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(1)信頼関係の形成
部下の話を聴くことは、信頼関係の構築につながります。話を聴くということは、「部下が伝えたいこと、思い」を理解することです。上司が傾聴の姿勢で話を聴いてくれると、不安や緊張が低減して安心して話すことができ、話を聞いてもらえた、尊重してもらえた、大切にしてもらえた、という感覚が生じ、充足感や安堵感を感じることができます。この感覚が、上司への信頼感につながっていきます。
(2)気持ちの鎮静化
相談する前までは、不安や苦悩を抱えていた部下も、傾聴されることによって、次第に気持ちが落ち着いていくことがあります。例えば、深く息をついたり、「スッキリした」、「胸のつかえが取れた」と感じることもあるでしょう。これは、カタルシス(catharsis:浄化)と呼ばれるもので、傾聴がもたらす1つの心身的な作用です。
(3)自己理解や気づき
話しはじめる段階では、何が問題なのか、今後何をどのようにしていきたいのか、など、部下本人も十分整理がついていないことも少なくありません。こうしたときに、上司による傾聴と応答に支えながら整理することができ、自己理解や気づき、ひいては意思決定につながることがあります。