働く人々が強いストレスで悩んでいる時に、相談したいと考える相手で一番多いのは、身近な家族や友人です。娘さんがいつもと違って元気がないようでしたら、まずはつらさの内容について尋ねてみてはいかがでしょうか。
話してくれたら耳を傾け、「そんなことはない」などと否定せずに、ご本人が感じていることが何かを理解しようという姿勢が大切です。職場環境による要因が多いようでしたら、会社の健康管理室などに相談してみるよう促してもいいでしょう。
ただ、睡眠や食欲などの問題が1週間以上継続するようでしたら、すでに何らかの疾患が生じているかもしれません。「うつ病」などという言葉は使わず、「疲れが抜けない状態がずっと続いているのが心配」などと気持ちを伝えた上で、受診を勧めてみてもいいでしょう。精神科や心療内科への受診のハードルが高い場合は、まずは、かかりつけの内科でもいいかもしれません。また、初診の時は付き添うと娘さんも安心して受診できるかもしれません。
ハラスメントは、一日の大半の時間を過ごす“職場”という逃げ場のない環境で、場合によっては長期間にわたって被害者を追いつめ、自尊心を傷つけ続ける行為ですので、その環境から離れた後も、加害者に対する怒りや恐怖の感情が蘇ったり、つらい記憶を何度も思い出してしまったり、人に対して心を開けなくなってしまったりすることがあります。人が信じられなくなったり、怖くなったりしても不思議ではありません。
しかし、たとえハラスメント被害による自然な反応だとしても、仕事も順調で人間関係も良好な職場であるにも関わらず、人を怖いと感じてしまったり、心を開きたくても開けなくなってしまうことは、とてもつらいことだと思います。
このような反応は時の経過とともに少しずつ薄れていくと思いますが、どうしてもつらいときは、カウンセリングなどを利用したり、もし職場に信頼できる人がいればその人に事情を話してみても良いでしょう。1人でも理解者がいると思えば、少し心が軽くなるかもしれません。こころの耳でも相談窓口をご用意しています(「こころの耳相談」)。
また、もし眠れない日が続いたり、体重が減るくらい食欲が落ちるなど、睡眠や食欲に影響が出ているようであれば、早めに産業医に相談したり、医療機関への受診を考えてみるようにしましょう。
例えるなら、こころの傷が完治しないまま残っている状態とも言えるかもしれません。自然なこころの反応に蓋をして無理に恐怖心をおさえようとすると、不自然な言動につながってかえって誤解されてしまう心配もありますので、自然に傷が癒えてカサブタが取れるまで、焦らず自分のペースで過ごしてみてください。
自分が他人からどう思われているのか、どう評価されているのか、などが気になり自分の感情が揺り動かされることは珍しくないと思います。私たちの脳は、自分と他者、そして社会を結ぶ働きをしています。この働きによって、他者の心を想像し、本能的な感情をコントロールしながら仲間と協調し環境適応して、社会生活を営んでいます。そのため、他人からの批判を気にすること自体は問題ではありません。
ただ、他人の考えや言動は、他人の持ち物です。いくら考えたところで自分の頭の中には答えがありません。多くの人は、そのうち考え込むのを止めますが、もし考え続けると、睡眠や食事が通常のようにとれないなど日常生活への支障が続いたり、職業生活にも大きく影響が出てしまうことがあります。その場合は、社内の健康相談窓口もしくは社外の精神科や心療内科への相談をお勧めします。
精神障害に限らず、病気を治す期間は主に2つに分かれます。前半が療養に専念する期間、後半が復帰に備える期間=リハビリの期間、となります。たとえば重症の捻挫を想像してみましょう。前半は痛くて動けませんので固定・安静、腫れと痛みがひいたら後半は固定して硬くなった関節を動かし可動範囲を広げ、元の生活が可能となります。
つまりリハビリ期間に入るには、日常生活を送る上で症状による支障がほとんどなくなっている状態が必要となります。うつ病を例にしますと、憂うつな気分である、不安や緊張でビクビクする、嫌なことばかり考えて眠れない、など苦痛な症状がほぼ改善している状態ということになります。自覚症状が強く苦痛が大きい時期は、まだ療養に専念する期間と考えましょう。自分がどの期間にあるのか、主治医にも相談するとよいでしょう。
リハビリ期間の過ごし方として重要な点は主に3つあり、ⅰ.睡眠・食事のリズムの確立、ⅱ.就業を想定した日中活動、およびⅲ.これらの継続性、ということになります。
ⅰ.適切な睡眠および食事のリズムですが、久々の就労というストレスの海に飛び込んで泳ぎ続けることになります。そこに必要な体力の維持のための基本中の基本です。
次にⅱ.就業を想定した日中活動ですが、最近はリワークプログラムなどを設置した病院もありますが、ひとりで行うことも可能です。しかし自分の意志が必要になります。たとえば、毎朝図書館に通い、そこでの過ごし方のレベルを段階的に上げていくことも工夫次第でできます。たとえば、新聞のある部分を読むことからはじめ、問題なく出来るようになったら、その部分をノートに書き写す→写すだけでなく要点をまとめる→まとめるだけでなく私見を述べる、といった形で、少しずつステップアップが出来るのです。また特に都市部では独特な緊迫感のある通勤時間帯のラッシュを体験しておくことも役立ちます。通勤訓練などとも呼ばれていますが、この準備なしに復帰して消耗してしまう方も珍しくありません。
最後に、ⅲ.継続性ですが、仕事は1週間後も1か月後も1年後も続きます。就業を想定した日中活動がある程度の期間続けて出来ていることも、復帰の準備としてたいへん重要な要素となるでしょう。ただ、長距離走ですので、短距離走のようなスピードは不要です。
会社によっては、「試し出勤制度」などが設けられている場合があります。基本的には上記のようなリハビリの期間を経過し、業務遂行の準備が整っている上で行うものです。その運用は会社によって異なりますので、上司や人事労務、産業保健スタッフなどにお尋ねください。上手に利用することにより円滑な職場復帰が期待できます。
心の健康問題で休業した労働者に対して主治医の判断により復職診断書が発行され、産業医が精査した上で、事業者に職場復帰に関する意見を述べることになります。しかし、必ずしも主治医と産業医の意見がすべて一致するわけではありません。主治医による診断は、日常生活における病状の回復程度から復職の可能性を判断していることが多く、職場復帰後職場で求められる業務遂行能力がまだ回復しているとの判断とは限らない場合があります。
職場復帰は、就業規則等に定められた就業時間内労働を可能とする業務遂行能力が回復していることが前提となります。そのため、適正な睡眠覚醒リズムが確保されており、昼間の眠気がなく、注意力・集中力が持続し、安全に通勤ができ、療養中に業務に類似した行為を遂行したとしても疲労が翌日まで残ることのない程度まで体力が回復していることが必要です。これらの点について産業医は精査を行い(「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」参照)、その結果明らかに職場復帰に必要な準備が整っていないと判断することもあります。このような場合主治医とさらに情報交換を密にして、職場復帰に必要な準備状態の確立に協力してもらえる関係を作っていく必要があります。
より円滑な職場復帰支援を行う上で、職場復帰の時点で求められる業務遂行能力はケースごとに異なることが多いため、あらかじめ主治医に対して職場で必要とされる業務遂行能力の内容や社内勤務制度等に関する情報を提供した上で、就業が可能であるという回復レベルで復職に関する意見書を記入してもらうようなプロセスを踏むのもいいでしょう。
精神科の最初の診察は、内科などと違って心電図、CTなどの検査はほとんど行われず、その代わりにこれまでの経過を詳しく聞きます。「いつから、どんなきっかけで、このような”うつ”になったのか」といったことです。精神科医が聞く場合もありますが、臨床心理士や精神保健福祉士などがお聞きする場合もあります。精神科医は診察を通して助言をし、必要な場合は抗うつ剤や睡眠導入剤などを処方します。診察と投薬だけでは不十分な場合には、併行して、カウンセリングやデイケア・ショートケアなどの特別なプログラムを行う場合があります。家族関係の調整が必要な場合にはケースワーカーが相談を受けることもあります。カウンセリングなどのプログラムは、スタッフの数が少ない精神科診療所では行いにくいことから、心理カウンセリング機関と連携して行っている場合もあります。
糖尿病なら血糖値、高血圧なら血圧値、骨折ならレントゲン写真など、多くの病気には診断に結びつきやすい検査があります。しかし、心の病気(精神疾患)では、そのような絶対的な検査手段がありません。精神科の疾患の診断の中心は問診(生活史、現症、環境、家族歴など)や視診です。現在の症状(現症:気分の落込みがある、眠れない、恐怖感が強い、など)の訴えだけではありません。その症状が、どのような基盤に生じたか、どのような経過で生じたか、どのような契機で生じたか、などを整理して解釈します。元来の性格・家族の状況・学歴や職業歴なども大切です。また、本人の困っているいくつかの症状が、どのような組み合わせであるかを考えます。症状の根底に、体の病気やそれに対する処方薬の影響がないかも検討します。さらに、症状がどの位の経過・継続があるのか、その強さ・深さの程度がどれくらいか、キッカケとなるものがあるかなども聞き取ります。本人にかかった負担に対する反応としての症状の現れ方が、普通考えられる程度と比べ、過大か過小かなども考慮します。以前に同様の症状があるかないかも参考になります。これら問診から得られる情報が診断の主体ですが、顔つきや表情、話し方や言葉遣い、身振りや動作、など視診も診断を考えるには大事なものです。体格、体重変化、血圧、脈拍、食欲、便通、月経、なども参考にします。睡眠の具合などは重要です。握力や歩行、腱反射、瞳孔の具合など神経学的な検査も必要に応じて参考にします。また、心理検査・心電図・頭部CTスキャン検査・脳波・血液検査なども診断に役立ち、今後は白血球遺伝子検査や光トポグラフィー検査などの有効性も期待したいところです。
過労死等は、過労死等防止対策推進法第2条により、以下のとおり定義されています。
・業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
・業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
・死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害
“業務による過重な負荷”としては労働時間が重視されており、過労死等の防止は国の取り組みの中でも重点的な課題です。一方で、過労死と生活習慣病の関係が否定できるものではなく、労働者個人の立場では「過労死は生活習慣病と無関係ではなく、よい生活習慣を保つことは大切だ」と考えるべきです。
それでは、過労死を防止するために生活習慣のどのような点に気をつければいいでしょう。過労死のうち心臓病は、仕事や生活習慣との関係が知られています。具体的には、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や喫煙は明確に発症のリスクだということです。さらに注意すべき点は睡眠と抑うつです。睡眠時間が6時間未満の場合はあきらかに発症のリスクが高まります。また、抑うつは自殺だけでなく、心臓病にもよくない影響があるという報告がされています。
上記のことから、過労死防止のためにも、生活習慣病は医師等のもとで適切に管理する、その上で、a.生活習慣病の予防・改善のためバランスのよい食事と適度な身体活動をすること、b.禁煙を心がけること、c.睡眠時間を確保してストレスや抑うつ感をため込まないこと、が大切です。つまり、適度な身体活動と禁煙、さらには充分な睡眠でリフレッシュを心がけることが過労死防止の大切な生活習慣のポイントと言えるでしょう。
睡眠の問題が起きていると思われます。また、アルコールを不眠やイライラの解消のために薬物として使用するのは、状態の悪化や依存症などを招くためおすすめできません。まずは会社の産業保健スタッフ、あるいは外部の精神科や心療内科などの専門機関を受診し相談されることをおすすめします。また、身体疾患による睡眠障害も起こりうるので、かかりつけ医への相談もおすすめです。
たまに飲酒することで寝入りをよくする効果はありますが、常用したり大量に飲んでしまったりするのはかえって逆効果であり、睡眠の質が悪くなってしまいます。また、アルコールは耐性を生じやすいので、毎日飲んでいるとだんだん量を増やさないと眠れなくなってしまい、アルコール依存症や肝臓などの臓器障害を起こす危険もあります。睡眠薬よりお酒のほうが安全と思われるかもしれませんが、快眠のためには飲酒(寝酒)よりも、医師の指示にしたがって服用する睡眠薬のほうがはるかに効果があり安全です。
まず、うつ病の症状がよくなっていることに加え、日常生活が問題なく送れるようになることが重要です。朝起きて、食事をとり、身支度を整え、外出したり、身の回りのことをしたりして、夜はきちんと睡眠をとれるなど生活が回るだけでなく、本来の興味や関心も回復している状態です。
そのうえで、勤務時間に仕事に準じた活動(事務職であればPC作業や読書など、体を使う仕事であれば散歩や筋トレなど)ができること、他人とのコミュニケーションを問題なくとれることが必要です。
また、うつ病は再発のすることが多い病気ですので、継続的に仕事を続けていくためには、再発した際に早期に気づき対応し、その影響を最小限に留められるような準備もしておくとよいでしょう。具体的には、病気になった原因や背景を振り返り、どんな時に、どんな変化が自身の心や体に現れるのか、そうなった場合にどんな対処が必要なのかを考え、身につけておくことです。一人で難しい場合は、主治医に相談したり、カウンセリングをうけるほか、リワークプログラムといって職場復帰のためのプログラムを用意している医療機関等があるので利用するのもよいでしょう。
睡眠は人の生態活動として必要不可欠なものです。睡眠がとれておらず、かつ、仕事に悩んでいる様子がご家族から見てとれるということは、元気がなく気落ちしていたり、食事もとれていなかったりといった状況もあるかもしれません。そのような場合、うつ病などの精神疾患にかかっている可能性もありますし、そうではなくても睡眠がとれない状態でメンタルヘルスを改善させることは難しくなります。
ご家族としては、まずご本人の悩んでいることに耳を傾け、睡眠がとれていなかったり、気分が沈んでいたりする場合は、心療内科や精神科への受診を勧めてみるとよいでしょう。また、仕事のことで悩んで睡眠障害という体調不良をきたしているということであれば、勤め先の産業医や保健師に相談するよう勧めてもよいと考えます。
不眠症にはさまざまな原因があり、原因によって受診すべき科が異なります。もし、ほかに通院中の病気があり、お薬を服用している場合には、睡眠を障害する薬もありますので、一度かかりつけの医師に相談されるとよいでしょう。
最近では、睡眠に関する専門外来を開いている病院もあります。原因がよくわからず睡眠がとれずに悩んでいる場合には、このような睡眠に関する総合外来を受診されてもよいでしょう。
なお、夜中に何度も目が覚めたり、家族からいびきや無呼吸を指摘されたことがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、「終夜睡眠ポリグラフ検査」という検査ができる医療機関に受診されるとよいでしょう。
就寝時や夜中に目が覚めた時に足のふくらはぎや足の裏あたりが「むずむず」したような異常感覚があって眠れない場合は、「むずむず脚症候群」という病気の可能性があります。また、睡眠中に足がビクビクと動いて眠りが妨げるような場合は「周期性四肢運動障害」という病気の可能性があります。このような場合も、終夜睡眠ポリグラフ検査ができる医療機関に受診されるとよいでしょう。
最近気分が落ち込んだり、いままで楽しかったことが楽しめなくなってきている場合は、うつ病に伴う不眠症かもしれません。また、原発性不眠といって、原因が特定できない不眠症もありますので、このような場合には一度精神科に受診をされるとよいでしょう。
長時間労働による健康障害として、脳・心臓疾患やメンタルヘルス不調などがあります。脳・心臓疾患に関していえば、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、肥満、喫煙などの危険因子があり動脈硬化を起こしやすいような人は、個人差はありますが、長時間労働による身体的負荷により脳や心臓の病気にかかりやすいと言えます。ただ、現在そういった危険因子を持っていない人においても、長時間労働による結果として睡眠不足や生活リズムの不規則性などから高血圧などの生活習慣病を生じ、将来的に脳・心臓疾患になってしまう可能性があります。したがって、危険因子があるか否かに関わらず、日頃からの健康管理が大切です。
メンタルヘルス不調に関しても、長時間労働はもちろん、仕事の質(緊張性の高い業務、責任の重い業務など)、職場環境、人間関係、仕事に対するモチベーション、ストレスを溜めやすい性格、考え方の癖、家族・上司・同僚の支援の有無など、さまざまな因子が関係しており、その過程で結果的にメンタルヘルス不調が起こってくると思われます。つまり、どのような人であっても条件がそろえば心の調子を崩す可能性があり、労働時間やその他の因子にも注意して、未然に健康障害を予防していく必要があります。
一日は24時間ですので、通勤時間が長くなったり、残業時間が増えれば、犠牲になってしまうのは休養や睡眠の時間になります。この睡眠時間が十分に確保されないと、”心とからだ”の健康状態に支障をきたし、脳出血などの脳血管疾患や心筋梗塞などの虚血性心疾患等、あるいはうつ病などのメンタルヘルス不調が起こりやすいといわれています。過重労働の範疇に入るかどうかは通勤時間ではなく、時間外労働(残業と休日労働)や責務の重さや就労形態の実態によって判断されるものです。
通勤を含む仕事での睡眠不足を解消するため、残業を少なくするような対策やテレワークの制度を利用するなどが、過重労働による健康障害予防に必要な対策だと考えられます。
日本人の死因の約1/3を占める脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞等)や虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症等)は、血管病変の形成、進行及び悪化により発症します。
働き過ぎが長期に及ぶことにより、休息や睡眠の不足から疲労が蓄積し、血管病変をその自然経過を超えて著しく増悪させ、脳血管疾患や虚血性心疾患が発症することが知られています。これらの疾患の労災認定基準では、時間外労働(休日労働を含みます。)について、1か月当たりおおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まり、発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月ないし6か月にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとされています。
また、長時間労働により疲労やストレスが蓄積すると、仕事などに対するモチベーションの低下やメンタルヘルス不調に陥ることが社会的注目を浴びています。
睡眠障害や食欲が改善してきた段階で、仕事の締め切りや家族や周囲の目を気にして、焦燥感がある状態で復帰の準備を始めてしまうケースがありますが、職場復帰時の自殺を予防するためには、うつ病の症状がきちんと改善されていることを確認して復帰の準備を進めることが必要です。主治医等と連携し、病状を確認するとともに、一定期間、休業中に復帰後を想定した生活を送ってみるなど、段階的に職場復帰につなげていくとよいでしょう。地域によってはリワークプログラムを提供してくれる機関もありますので、それらを利用していくのも有効です。
時間外労働の多い生活をしていて負担とは感じないということですから、気力・体力ともに充実した素晴らしい労働生活を送っていることと思われます。ただし、注意していただきたいのは、このようなときは仕事に集中しているばかりではなく、もしかすると疲労や身体症状への自覚がないだけかもしれない、ということです。
長時間労働による心身の疲労は自覚できない場合も多く、従業員の健康状態と職場の状況をよく知る産業医による、客観的な視点での問診が決め手となって見つかることも少なくありません。また、若い時はがむしゃらにできたことも、年を経るに従い体力の衰えや、背負った責任の重さなどの周辺事情が変化して、知らず知らずに重圧となっていることもあります。血圧変動や睡眠リズムの乱れはもとより、食生活の乱れや体重変動なども身体バランスを崩すきっかけとなる可能性があります。また、長時間労働が恒常化していると、何かのきっかけで急速に抑うつ状態に陥る危険性もあります。毎月産業医面接に呼ばれるということは、会社も産業医もあなたの健康を心配してのことと思われます。ぜひ産業医の面接を受けていただき、心身の状態をご自分でも把握できるよう、いろいろと相談してみてください。