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こころの病気 解説

こころの病気などについて簡単に解説しています

ア行

青い鳥症候群
現実の自分や、取り巻く環境、待遇などを受け入れられず、自分にはもっと力があり、もっと能力を発揮できる場所があるはずだ、という考えを捨てられず、理想の職場を求めて転職を繰り返す人のことをメーテルリンクの童話「青い鳥」にちなんで「青い鳥症候群」と呼ぶことがあります。不全感が続くことにより、うつ病に移行することもあります。
アスペルガー症候群
自閉症の一種で、高機能自閉症と呼ぶこともあります。通常の自閉症と違い知的障害はありませんが、相手の感情や場の雰囲気を察することができず、人や社会とのコミュニケーションに支障をきたしやすいという特徴があります。
うつ病
様々な心理的負荷などにより精神活動が低下し、抑うつ気分、興味や関心の欠如、不安・焦燥、精神運動の制止あるいは激越、食欲低下、不眠などが生じ、生活上の著しい苦痛や機能障害を引き起こす精神疾患です。治療としては、休養、薬物療法、精神療法を組み合わせます。

【さらに詳しく】ご存知ですか?うつ病

【参考】事例紹介-うつ病-

カ行

買い物依存症
ひとは自分の収入の範囲内で買い物をしていますが、ストレス発散や快楽などの言い訳のもと、次第に買い物をする回数も増え、必要のないものまで買ってしまうことがあります。高額な買い物を繰り返し借金もかさみ、自分でも生活に支障をきたしていることに気づいても買い物をやめることができない状態のことを買い物依存症といいます。
過換気症候群
精神的な不安によって過呼吸になり、その結果、手足や唇のしびれやどうき、めまいなどの症状が引き起こされる心身症の一つです。若年者や女性でストレスを受けやすい人によくみられます。必要ならば抗不安薬を内服します。発作を繰り返す場合、安定期に心理療法、行動療法を行うとよい場合があります。
過食症
拒食症とともに摂食障害のひとつです。拒食症に伴うことも、拒食症から移行することも、単独で起こることもあります。自分で制御できないほどのむちゃ食いの後、体重増加の恐怖から、自ら吐いたり、下剤を乱用したりした後、こうした行為を制御できない自己嫌悪から気分が落ち込み、絶望感に苦しむことを繰り返します。治療はカウンセリング、さらに必要に応じて薬も用います。
仮面うつ病
うつ病は、精神症状が一般的ですが、なかには身体症状の方が前景に現れるケースも少なくありません。身体疾患の仮面をかぶったうつ病という意味で、仮面うつ病と呼ばれています。主体となる苦痛が身体症状となると、内科、産婦人科、などの心の専門医以外の診療科を受診し身体疾患として治療を受けてしまうこともあります。
空の巣症候群
子どもが成長し巣立って、巣(家)が空っぽになってしまったことが、一種の喪失体験となり、寂しさなどを感じることを「空の巣症候群」ということがあります。精神医学的にはうつ状態、うつ病の一種であることが多いものです。
概日リズム睡眠障害
睡眠・覚醒のリズムがうまく調整できなくなった状態を概日リズム障害といい、海外出張(時差ぼけとなる)や、交替勤務でも起こります。このタイプの治療には、明るい光の照射や、ビタミンB12などが用いられます。
季節性うつ病
季節性の外的環境変化が影響し、ある季節のみうつ病になるものを指します。季節性感情障害、季節性気分障害などとも言われます。日照時間の短縮が関与しているといわれている「冬季うつ病」の治療には、早朝の数時間にわたって5000ルックス以上の光を照射する光療法が有効とされています。冬季のみでなく、夏季や雨季などの季節性うつ病も存在します。
気分障害
感情障害ともいわれ、うつ病、躁うつ病などが含まれる分類を意味します。気分の変調(抑うつあるいは高揚)が持続することにより、生活上の苦痛や機能障害を呈する精神疾患の総称といえます。
気分変調症(気分変調性障害)
典型的なうつ病ではありませんが、うつ病性の障害とされており、それほど重篤でないものの、より慢性的持続的(一般的に2年以上)なものをさします。
記銘力障害
記憶障害の一種で、新たに知覚し、体験した情報を記憶の中に取り入れ留めておくことができなくなる障害をさします。一般に脳障害の症状として現れますが、ストレス反応でも起こることがあります。
急性ストレス反応
主に生死に関わるような強い心理的ストレスを経験した後、これによるフラッシュバック(その出来事が繰り返しはっきりと思い返されたり、悪夢を見たりする)、その出来事に関する事柄を回避したり、神経が高ぶった状態が続き、不眠や不安などが強く現れたりします。ただし、PTSDと異なり、これらの症状は一過性であり、1か月以内におさまるものです。
強迫性障害
自分でもそんなことはない、とわかってはいても拭い去れない考え(強迫観念)や、それに基づいた行動(強迫行為)により、日常生活に支障をきたします。

【さらに詳しく】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」
拒食症
摂食障害の一つで、強いやせ願望と肥満恐怖、そのために極端なダイエットを敢行します。著しい痩身なのに、やせていると自覚していない(歪んだ認知)のも大きな特徴です。相当やせてもなお活発なことが多いです。過食症に移行することも多い一方で、やせが進むと身体の合併症も伴い、死の危険も生じる、決してあなどれない病気です。
ギャンブル依存症
パチンコ、パチスロ、競輪、競馬、競艇などのギャンブルによって経済的、社会的、精神的に自分の生活に支障をきたしていることに気がついていても、ギャンブルをやめることができないことを言います。
月経前症候群(PMS)
排卵から月経がくるまでの2週間ないし1週間くらいの間に、イライラ、落ち込み、腹痛、乳房緊満感、腰痛、頭痛・頭重感、眠気などの症状が繰り返し出現し、人間関係や日常生活に支障をきたします(症状は月経開始とともに殆どが消失します)。出現頻度は、月経のある人のうち数%とする報告から約80%とする報告まで様々あります。薬物療法や食事療法などによる治療が試みられています。

【参考】事例紹介-月経前症候群(PMS)-
現代型うつ病(新型うつ病)
正式な医学病名ではなく、従前からの典型的なうつ病と違うものを意味する総称として名前が一人歩きしている傾向があり、専門家の間でも見解は一致していません。「新型うつ病」などとも言われ、あたかも最近新しく生じたうつ病のようですが、実は古くから「ディスチミア親和型」、「逃避型うつ病」、「アパシー」、「退却神経症」、「パーソナリティ障害(境界性、自己愛性など)」、「甘え、怠け、わがまま、自己中心的な性格の問題」など専門家の間では様々な見方をされてきています。本人だけの問題と考えられがちですが、社会が生んでいるという観点も重要と思われます。
行為障害(素行障害)
反抗的で攻撃的な非行行為を繰り返す状態をいいます。この非行行為は年齢相応に必要な社会的規範や規則から著しく逸脱しています。その非行行為を引き起こす原因としては脳の障害、精神的な障害、人格発達のゆがみ、家庭環境や社会的環境の影響などがあります。

サ行

産褥期うつ病(産後うつ病)
産褥(さんじょく)期とは分娩後、母体が妊娠前の状態に回復するまでの期間をさし、通常6~8週までの期間をいいます。この期間にはうつ病を発症しやすく、「産後うつ病」とも呼ばれます。急激な身体的変化、ホルモンの変化のみならず育児といった心理社会的変化も同時に起こるため、時に自殺や無理心中などのおそれもありますので注意を要します。育児を抱え込ませない社会的サポートが重要です。
社交不安障害(社会不安障害)
不安とは、明確な対象を持たない恐怖の事を差します。「社交不安障害(social anxiety disorder、SAD)」は、社会や人前で嫌な思いをしたり、他人に辱められたりすることに対する不安が強く、日常生活に障害を及ぼすものです。
昇進うつ病
正式な医学病名ではなく、昇進に伴う環境の変化により誘発されたうつ病をいいます。嫌なストレスがうつ病に結びつきやすいというのはイメージしやすいのですが、一般的には喜ばしいと思われることもうつ病のきっかけとなり得ます。昇進は出世と同時に職場での責任や役割の変化を伴います。
心気症
心身の些細な不調にとらわれ、検査などによっても所見が得られず、医学的な保証によっても納得できず、重大な病気の兆候ではないかと恐れ、執拗に訴える状態です。
神経症
正式な医学診断基準には使われなくなった用語ですが、「不安障害」とほぼ同義語です。
心身症
体の病気ですが、その発症要因や慢性化にストレスが関与している病気の総称で、病名ではありません。胃・十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎、本態性高血圧症、神経性狭心症(狭心症)、過呼吸症候群、気管支喘息、甲状腺機能亢進症、摂食障害、メニエ-ル症候群、更年期障害が代表的なものです。治療は身体疾病の治療、心身相関のメカニズムへの気づき、ストレスへの対応などが中心になります。
身体表現性障害
明らかな身体の病気がないのに、身体の症状が出るのが特徴です。例えば、歯は健康なのに歯が痛む、足腰は問題ないのに立てない、歩けない、声帯には問題ないのに声が出ない、などです。身体の症状を極端に気にして、何か重大な病気に罹ったと思い込む心気症も、このカテゴリーに含まれます。
自律神経失調症
明らかな身体の病気がないにも関わらず、自律神経のバランスが崩れていると感じることによる不調を指します。全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸などがあります。

【参考】事例紹介-自律神経失調症-
睡眠障害
睡眠に関連した多種多様な病気の総称で、大きく分類すると、不眠症・過眠症・睡眠時随伴症があります。
摂食障害
強い肥満恐怖からダイエットに走る「拒食症」と、むちゃ食いで特徴づけられる「過食症」。摂食障害にはこの2種類が挙げられ、両方とも女性が圧倒的多数です。拒食症から過食症への移行もよく見られます。

【さらに詳しく】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」
双極性障害(躁うつ病)
躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患です。躁状態の程度により大まかに双極Ⅰ型(顕著な躁状態が出現)、双極Ⅱ型(軽躁状態が出現)に分類されます。いずれも気分が高揚し開放的で、頭の回転が良くなった感覚を覚え、思い立つと行動に移すのも早いなどの特徴があります。睡眠欲求が減少(寝てる時間が惜しい、寝なくても疲れない)するのも特徴的です。職場では、軽躁状態では仕事の生産性が高まることがありますが、顕著な躁状態では、自尊心も肥大し、周囲と激しい口論をするなどトラブルを起こし、かえって仕事の生産性が落ちます。この時期は乱費、性的逸脱行為も増えやすいです。躁状態のあとのうつ状態では自殺のリスクが高いため、積極的に専門家の治療を受けるべきです。

【さらに詳しく】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」

【参考】事例紹介-双極性障害(躁うつ病)-

タ行

退却神経症
副業には専念できるが、個人に期待される社会的役割である役割(仕事や学業)からは、あえて退却するように、無気力・無関心・抑うつなどを呈するもので、日本独自の概念です。
注意欠陥性多動障害(ADHD)
発達水準からみて不相応に注意を持続させることが困難であったり、順序立てて行動することが苦手であったり、落ち着きがない、待てない、行動の抑制が困難であるなどといった特徴が持続的に認められ、そのために日常生活に困難が起こっている状態です。12歳以前からこれらの行動特徴があり、学校、家庭、職場などの複数の場面で困難がみられる場合に診断されます。
適応障害
環境変化によるストレスが個人の順応力を越えた時に生じる情緒面および行動面の不調です。うつ病など他の精神疾患の診断がつくには至っていない状態です。薬物療法も行われますが、環境調整、環境に慣れること、個人の順応力が増えることなどが状態の回復に重要です。

【参考】事例紹介-適応障害-
てんかん
脳が反復的に電気的に異常興奮するためにてんかん発作が出現する疾患です。発作中は、意識を失ったり、けいれんがみられたり、症状は様々です。「てんかん発作」は、基本的に一過性で、てんかん発作終了後は元通りの状態に回復することが特徴です。原因は様々で、脳腫瘍や頭部外傷後遺症などの明らかな原因がある場合は「症候性てんかん」、原因不明の場合は「特発性てんかん」と呼ばれます。さまざまな抗てんかん薬の定期的な服用によって、てんかん発作はコントロールされることが多くなり、日常生活や社会生活に支障が出ることは多くはありません。

【さらに詳しく】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」
統合失調症
こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気で、そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状(幻覚・妄想)と、健康なときにあったものが失われる陰性症状(意欲の低下、感情表現の減少)があります。治療は、薬をつかった治療(薬物療法)と、専門家からのアドバイスを受けたりリハビリテーションを行ったりする治療(心理社会療法)を組み合わせて行います。かつて 「精神分裂病」と言われていたもので、2002年8月に「統合失調症」という病名に変更されました。

【さらに詳しく】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」

【参考】事例紹介-統合失調症-
逃避型抑うつ
うつ病により、職場不適応が生じると、些細な失敗を恐れて「ひきこもり」が生じることがあります。しかし旅行に行く、仕事以外の社会活動には活発、というような現実問題から逃避しているかのような状態をさします。いわゆる「現代型うつ病」のひとつの類型と考えられています。

ナ行

難治性うつ病
うつ病のタイプや重症度を意味するものではなく、様々な治療(薬物療養、精神療法など)を一定期間以上行っても改善しない状態を総称したものです。専門家に相談する必要がありますが、抗うつ剤と違う薬物療法、薬物以外として、通電療法(電気けいれん療法)、磁気刺激療法(経頭蓋磁気刺激法)、光療法、断眠療法などがあります。
認知症(痴呆症)
認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。認知症の中で最も多いのは、アルツハイマー型認知症で、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。次いで多い血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によっておきる認知症です。65歳未満で発症した場合は、「若年性認知症」と呼んでいます。

【さらに詳しく】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」

ハ行

発達障害
発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。そのため、養育者が育児の悩みを抱えたり、子どもが生きづらさを感じたりすることもあります。発達障害があっても、本人や家族・周囲の人が特性に応じた日常生活や学校・職場での過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりすることができます。

【さらに詳しく】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」
パニック障害
強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつで、従来、不安神経症と呼ばれていた疾患の一部です。特定の場面や状況に限らず、パニック発作が繰り返されます。

【参考】事例紹介-パニック障害-
パニック発作
突然激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達するものです。動悸、発汗、息苦しさ、どうにかなってしまいそうな感じなど複数の症状が同時に現れます。パニック障害に限らず、あらゆる不安障害で生じる可能性があります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
強烈な精神的衝撃を受けた後に、長期にわたり恐怖感、無気力、睡眠障害、悪夢など様々な症状を示す障害です。ときに、数週~数か月の潜伏期間がある場合があります。地震、洪水、火事のような災害、または事故、戦争といった人災、監禁、虐待、強姦など犯罪など、多様な原因によって生じます。

【さらに詳しく】国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」
不安症(不安障害)
不安とは、明確な対象を持たない恐怖のことを指します。不安により発汗、動悸、頻脈、胸痛、頭痛、下痢などといった身体症状も現われますが、不安そのものや不安による身体症状が強く生活に支障がある病的な状態を不安障害と呼びます。治療には、薬物療法・認知行動療法などがあります。

【さらに詳しく】 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「こころの情報サイト」

【参考】事例紹介-不安障害-
不安神経症
正式な医学診断基準には使われなくなった用語ですが、「不安障害」とほぼ同義語です。

マ行

慢性疲労症候群
原因不明の強い疲労が長期間(一般的に6か月以上)続く病気です。検査所見による診断基準がないため、自覚症状を中心に診断されるのが現状です。治療による完治は5~10%ですが、症状はある程度改善すると言われています。中には、うつ病、更年期障害などの疾患が含まれているとも考えられています。
燃え尽き症候群
それまで人一倍活発に仕事をしていた人が、なんらかのきっかけで、あたかも燃え尽きるように活力を失ったときに示す心身の疲労症状をいいます。主要症状として、心身の疲労消耗感のほか、人と距離をとり感情的接触を避ける、達成感の低下などが認められています。精神医学的にはうつ病と診断されることもあります。

ヤ行

抑うつ状態(うつ状態)
気分が落ち込み、憂うつになる状態をいいます。うつ状態と抑うつ状態の違いは明確なものはなくほぼ同義語です。抑うつ状態を呈する代表的な疾患としては、うつ病が知られていますが、不安障害、統合失調症、適応障害、パーソナリティ障害、などあらゆる精神疾患でみられる症状です。

ラ行

リストカット症候群
自分の手首をカッターナイフや剃刀などで傷つける自傷行為をさす、手首(wrist)と切る(cut)を合わせて作られた和製英語です。手首の他には、腕、足、顔、腹部などを切ることもあります。自傷行為に伴う痛みや出血によって自分が生きている実感を取り戻す行為であるという見方もあります。