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第7回 管理監督者の研修でさらに一歩前進!

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第7回 管理監督者の研修でさらに一歩前進!

管理監督者の研修の実施!

 研修をするならまずは何から考えますか?

 職場内のケアをいかに浸透させていくか、こう考えると基本となるのはセルフケア、自己コントロールの部分なのですが、組織的な取り組みとしてはやはり管理監督者から推進していくことが重要だと思いました。

 そこで、私は上司にそのまま、「管理監督者向けの研修をやりたいです!」と言いました。が、「もうメンタルヘルスの研修は声かけ、傾聴、アクティブリスニングなど一通りやったからね~。」という現状が明るみに!

 そうですよね。厚生労働省が平成18年に具体的な4つのケアの指針「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を出して以来、企業はそれなりにやれることをやってきているはず。しかしながら、もう実施済みとはいえ、実態としては浸透していないと感じてしまった私は、もう一度、新任管理監督者も含めてラインによるケアのための研修を実施する必要性を強く感じたのでした。

実態にマッチした一歩踏み込んだ管理監督者研修を?

 皆さんの会社ではどうでしょうか?例えば、勤怠に波のある社員がいた場合の対処は、各部門の管理監督者がしっかりと把握していますか?また、何らかの仕組みが一律運用されていますか?でも、現状は、管理監督者によっては対応が全く異なってしまう、なんてことあるのではないでしょうか。

 私はもう一度、ラインによるケアの浸透がどうも見られない現状を、対応した相談ケースの事例性を根拠に上司に説明をしてみました。どのタイミングで声を掛ければよいのか、声かけをして何を促せばいいのか、会社の中に管理監督者が声掛けをした後に対処してくれる機能やルールがあるのかどうかこれらを把握していない管理監督者からの相談が実は多かったのです。その結果、おさらいの目的で一歩踏み込んだ内容の研修ならばやってみよう、ということになりました。

 となると、いつもの「労働者の心の健康の保持増進のための指針」です。「6メンタルヘルスの具体的な進め方」の中に、「メンタルヘルスを推進するための教育研修・情報提供」に具体的な研修項目が例示されているので、それを参考に研修内容を構成しました。

 さらに、昨今の変化した社会的背景の説明、パワハラの判例紹介、事例性が目立つ職場の従業員に対しての具体的な対処プロセス、社内の機能と仕組み、職場復帰支援プログラムと職場との連携、これらを構成要素に入れました。

 ただ、こうなると人事労務の切り口からも応援がほしいところで、自分ではまだまだ経験不足な点が否めません。そこで、今度は人事労務担当者に相談してみることにしました。研修をやりたいこと、対象者は忙しい管理監督者の方々、製造業なだけに長時間多数の人が抜けてしまうことはとても難しい環境、ということですので2時間が限度。さすがに厳しいなぁ、などと内心はもやもやしていましたが、やはり現状起きている相談ケースのテーマと件数を情報としてお知らせしたところ、「是非やりましょう」ということになりました。

 プログラム構成は、結局立派な研修とまではいかなかったかもしれませんが、社内にある仕組み、機能、最近の社会背景を説明するだけでも、なぜ管理監督者がこのような対応を求められているのか、ということに対して理解を得ることができ、ラインによるケアの強化へとつながっていくことに大いに期待がもてそうな研修になりました。職場復帰支援プログラムは、職場や人事労務との連携が欠かせない所でもあり、意外に質問が多くでてきたところも、やってみてよかったなと感じられるところでした。このような仕組みがあることを説明するだけでも、管理監督者だけが一人で負担しなくてよいのだという安心感には多少なりともつながったのかもしれません。しかし、管理監督者が担う責任、義務が多いという印象を強く持たれてしまう側面もあるようで、管理監督者をサポートする仕組みもあれば、併せて説明してほしかったという意見が今後の課題として重く残った研修会となったのでした。

 また、国の事業として実施されている「産業保健総合支援センター」で、管理監督者に対する教育の実施も含め、メンタルヘルス対策に関する支援を無料で実施しているので、まずは産業保健総合支援センターに相談してもよいかと思います。

 なお、個人情報の取扱については、厚生労働省から「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」(平成31年4日1日適用)や、パンフレット「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」が示されています。

次回へ続く・・・

東 ちはる(あずま ちはる)
産業カウンセラー・心理相談員
新たに設置した「メンタルヘルス推進室」の担当者となり、「事業場内メンタルヘルス推進担当者」として活動することに。
社内のメンタルヘルス対策の実現に向けて、そこには孤軍奮闘の日々が待っていました。
何も分からない手さぐりの状態から、『出来ることから一つずつ』をモットーに現在進行形で取り組んでいきます。※創作ストーリーのため、架空の人物です。

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