストレスチェックの外部委託先も変更することにしました。」

【写真】ストレスチェック社内事前説明 ストレスチェックの外部委託先変更時に全従業員にストレスチェックについて事前に説明しました 「ストレスチェックの外部委託先変更に際しては、会議の場で私(久永さん)から従業員に対して、産業保健サービス業者の独自の新しいストレスチェック票についてや、その結果から分かることなどを事前に説明し、納得してもらった上で決めました。ストレスチェックの実施者は、産業保健サービス業者の産業医・保健師(堀口さん)、実施事務従事者は、家入さんが務めています。高ストレス者で医師の面接指導の申出があった場合は、まず保健師が面談を行い、産業医の面接指導へとつなげています。」

集団分析結果は社内の実情に併せてさらに分析し、全従業員に公開して対策しています 「ストレスチェックの集団分析結果は、集団ごとにまとまった外部業者からの報告書を、さらに私(久永さん)が分析しています。また、毎年5月頃、全体会議で全従業員に対して、全社の集団分析結果の確認ポイントや他社比較、年次比較を見やすくまとめたスライドをもとに、傾向と今後の対策について説明し、共有しています。単年で見るのではなく、経年変化で確認することが大事だと考えており、その年の対策が適正であったかそうでなかったかを知ることにつながります。また、結果を継続してオープンにすることで、従業員も自分ごととしてとらえてもらえると考えています。」

「会社全体の集団分析結果は、毎年、良好な職場風土と総評をいただいています。職場のストレス要因やストレス反応、周囲からのサポートなど各項目においても、健康リスクは低いです。ただ、そういった中でも気になる項目に関しては、説明し重点的に対策を行うことにしています。例えば、“期待役割”項目に対しては、組織の生産性向上に大きく影響することを伝えました。」

「また、“相談できる存在”項目に対しては、社内の相談窓口として家入さんがいることで、悩みや不安を一人で抱え込まないように、いつでも相談してもらう環境があると共に、家入さんからも日頃から声がけを行っています。気になる従業員がいたら、早めに面談を入れていますし、遠方の営業所の場合は、リモート面談を行っています。特に、新入社員から5年目までは、面談を多く行っています。そして、心身に関わる場合は、産業医・保健師の訪問時にあわせて面談を設定するようにしています。家入さんにとっても、医療的な相談は専門家につなげられることで、一人で抱え込まず、安心につながっています。」

「その他、身体的な健康面に関しては、“運動”項目に対しては、全社でウォーキングイベントを開催しました。“朝食”、“睡眠”項目に対しては、全体朝礼の中で保健師(堀口さん)に30分間の研修を複数回行っていただきました。朝食はバナナを食べるだけでも大丈夫と手軽にできることからはじめるアドバイスを行いました。これらの取組みを通じて、この3年間の集団分析結果の経年変化をみると、ほぼすべての項目で改善が進みました。この結果も全体会議で周知して、透明性の高い経営を志向しています。」

【写真】コンプライアンスアンケート結果の経年変化 ストレスチェックの集団分析結果と併せてコンプライアンスアンケート調査を毎年繰り返すことで、会社全体や部門ごとの空気感を知り、対策を行うことにつながっています 「ストレスチェックの集団分析結果の他、無記名形式で“コンプライアンスアンケート”を役員も含む全従業員に対して実施しています。この結果も、毎年2月の全体会議で全従業員に対して、報告しています。これらの調査を毎年繰り返すことで、会社全体や部門ごとの空気感を知り、対策を行うことが、より良い職場づくりにつながっていると考えています。“コンプライアンスアンケート”では、社内外のハラスメント相談窓口の案内もしています。社内は、女性特有の悩みにも女性が相談できるようにしています。匿名でもそうでなくても受け付けており、本人に確認の上、すぐに対応できることは会社としてすぐ動くことが大事だと考えています」

専門家との日常的な接点づくりの機会を多くつくると共に、全員参加の健康づくりに向けて、地域社会への貢献と連動させている

最後に、個人面談の実施やウォーキングイベントなど職場環境改善の様々な取組みについてお話を伺いました。

産業医・保健師の顔をまず知ってもらうことが大事。その上で、保健師による全従業員を対象とした個別面談につなげています 「今の産業保健サービス業者に変更してから、最初、全体朝礼時に、産業医・保健師(堀口さん)による紹介を行いました。その後、全従業員を対象に保健師による個別面談を順次実施しました。産業医・保健師の顔をまず知ってもらうことが大事だと思います。そして、日頃、家入さんが社内で相談対応している中で、気になる従業員がいれば、この個別面談につなげることもできるので、安心です。その後も、健康診断結果が従業員に渡された時には、その見方と対策について、保健師が全体朝礼時に説明しています。」

職場復帰支援プログラム策定後、管理職を集めてラインケア研修を実施しました 「また、当社の職場復帰支援プログラムを策定した際には、管理職を集めてラインケア研修を実施しました。その中で、保健師から『職場は働く場所である』と教えてもらい、休業中は働ける状態になるまでしっかり休んでもらい、その後、徐々に職場復帰につなげていく流れが大事であることを知りました。」

ウォーキングイベントが従業員のコミュニケーション活性化のみならず、地域社会への貢献につながっています 「ウォーキングイベントは、2022年から行っており、最近は年2回実施しています。自由参加ですが、昨年の参加率は96%でした。従業員間で歩数状況を確認したり、一緒に歩いたりすることで、コミュニケーションの活性化につながっています。目標は参加者それぞれの前年の歩数から増やすことにしています。また、歩くことが自分のためだけではなく、社会貢献につながることを実感してもらおうと考え、300歩につき1円の換算として、会社から村役場に毎年寄付を行っています。今年の寄付金は、児童書の購入に活用してもらいました。」

従業員の労働時間削減と有給取得率向上を行うことで、ワークライフバランスを実現し、離職者もほとんどいません 「会社全体の従業員数も近年はほぼ変わらないですし、離職者もほとんどいません。従業員の労働時間削減と有給取得率向上を行うことで、ワークライフバランスを実現しています。会社の売上業績も確実に拡大しております。業績を急拡大するために従業員に無理をさせるようなことはしません。当社の中期経営計画の中で、『社員一人ひとりのやりがいや幸せを原動力として世の中に貢献しながら安定性を実現する組織』を掲げています。当たり前のことですが、本当にチャレンジできているのかを、いつも従業員と共に確認しています。これからも、より良い組織づくりを行っていきます」

【取材協力】株式会社生科研
(2026年7月掲載)