こころの耳
厚生労働省

PDF版について

このコーナーでは、一人でも多くの方に正しい認知行動変容アプローチを学んでいただくことを目的として、ホームページに掲載された情報と同じ内容のデータのPDF版をご用意しています。PDF版は、認知行動変容アプローチを学ぶ、広めるという目的の範囲内において、印刷や内容の部分抜粋など自由にお使いいただくことが可能です。注意事項を良くお読みの上、ご利用ください。

利用に関するご注意:

  • データ内に含まれるイラストをはじめとした意匠について、本コンテンツと切り離した上での二次利用、改編、配布、転載は禁止とさせていただきます。
  • 営利目的の使用はご遠慮ください。
  • データ内に一部含まれる外部サイトへのリンクは、インターネットが接続できる環境においてのみ、ご利用いただくことが可能です。
  • PDFデータ利用に関する技術的なご質問は、お使いのパソコンのメーカーへお問い合わせください。

PDFの閲覧について:

本ページに掲載されたPDFファイルを表示・印刷するためには、アドビシステムズ株式会社のAdobe® Reader™(無償提供)が必要です。お持ちでない方は、Adobe® Reader™をダウンロードしてください。

目次

1.心理的なウェルビーイングとは
2.コントロール感覚
3.コグニション(認知)
4.コミュニケーション

eラーニングで学ぶ 15分でわかる認知行動変容アプローチ2

「心理的なウェルビーイング」とは、問題の有無にかかわらず自分らしく生きていける健康なこころの状態を意味します。認知行動変容アプローチを使って、自分の強みを生かしながら、自分らしく自信を持って生きていくためのポイントを学んでいきましょう。
※学習時間の目安は15分です。

  • スタート
  • 目次を見る
  • PDF版について

1.心理的なウェルビーイングとは

次へ

1.自分らしく生きている状態

「心理的なウェルビーイング」とは、様々なハンディキャップを抱えながらも自分が自分の人生の主役になって、自分らしく生きている状態です。そのためには、環境やこころを、自分が主体性を持ちながらコントロールしているという「コントロール感覚」、ものの受け取り方や考え方を意味する「コグニション」(認知)、他の人と分かり合い助け合えるような人間関係を築いていける「コミュニケーション」の「3つのC」を生かすように意識することが役に立ちます。

次へ

2.コントロール感覚

次へ

1.笑う門には福来る

まず「コントロール感覚」について学びましょう。
「笑う門には福来たる」ということわざがあります。笑顔の絶えない家庭には良いことが起こるという意味ですが、笑顔の絶えない人にも良いことが起こります。私たちは、楽しいと笑顔になるという「内から外への関係」をイメージしがちですが、「外から内への関係」もまた存在します。笑顔になると気持ちが晴れますし、良い情報に目が向くようになって、気持ちが前向きになってきます。

次へ

2.表情や姿勢がこころに影響を与える

「外から内への関係」と言ったときの「内」は、こころの状態を意味しています。「外」は、表情や姿勢、行動など表に現れる変化を意味しています。
私たちのこころの状態は、笑顔などの表情だけでなく、姿勢によっても変化します。背中を丸めてばかりいると沈み込みがちになりますし、背筋を伸ばして生活していると前向きな気持ちになってきます。姿勢を良くして笑顔になって行動すると、こころだけでなく、からだも元気になってきます。

次へ

3.上手に休む勇気

行動によっても気持ちは変化します。やりがいのあることや楽しいことをしていると、こころは元気になってきます。一時的につらい気持ちになるようなことでも、夢を忘れないで、少しずつでも前に向かって工夫することができれば、こころが晴れてきます。
そのときに、頑張りすぎず上手に休む勇気を持つことも大切です。頑張りすぎると、いつの間にかそのことに人生を支配されて、自分らしさが失われていってしまうことがあります。

次へ

3.コグニション(認知)

次へ

1.こころの中に自分の世界を創っている

次に、ものの受け取り方や考え方を意味する「コグニション」(認知)について学びましょう。
私たちは、現実をそのまま客観的に見ているわけではなく、こころの中に自分の世界を創り上げて生活しています。自分がどのような世界を作るかによって、私たちのこころの状態は大きく変わってきます。自分やまわりの良い面をきちんと意識できれば、自分らしい生き方ができるようになってきます。

次へ

2.ストレスが強いと悪い方ばかりに考えが集中する

ストレスが強くなるような状態では、悪い方ばかりに考えが集中し、発想が狭くなって身動きがとれなくなります。
そのような自分に気づいたときには、出来事の良い側面へ意識的に目を向けるようにすると良いでしょう。良くないように見えることでも、悪いことばかりではありません。一時的には良くないように思えることでも、その状況を切り抜ける工夫をしていると、新しい局面が見えてきます。

次へ

3.こころを元気にする「スリー・グッド・シングス」

「スリー・グッド・シングス」と呼ばれている、こころを元気にする方法があります。
夜寝る前に、その日に起きた良いことを3つ書き出す方法です。大きな出来事ではなく、家族や親しい人と話してこころがほっこりしたり、人のために何かをしてちょっと誇らしく思ったり、人と会う時間に遅れないで行けたり。何でも良いので、ちょっと良かったことを3つ書き出してみるようにすると、自分が自分を見る目が変わってきます。

次へ

4.あきらめても良いことかどうか考える

思うようにいかないとガッカリして、こころが折れそうになります。そのようなときには、そのままあきらめても良いことかどうかを考えてみましょう。もし、あきらめて良いことであれば、そうすれば良いでしょう。もし、あきらめきれないことだったり、自分にとって大事だと思えることであったりした場合には、あきらめないで少しでも希望を実現できるように、再度取り組んでみましょう。

次へ

5.「どうせダメだ」と投げやりになるとうまくいかなくなる

思うようにいかないことがあっても、最初から「どうせダメだ」と決めつけないで、できそうなことを試してみましょう。「どうせダメだ」と投げやりになると、うまくいかなくなります。良くないことだけでなく、良いことにきちんと目を向けるようにすると、さらに頑張ろうという意欲がわいてきます。そのような前向きの気持ちを大事にしながら、少しでも自分が希望する方向に進む工夫をしていくようにしましょう。

次へ

4.コミュニケーション

次へ

1.穏やかな表情や態度はまわりに広がる

最後に、「コミュニケーション」について学びましょう。
お互いが温かい気持ちになれる人間関係を築くことができれば、こころが軽くなります。そうした関係を築くためには、自然に笑みが浮かんでくるような温かい表情や態度が何よりも大切です。穏やかな表情や態度をとって相手の話に耳を傾けるようにします。そうすると、相手の人も同じように穏やかな表情や態度になってきます。まるで気持ちが伝染するかのように、温かい雰囲気が生まれてきます。

次へ

2.原因探しではなく問題解決の手立て探しをする

相談を受けたときには、相手に寄り添いながら希望する現実を一緒に実現していくようにしましょう。「なぜ」と原因探しをするのではなく、「どのようにすれば良いか」と問題解決の手立て探しをしていくようにすると良いでしょう。

次へ

3.強すぎず弱すぎない適度な強さの表現で伝える

また、自分の考えを伝えるときは、強すぎず弱すぎない適度な強さの表現をこころがけます。事実と気持ちをバランス良く、穏やかに伝える工夫も大切です。そうするとお互いに助け合える人間関係ができてきます。いくら良い考えでも、厳しい態度をとって自分の考えや期待を一方的に押しつけると、相手の人は反発するか逃げるか、どちらかです。

次へ

4.一人で解決できないときは相談する

問題が起きたときにも、人間関係は大事です。自分一人で考え方の幅を広げて問題を解決できればいいのですが、必ずしもそう簡単にいかないこともあります。そうしたときは、一人で頑張りすぎないで他の人に相談するようにしましょう。
相談するときは、長々と話すと話のポイントがつかめなくなるので、ポイントを絞って簡潔に話すようにしましょう。事前にメモを作っておくと良いかもしれません。

次へ

5.人類は助け合って生きてきた

人に頼るのは情けないと考えて一人で頑張っている人がいますが、それでは物事がうまくいかないこともあるでしょう。大事なことほど、他の人と一緒に取り組むことが必要です。
人類は人の輪のなかで発展してきました。現実的にも情緒的にもお互いに助け合って生きてきたのです。そのような歴史的背景があるから、私たちは他の人を手助けできたときに幸せな気持ちになれるように生まれついています。そうした人類の知恵を大切にしましょう。

次へ

これで、「15分でわかる認知行動変容アプローチ2」は、終わりです。
お疲れ様でした。