3「興味・関心」のあることを楽しむ(遊ぶ)

(1)身体活動・運動の重要性
厚生労働省は、1989年から運動に関する指針を作り、改訂を重ねてきており、2024年1月には「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を発表しています。国がこうしたガイドを作成するねらいとして、身体活動を実施することが、病気の予防、うつや不安の症状の軽減に加えて、思考力や学習力、総合的な幸福感を高めることにもつながる、ということが挙げられます。
我が国では、身体活動・運動の不足が、喫煙、高血圧に次いで3番目の、非感染性疾患による死亡に対する危険因子であると示唆されています。健康寿命を延ばすためにも、身体活動や運動の大切さが多くの人に理解され、日常生活に取り入れられていくことが期待されています。
(2)今より少しでも多く身体を動かすことを目指す
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」では、“身体活動”は「安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する骨格筋の収縮を伴う全ての活動」と定義されています。“身体活動”には、“運動”の他に、日常生活における家事や労働、通勤、通学などに伴う活動である“生活活動”も含まれています。一方、座って行うパソコン作業や座ったり寝ころんだりした状態でテレビやスマートフォンを見る行動は、“座位行動”として、“身体活動”とは分けて考えられています。
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」では、成人については、“身体活動”を1日60分以上(1日約8,000歩以上)、“運動”を週60分以上行うことが推奨されており、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意することも推奨されています。また、個人差を踏まえて、可能なものから取り組むことで、今よりも少しでも多く身体を動かすことが、全体の方向性として示されています。
(3)仕事と身体活動どちらも無理なく続けられるバランスを見つける
働く人は、そもそも運動習慣のある人が少ないと言われています。特に、オフィスワーカーのように座って仕事をする時間が長い職種では、身体活動レベルが低くなる可能性が自然と高くなってしまいます。ですが、身体活動が不足し座っている時間が長くなると、糖尿病などの病気になるリスクが高まったり、腰痛や肩こり、頭痛などが生じやすくなったり、労働生産性の低下につながったりする可能性があります。
とはいえ、仕事が終わってからジムに行く、というのもなかなか簡単にできることではないと思います。「通勤の際に歩く時間を意識的に増やす」など、毎日の生活の中で無理なく継続して取り組み続けられる身体活動を増やしていき、自身の健康と仕事の生産性を守っていくことが大切です。