ア行
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メンタルヘルス関係
AKK(アディクション問題を考える会)、NA、Nar-Anon(ナラノン)
うつ病は、精神症状が一般的ですが、なかには身体症状の方が前景にたつケースも少なくありません。身体疾患の仮面をかぶったうつ病という意味で、仮面うつ病と呼ばれています。主体となる苦痛が身体症状となると、内科、産婦人科、などの心の専門医以外の診療科を受診し誤診されてしまうこともあります。
メンタルヘルス不調で休んでいた人が職場復帰する場合には、まずは元の職場(休み始めたときの職場)に戻すのが原則です。新しい環境に適応することが心理的な負担になるためです。ただし異動がきっかけで発症したような場合は、適応できていた以前の職場などへの復帰が良い場合もあります。なお、職場復帰については、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(平成24年7月改定。厚生労働省発表)を参考とするとよいでしょう。
正式な医学病名ではなく、従前からの典型的なうつ病と違うものを意味する総称として名前が一人歩きしている傾向があり、専門家の間でも見解は一致していません。「新型うつ病」などとも言われ、あたかも最近新しく生じたうつ病のようですが、実は古くから「ディスチミア親和型」「逃避型うつ病」「アパシー」「退却神経症」「パーソナリティ障害(境界性、自己愛性など)」「甘え、怠け、わがまま、自己中心的な性格の問題」など専門家の間では様々な見方をされてきています。本人だけの問題と考えられがちですが、社会が生んでいるという観点も重要と思われます。DSM-Ⅳ-TR(米国精神医学会)にはメランコリー型に対し非定型うつ病の診断基準の記載があり、1)気分の反応性:楽しい出来事には気分が明るい、2)食欲の増加、体重増加、3)過眠、4)鉛様の麻痺(身体が鉛のように重い)、5)拒絶過敏性(他人の言動にひどく敏感)、などを特徴としています。
整えられた環境の下、蛍光灯に似た2500ルクス~10000ルクスの照射を、読書や食事をとりながら1分ごとに数秒は光源を見る、一日1時間~2時間、1週間~3週間行います(一般家庭の蛍光灯の照度は数百ルクス)。なお、曇り空は約10000ルクスと光療法としての照度は十分あると言われています。一部のうつ病や睡眠障害に有効といわれています。
心の健康問題により休業している労働者が増加しているとする調査結果や休業後の職場復帰支援がスムーズに進まないという近年の調査結果等もあり、職場復帰支援に関する社会的関心が高まっていいます。事業場向けマニュアルとして、平成16年に厚生労働省により「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が作成され、平成21年には改訂が行われ、それが利用できるようになっています。
メンタルヘルス不調による長期休業者の職場復帰は簡単ではなく、再発や離職もなく少なくありません。長期休業者のスムースな職場復帰は本人のみならず企業や職場にとっても重要な課題になっています。しかし、人材確保とスムースな職場復帰を可能にするため、多くの企業で職場復帰支援プログラムが用意されています。主治医と産業医の意見をもとにして、管理監督者、人事労務担当者、産業保健スタッフなどが、職場環境や作業の内容、作業時間などの調整をしたり、健康面のケアをしたりして、職場復帰を総合的に支援するためのものです。
1. 軽い不適応状態を示す場合
2. 職場不適応症を指す使い方
3. 職場ストレスと個人要因の関連性を示している場合
4. 状態を示す使い方
1-4のどれに該当するかを知ってほしいです。
代表的なものには、不安神経症、心気症、神経衰弱、ヒステリ-、抑うつ神経症、強迫神経症、恐怖症、離人神経症などがあります。
具体的方法は、(1)目を閉じて、上を向いてゆっくりと体を横たえる。(2)気持ちが落ちついているという、決められた暗示の言葉を頭の中でくりかえす。(3)さりげない集中(受動的注意集中)を行い、段階的に練習していく。
この方法は広く、心身症、神経症、などの治療の他に、ストレス解消や健康増進を目的に行われています。
神経症型、心身症型、本態性自律神経失調症、それに抑うつ型にわけて治療します。身体症状として、全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸など、それに種々の臓器の機能障害をきたし、心理的ストレスにより症状が変動もしくは増悪をきたしやすい特徴があります。
治療は心身両面から行い、生活指導として健康習慣を身につけ、心身のリラックスを図ります。精神安定剤などの薬物療法などがあります。また自律訓練法も改善に役立ちます。
ヒトの体内時計の周期は約25時間で、私たちは毎日これを24時間に調整して生活しています。睡眠・覚醒のリズムがうまく調整できなくなった状態を概日リズム障害といい、海外出張(時差ぼけとなる)や、交替勤務でも起こります。他に、就寝と起床がどんどん後ろにずれ込む睡眠相後退症候群があり、職場ではだらしない朝寝坊の遅刻魔と見なされがちです。このタイプの治療には、明るい光の照射や、ビタミンB12などが用いられます。
日本人は、最近50年間で急速に、睡眠時間減少、かつ宵っ張りに傾いています。睡眠の問題を訴える労働者も増加中です。睡眠障害にはさまざまな種類があり、単純な不眠のほか、日中に強い眠気を呈する「睡眠時無呼吸症候群」や「ナルコレプシー」、交替制勤務や海外出張などに伴う「睡眠覚醒リズム障害」、さらに、睡眠時随伴症として、寝ていると脚がむずむずして眠れなくなる、高齢者に多い「脚むずむず症候群」などがあります。
ストレスコーピングとは、特定のストレスフルな問題や状況に対するストレス対処方法のことで、問題解決型(状況を変化させる、問題を明確にする、別の解決方法を見つけてそれをあわせて評価する)と情動焦点型(問題に対する情動的な反応をコントロールしたり変化させたりする、逃避したり最小化したりする、情動的な苦痛の軽減を目指す)があります。
ストレッサーは、物理的ストレッサー(寒冷、騒音等)、化学的ストレッサー(酸素、薬物等)、生物的ストレッサー(炎症、感染等)、心理的社会的ストレッサー(人間関係の葛藤や社会的行動に伴う責任、将来に対する不安等)に分類されます。
フロイトによって創設されたもので、神経症やパーソナリティー障害などのケースに対し、自由連想法を用いて行う系統的精神療法の1つです。精神分析医や分析家によって行われます。発祥の地であるヨーロッパよりアメリカで最も普及しています。自分で知ることができない無意識(深層心理)の世界と現実的、かつ理性的に働く「自我」や親から受け継いだ「超自我」の相互作用、特に無意識の世界の内容を受診者に意識化させるのがポイントとなります。
セクシュアルハラスメントの略で、「職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否するなどの対応により解雇、降格、減給などの不利益を受けること」又は「性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に悪影響が生じること」をいいます。男女雇用機会均等法により事業者にその対策が義務付けられています。
睡眠障害の一つの形で、朝早く目覚め、再度眠ることができない状態をいいます。老化現象の結果として起こる場合もありますが、ストレス過多でも出現します。特にうつ病では比較的早期からみられる症状でもあります。朝の気分が憂鬱であれば、その可能性があるので注意が必要です。
なお、緊急避難的な制度として、72時間を限度に精神保健指定医1名による緊急措置入院があります。
病気のため長期にわたって休業した労働者が職場復帰をする際に、正式な職場復帰に先がけて、出勤あるいはそれに近い取組みを行ってみる制度をさします。「リハビリ出勤」などと称されることもあります。労働者本人にとっては、職場復帰に対する不安を軽減できるという効果が期待でき、職場の側にも労働者が勤務可能かどうかをある程度見極められるという利点があります。
通勤訓練は、メンタルヘルス不調により休業した労働者が職場復帰に向けて一般的に行う訓練の一つです。自宅から職場の近くまで通常の出勤時間、出勤経路で出勤をシミュレーションします。通勤に必要な体力の確認や生活リズムを整えるといった効果が期待できます。
施設への通所によって行う治療訓練です。精神障害などで治療により病状が改善し安定状態となると、日常生活を行いながら社会復帰や職場復帰を目標に行う、計画的段階的な訓練です。再発を防ぎ、必要とする対人関係能力や社会適応能力、職業能力などの改善を目指します。
かつて本邦では、英語ではschizophrenia、ドイツ語ではSchizophrenieという障害名を,精神分裂病と訳してきました。しかし,この病名は、患者に対する社会的な偏見や差別を生み出し,また患者や家族もその病名に不快さを感じるということもあって,2002年8月に,統合失調症という病名に変更することが決められました。厚生労働省もすぐにこの決定に対応し,行政レベルでも本病名の使用が公認されました。統合失調症の症状としては、幻覚、妄想、興奮、意欲障害、思考障害、睡眠障害等が認められます。しかし、最近では、副作用の少ない向精神薬の使用が可能となり、日常生活や社会的生活に支障が出ることは少なくなっています。また、リハビリテーション等によって社会参加が可能になる場合も多くなり、障害者雇用促進法でも一定の配慮がなされ、就労する機会も多くなっています。
うつ病により、職場不適応が生じると、些細な失敗を恐れて「ひきこもり」が生じることがあります。しかし旅行に行く、仕事以外の社会活動には活発、というような現実問題から逃避しているかのような状態をさします。いわゆる「現代型うつ病」のひとつの類型と考えられています。
精神障害の病因は内因・外因・心因の3つに分類されてきました。これらの分類は1994年以前に用いられていたもので、現在は公式には用いられません。遺伝や脳の働き方(素因)といったもともとの個人の病気のなりやすさ(脆弱性)を内因といい、これを病因とする精神障害を内因性精神障害といいます。診断名でいうと、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害(躁うつ病)などが含まれます。外因は脳に直接影響を与える物質や外傷、全身疾患などを、心因は社会生活上の出来事を指します。
障害の原因が、精神あるいは身体的、またはその両面にわたっており、自立した生活能力や言語機能、学習などいくつかの領域で、機能的に制限があります。子どもの発達の側面は多様であり、それらは相互に関連性を持っているため、ある側面に何らかの障害が見られる場合は、ほかの側面にも悪影響を及ぼしている可能性を考えなければなりません。
いやがらせやいじめのことをいいます。職場においては、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、パワーハラスメント(パワハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)が問題となることがあります。
強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつでパニックディスオーダー(panic disorder)とも呼ばれ、従来不安神経症と呼ばれていた疾患の一部です。パニック発作と呼ばれる状態が繰返されます。
突然強いストレスを覚え、動悸、息切れ、めまいなどの自律神経症状と強い不安感に襲われるものです。「死ぬのではないか?」などの恐怖感もよく感じます。手足のしびれやけいれん、吐き気、胸部圧迫感、息苦しさなども生じ、症状を抑えようとしても抑えられず、逆に症状は悪化し、救急搬送されることも多いようです。しかも、これらの症状は、特別な処置がなくとも、しばらく安静に過ごしていれば多くは回復します。
パワーハラスメントの略で、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えることをいいます。うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。
専門家の間でも見解は一致していない「現代型うつ病」のひとつの類型と考えられています。DSM-Ⅳ-TR(米国精神医学会)にはメランコリー型に対し非定型うつ病の診断基準の記載があり、1)気分の反応性:楽しい出来事には気分が明るい、2)食欲の増加、体重増加、3)過眠、4)鉛様の麻痺(身体が鉛のように重い)、5)拒絶過敏性(他人の言動にひどく敏感)、などを特徴としています。
不安を主症状とする神経症が不安神経症ですが、現在では「神経症」という用語は使われなくなっています。不安神経症は現在の「パニック障害」か「全般性不安障害」になります。
労働安全衛生法により、健康診断の結果が有所見である労働者に対して、事業者が医師または保健師により実施させるよう努めなければならないこととされており、実際は「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」を参考に行われています。
2006年3月に厚生労働省から公表された「労働者の心の健康の保持増進のための指針」のこと。事業場で推進されるべきメンタルヘルス対策のあり方を包括的に記しており、2000年8月に示された「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」の増補改訂版にあたる。労働安全衛生法第70条2第1項に基づくものと位置づけられており、この指針に沿った取り組みを行うことは、事業者の努力義務となっている。
アメリカの心理学者フロイデンバーガーが1980年に提唱した概念で、それまで人一倍活発に仕事をしていた人が、なんらかのきっかけで、あたかも燃え尽きるように活力を失ったときに示す心身の疲労症状をいいます。主要症状として、心身の疲労消耗感のほか、人と距離をとり感情的接触を避ける、達成感の低下などが認められています。精神医学的にはうつ病と診断されることもあります。エネルギッシュで高い理想をもって仕事に取り組む性格特徴の人に多いと言われています。
言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることをいいます。パワハラと同様に、うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。
気分が落ち込み、憂うつになる状態をいいます。抑うつ状態を呈する代表的な疾患としては、うつ病が知られていますが、不安障害、統合失調症、適応障害、パーソナリティ障害、などあらゆる精神疾患の併発症状となり得ます。
1960年代にアメリカで大流行し、その後、西欧、日本へとひろがりました。自分の手首をカッターナイフや剃刀などで傷つける自傷行為をさす、手首(wrist)と切る(cut)を合わせて作られた和製英語です。10~20代、未婚の女性に多く、何度も繰り返し行い習慣化する傾向があります。手首の他には、腕、足、顔、腹部などを切ることもあります。情緒的には慢性的な空虚感や抑うつ感を抱いていており自己愛が傷つきやすいと言われています。自分が生きているという実感が薄いため、自傷行為に伴う痛みや出血によって実感を取り戻すという嗜癖行為であるとの指摘もあります。
一般には「試し出勤」として職場復帰前に職場復帰の判断等を目的として、無給で本来の職場などに試験的に一定期間継続して勤務することを指します。「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」によると、通常の勤務時間と同様な時間帯で時間を過ごす模擬出勤、通勤訓練などがあります。この制度の導入に際しては、「試し出勤」の際の人身事故時の対応や人事労務管理上の位置づけ等を、あらかじめ検討し、就業規則等で定めておく必要があります。
近年増加している勤労者のメンタルヘルスに関する需要に総合的に対応するため、健康セミナーをはじめ、ストレスドックの実施による健康管理を含めた心身医学分野の総合的医療を提供しています。
労働者災害補償保険(労災保険)は、労働基準法に定める使用者の災害補償義務に基づいて、仕事が原因で起きたケガや病気、障害、死亡などに対して保険給付を行う制度です。原則的に、パートや日雇い労働者などを含め全ての労働者が対象になります。精神障害や自殺が労災に該当するかどうかは、厚生労働省から出されている指針に基づいて労働基準監督署長が判断します。
安全衛生規則等の法的な教育として、雇い入れ時教育、作業内容変更時の教育、一定の有害業務への配置時の特別教育、職長等教育を規定しています。安全衛生業務従事者や有害業務従事者に対する能力向上教育(努力義務)、安全配慮やリスクアセスメントのための教育など、その領域は拡大しています。
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過去3週間に発作の頻度が増してきている場合は不安定狭心症と呼ばれ、心筋梗塞に移行しやすい危険な状態です。早急に精密検査を受け,適切な治療を受けましょう。
カ行
うつ病は、精神症状が一般的ですが、なかには身体症状の方が前景にたつケースも少なくありません。身体疾患の仮面をかぶったうつ病という意味で、仮面うつ病と呼ばれています。主体となる苦痛が身体症状となると、内科、産婦人科、などの心の専門医以外の診療科を受診し誤診されてしまうこともあります。
メンタルヘルス不調で休んでいた人が職場復帰する場合には、まずは元の職場(休み始めたときの職場)に戻すのが原則です。新しい環境に適応することが心理的な負担になるためです。ただし異動がきっかけで発症したような場合は、適応できていた以前の職場などへの復帰が良い場合もあります。なお、職場復帰については、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(平成24年7月改定。厚生労働省発表)を参考とするとよいでしょう。
正式な医学病名ではなく、従前からの典型的なうつ病と違うものを意味する総称として名前が一人歩きしている傾向があり、専門家の間でも見解は一致していません。「新型うつ病」などとも言われ、あたかも最近新しく生じたうつ病のようですが、実は古くから「ディスチミア親和型」「逃避型うつ病」「アパシー」「退却神経症」「パーソナリティ障害(境界性、自己愛性など)」「甘え、怠け、わがまま、自己中心的な性格の問題」など専門家の間では様々な見方をされてきています。本人だけの問題と考えられがちですが、社会が生んでいるという観点も重要と思われます。DSM-Ⅳ-TR(米国精神医学会)にはメランコリー型に対し非定型うつ病の診断基準の記載があり、1)気分の反応性:楽しい出来事には気分が明るい、2)食欲の増加、体重増加、3)過眠、4)鉛様の麻痺(身体が鉛のように重い)、5)拒絶過敏性(他人の言動にひどく敏感)、などを特徴としています。
整えられた環境の下、蛍光灯に似た2500ルクス~10000ルクスの照射を、読書や食事をとりながら1分ごとに数秒は光源を見る、一日1時間~2時間、1週間~3週間行います(一般家庭の蛍光灯の照度は数百ルクス)。なお、曇り空は約10000ルクスと光療法としての照度は十分あると言われています。一部のうつ病や睡眠障害に有効といわれています。
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→休業補償給付を参照してください。
業務上疾病とは、仕事が原因となってかかった疾病をいいます。負傷と異なり、疾病の原因は分かりにくいため、どのような疾病が労災補償の対象なるのかを労働基準法施行規則別表第1の2と関係の告示に列挙しています。具体的に掲げられていない疾病であっても、業務起因性の認められたものは労災補償の対象となります。
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自殺予防対策関係
職を失うこと。わが国では1990年代にバブル経済が崩壊した頃から、失業が深刻化しました。第二次世界大戦以後、終身雇用制は経済発展を牽引してきた側面がありましたが、それを維持できなくなりました。一旦就職したら、定年退職まで同じ会社で勤め続けるのが理想的だと思ってきた人々にとっては、会社の業績悪化に伴い、失業の危機が襲ってきたことは、自己の存在価値を根底から揺さぶられる、心の危機をもたらしたのです。
労働者のメンタルヘルス不調はうつ病を中心に増加傾向にあり、そのための休職者も増加していると同時に、順調に復職できないケースも増えています。経営者・管理監督者・人事労務担当者・産業保健スタッフら事業場関係者が、休職者を休職開始から通常業務への復帰までの一連のプロセスを支援するための指針として、2004年に厚生労働省は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(2012年7月一部改訂)を策定しました。病気休業開始から職場復帰後のフォローアップまで5つのステップで構成されており、メンタルヘルス対策推進の1つとなっています。
自殺とは自ら自分の生命を絶つ行為ですが、首つり、リストカット、大量服薬など様々な手段により、実際に自殺を企てることを自殺企図と言います。うつ病などのメンタルヘルス不調により自殺企図に至ることも多く、すぐに医療に結びつける必要があります。
2000年3月に最高裁判所は仕事とうつ病の因果関係を認めたうえで、東京高等裁判所に差し戻す判決を出し、東京高等裁判所において和解が成立し、会社が1億6800万円余(遅延損害金を含みます。)を支払うことになりました。
本件は、仕事と精神障害の因果関係を最高裁判所が初めて認めたものとして意義があり、また、損害賠償額が多額になったことは社会に警鐘を鳴らすものとなりました。
AKK(アディクション問題を考える会)、NA、Nar-Anon(ナラノン)
サ行
職を失うこと。わが国では1990年代にバブル経済が崩壊した頃から、失業が深刻化しました。第二次世界大戦以後、終身雇用制は経済発展を牽引してきた側面がありましたが、それを維持できなくなりました。一旦就職したら、定年退職まで同じ会社で勤め続けるのが理想的だと思ってきた人々にとっては、会社の業績悪化に伴い、失業の危機が襲ってきたことは、自己の存在価値を根底から揺さぶられる、心の危機をもたらしたのです。
労働者のメンタルヘルス不調はうつ病を中心に増加傾向にあり、そのための休職者も増加していると同時に、順調に復職できないケースも増えています。経営者・管理監督者・人事労務担当者・産業保健スタッフら事業場関係者が、休職者を休職開始から通常業務への復帰までの一連のプロセスを支援するための指針として、2004年に厚生労働省は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(2012年7月一部改訂)を策定しました。病気休業開始から職場復帰後のフォローアップまで5つのステップで構成されており、メンタルヘルス対策推進の1つとなっています。
自殺とは自ら自分の生命を絶つ行為ですが、首つり、リストカット、大量服薬など様々な手段により、実際に自殺を企てることを自殺企図と言います。うつ病などのメンタルヘルス不調により自殺企図に至ることも多く、すぐに医療に結びつける必要があります。
サ行
心の健康問題により休業している労働者が増加しているとする調査結果や休業後の職場復帰支援がスムーズに進まないという近年の調査結果等もあり、職場復帰支援に関する社会的関心が高まっていいます。事業場向けマニュアルとして、平成16年に厚生労働省により「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が作成され、平成21年には改訂が行われ、それが利用できるようになっています。
メンタルヘルス不調による長期休業者の職場復帰は簡単ではなく、再発や離職もなく少なくありません。長期休業者のスムースな職場復帰は本人のみならず企業や職場にとっても重要な課題になっています。しかし、人材確保とスムースな職場復帰を可能にするため、多くの企業で職場復帰支援プログラムが用意されています。主治医と産業医の意見をもとにして、管理監督者、人事労務担当者、産業保健スタッフなどが、職場環境や作業の内容、作業時間などの調整をしたり、健康面のケアをしたりして、職場復帰を総合的に支援するためのものです。
1. 軽い不適応状態を示す場合
2. 職場不適応症を指す使い方
3. 職場ストレスと個人要因の関連性を示している場合
4. 状態を示す使い方
1-4のどれに該当するかを知ってほしいです。
代表的なものには、不安神経症、心気症、神経衰弱、ヒステリ-、抑うつ神経症、強迫神経症、恐怖症、離人神経症などがあります。
具体的方法は、(1)目を閉じて、上を向いてゆっくりと体を横たえる。(2)気持ちが落ちついているという、決められた暗示の言葉を頭の中でくりかえす。(3)さりげない集中(受動的注意集中)を行い、段階的に練習していく。
この方法は広く、心身症、神経症、などの治療の他に、ストレス解消や健康増進を目的に行われています。
神経症型、心身症型、本態性自律神経失調症、それに抑うつ型にわけて治療します。身体症状として、全身倦怠感、めまい、頭痛、動悸など、それに種々の臓器の機能障害をきたし、心理的ストレスにより症状が変動もしくは増悪をきたしやすい特徴があります。
治療は心身両面から行い、生活指導として健康習慣を身につけ、心身のリラックスを図ります。精神安定剤などの薬物療法などがあります。また自律訓練法も改善に役立ちます。
ヒトの体内時計の周期は約25時間で、私たちは毎日これを24時間に調整して生活しています。睡眠・覚醒のリズムがうまく調整できなくなった状態を概日リズム障害といい、海外出張(時差ぼけとなる)や、交替勤務でも起こります。他に、就寝と起床がどんどん後ろにずれ込む睡眠相後退症候群があり、職場ではだらしない朝寝坊の遅刻魔と見なされがちです。このタイプの治療には、明るい光の照射や、ビタミンB12などが用いられます。
日本人は、最近50年間で急速に、睡眠時間減少、かつ宵っ張りに傾いています。睡眠の問題を訴える労働者も増加中です。睡眠障害にはさまざまな種類があり、単純な不眠のほか、日中に強い眠気を呈する「睡眠時無呼吸症候群」や「ナルコレプシー」、交替制勤務や海外出張などに伴う「睡眠覚醒リズム障害」、さらに、睡眠時随伴症として、寝ていると脚がむずむずして眠れなくなる、高齢者に多い「脚むずむず症候群」などがあります。
ストレスコーピングとは、特定のストレスフルな問題や状況に対するストレス対処方法のことで、問題解決型(状況を変化させる、問題を明確にする、別の解決方法を見つけてそれをあわせて評価する)と情動焦点型(問題に対する情動的な反応をコントロールしたり変化させたりする、逃避したり最小化したりする、情動的な苦痛の軽減を目指す)があります。
ストレッサーは、物理的ストレッサー(寒冷、騒音等)、化学的ストレッサー(酸素、薬物等)、生物的ストレッサー(炎症、感染等)、心理的社会的ストレッサー(人間関係の葛藤や社会的行動に伴う責任、将来に対する不安等)に分類されます。
フロイトによって創設されたもので、神経症やパーソナリティー障害などのケースに対し、自由連想法を用いて行う系統的精神療法の1つです。精神分析医や分析家によって行われます。発祥の地であるヨーロッパよりアメリカで最も普及しています。自分で知ることができない無意識(深層心理)の世界と現実的、かつ理性的に働く「自我」や親から受け継いだ「超自我」の相互作用、特に無意識の世界の内容を受診者に意識化させるのがポイントとなります。
セクシュアルハラスメントの略で、「職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否するなどの対応により解雇、降格、減給などの不利益を受けること」又は「性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に悪影響が生じること」をいいます。男女雇用機会均等法により事業者にその対策が義務付けられています。
睡眠障害の一つの形で、朝早く目覚め、再度眠ることができない状態をいいます。老化現象の結果として起こる場合もありますが、ストレス過多でも出現します。特にうつ病では比較的早期からみられる症状でもあります。朝の気分が憂鬱であれば、その可能性があるので注意が必要です。
なお、緊急避難的な制度として、72時間を限度に精神保健指定医1名による緊急措置入院があります。
サ行
(独)労働者健康福祉機構が全国47都道府県に設置している機関で、産業医・産業看護職・衛生管理者等を対象とした研修や各種相談対応及び図書・ビデオ/DVD等器材・ホームページなどを媒体とした情報提供などによる支援活動や、事業者等に対する職場の健康確保に関するセミナー開催などによる啓発活動を主な業務としています。利用はすべて無料で、相談者のプライバシーは確保されます。
動脈硬化やストレスが原因で、この動脈がつまると酸素が送られなくなり、筋肉が窒息死した状態を心筋梗塞と呼びます。大抵は、突然の激しい胸痛を生じます。窒息死した筋肉の量が多いと心不全となり、ひどい場合は急性心不全で血圧が急激に低下しショック状態で死に至ります。
不整脈も出やすくなり、AED(自動体外式除細動器)や心臓マッサージが必要になる場合があります。
激しい胸痛が出た場合には、心筋梗塞を疑い速やかに救急救命センターを受診することが必要です。
「要観察」は、治療の必要性がそれほど高くなく、生活習慣の改善等で経過を観察するものです。「要再検」もしくは「要精密検査」は、診断区分を最終確定するために、異常値に対して再検査を行うもの、もしくは精密検査を行うものです。「要医療」は、治療の必要性を指すもので、生活習慣の改善とともに、一般的には薬物療法が必要なものを指します。
事業者は、診断区分に基づき、産業医の意見を聞きながら、必要な場合には就業上の措置を行います。
心房細動は、よく見られる不整脈の一つで、心房のあちこちから電気信号が生まれ、心臓はまったく不規則な間隔の動きとなってしまいます。不規則な動きで心房と心室の連携が乱れ、心臓の中では血液がスムーズに流れなくなり、心臓の中に血栓(血液のかたまり)ができやすくなります。心房細動の最大のリスクは、この血栓が心臓から飛び出し、脳の血管につまり脳梗塞を起こすことです。
なお、深夜業従事者健康診断助成金(自発的健康診断受診支援助成金)の制度があります。希望者は、都道府県産業保健推進センターに申請します。
生活習慣病は、健康長寿の最大の阻害要因で、国民の3分の2近くが生活習慣病で亡くなっています。
平成12年からは、国を挙げての生活習慣病対策「健康日本21」としての取り組みが始まりました。平成20年からは、特定健診・保健指導として内臓脂肪型肥満に焦点を当てた予防啓発活動が行われ、「適度な運動」、「バランスのとれた食生活」、「禁煙の実践」を軸に、動脈硬化やがんの予防に、さらに積極的な取り組みが開始されました。
国際疾病分類であるICD-10の第Ⅴ章「精神および行動の障害」に分類されているものを指します。代表的なものにうつ病等の気分(感情)障害、統合失調症、ストレス関連障害やアルコール等の薬物依存、睡眠障害も含まれます。
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法律によって、少しずつ定義が異なりますが、一般的には労働者から労務の提供を受け、これに対して賃金を支払う者を言います。会社や個人事業主がこれに当たりますが、労働条件の最低限を定めた労働基準法や労働安全衛生法の義務を負う使用者には部長や支店長、支配人、工場長、場合によっては課長等の事業主のために行為をするすべての者が含まれます。派遣中の労働者の場合には、原則として、労働契約や賃金などについては派遣元が使用者としての責任を負いますが労働時間等の規制については派遣先が負うことになります。
(算定例:時間外労働の場合で、割増分を含む賃金額)
通常賃金×残業時間数×1.25 〔深夜労働と重なった場合は1.5となります。〕
過労死等予防対策関係
過去3週間に発作の頻度が増してきている場合は不安定狭心症と呼ばれ、心筋梗塞に移行しやすい危険な状態です。早急に精密検査を受け,適切な治療を受けましょう。
(独)労働者健康福祉機構が全国47都道府県に設置している機関で、産業医・産業看護職・衛生管理者等を対象とした研修や各種相談対応及び図書・ビデオ/DVD等器材・ホームページなどを媒体とした情報提供などによる支援活動や、事業者等に対する職場の健康確保に関するセミナー開催などによる啓発活動を主な業務としています。利用はすべて無料で、相談者のプライバシーは確保されます。
動脈硬化やストレスが原因で、この動脈がつまると酸素が送られなくなり、筋肉が窒息死した状態を心筋梗塞と呼びます。大抵は、突然の激しい胸痛を生じます。窒息死した筋肉の量が多いと心不全となり、ひどい場合は急性心不全で血圧が急激に低下しショック状態で死に至ります。
不整脈も出やすくなり、AED(自動体外式除細動器)や心臓マッサージが必要になる場合があります。
激しい胸痛が出た場合には、心筋梗塞を疑い速やかに救急救命センターを受診することが必要です。
「要観察」は、治療の必要性がそれほど高くなく、生活習慣の改善等で経過を観察するものです。「要再検」もしくは「要精密検査」は、診断区分を最終確定するために、異常値に対して再検査を行うもの、もしくは精密検査を行うものです。「要医療」は、治療の必要性を指すもので、生活習慣の改善とともに、一般的には薬物療法が必要なものを指します。
事業者は、診断区分に基づき、産業医の意見を聞きながら、必要な場合には就業上の措置を行います。
心房細動は、よく見られる不整脈の一つで、心房のあちこちから電気信号が生まれ、心臓はまったく不規則な間隔の動きとなってしまいます。不規則な動きで心房と心室の連携が乱れ、心臓の中では血液がスムーズに流れなくなり、心臓の中に血栓(血液のかたまり)ができやすくなります。心房細動の最大のリスクは、この血栓が心臓から飛び出し、脳の血管につまり脳梗塞を起こすことです。
なお、深夜業従事者健康診断助成金(自発的健康診断受診支援助成金)の制度があります。希望者は、都道府県産業保健推進センターに申請します。
生活習慣病は、健康長寿の最大の阻害要因で、国民の3分の2近くが生活習慣病で亡くなっています。
平成12年からは、国を挙げての生活習慣病対策「健康日本21」としての取り組みが始まりました。平成20年からは、特定健診・保健指導として内臓脂肪型肥満に焦点を当てた予防啓発活動が行われ、「適度な運動」、「バランスのとれた食生活」、「禁煙の実践」を軸に、動脈硬化やがんの予防に、さらに積極的な取り組みが開始されました。
国際疾病分類であるICD-10の第Ⅴ章「精神および行動の障害」に分類されているものを指します。代表的なものにうつ病等の気分(感情)障害、統合失調症、ストレス関連障害やアルコール等の薬物依存、睡眠障害も含まれます。
一方、低下した機能を補うためインスリンが過剰に分泌されます。この過剰インスリンと高血糖が、動脈硬化を進めます。糖尿病の初期でも生じる脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症などの大血管障害と、長期間にわたる糖尿病で生じる腎障害・網膜症・神経障害などの細小血管障害が問題となります。
最近では、腎不全に至る腎障害(糖尿病性腎症)を防ぐことが、血糖コントロールの主要課題です。
人間をはじめとして多くの生物がもっている約24時間周期の生理現象をさします。このリズムの乱れは、短期的には疲労や睡眠障害(例えば、海外旅行などによる時差ぼけ)、長期的には心身の健康に深刻な影響をもたらすことがあります。
内臓脂肪型肥満は、中年男性に多く、上半身に脂肪がつくリンゴのような体型で、おなかの皮膚はつまみにくく、生活習慣病の原因になる悪玉の生理活性物質(サイトカイン)を分泌します。生活習慣の改善で減らしやすいという特徴もあります。
腹部CTで内臓脂肪面積が100cm2以上のものを指しますが、へその高さの腹囲で代用し、男性で85cm以上、女性で90cm以上を内臓脂肪型肥満としています。
皮下脂肪型肥満は、女性に多く、お尻に脂肪がつく洋梨型のような体型で、おなかの皮膚はつまみやすく、サイトカインは分泌されにくいとされています。皮下脂肪は一度ついたらとれにくいという特徴があります。
この状態をメタボリックシンドロームと言い、生活習慣病の代表です。
内臓脂肪型肥満を改善することにより、これらの病気を改善し、脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げることができます。
免疫系の低下は、ヒト免疫不全(HIV)ウイルスにより起こる後天性免疫不全症候群(AIDS)があり、肺炎や悪性リンパ腫などのがんを併発しやすくなります。
免疫系の亢進は、関節リウマチなどの自己免疫疾患があり、正常な組織にあたかも異物のように攻撃を加えます。花粉症などのアレルギー疾患も、免疫系亢進の一つです。
安全衛生分野でのリスクアセスメントとは、事業場に存在するハザード(危険性や有害性)を特定し、リスクの大きさを見積り、その結果に基づき優先度を設定した上で、リスク低減措置を決定するとともに、その過程を記録する一連の手順を含みます。労働安全衛生法第28条の2では、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置」として、製造業等の事業者に対しては、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務として規定されています。また、厚生労働省は、そのための技術的指針として、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」を公表しています。
一方、ハザードは不利益な事象を引き起こす固有な性質であり、安全衛生においては怪我や病気を引き起こす固有の性質ということです。リスクとハザードを具体的なイメージとして理解するためには、いくつかの例が必要になります。たとえば、ある毒性の強い化学物質が密閉された容器に入れられている場合と、労働者が実際に取り扱っている場合を比較した場合、ハザードとしては同一であっても、前者に比べて後者の方が、リスクが高いとみなすことができます。またフェンスがない屋上があっても、そこに入口に鍵がかかって滅多に人が入らない状況と、頻繁に人が立ち入り作業をする状況を比較した場合も同じです。
この法律に基づいて政令、厚生労働省令、厚生労働省告示及び指針が多く定められており、大きな法律体系となっています。
事業場でのOSHMSの導入に当たっては、規格やガイドラインなどの基準文書を参考にして設計することになりますが、外部認証を取得することが目的の場合には国際的な規格であるOHSAS18001や厚生労働省の指針を基本としたJISHA方式適格OSHMS基準を利用することになります。
労働条件、安全衛生、労災保険に関する事務を行っており、事業場に対する監督指導、各種の報告・申請等の受理、労働者からの申告(相談)の受理その他労働基準行政の第一線機関としての役割を果たしています。
近年、社会の変化とともに労働態様も急激に多様になっており、派遣、契約社員、嘱託、パート、アルバイトなどの非正規労働者が増加しています。注目すべきは初職就業時の雇用形態で、平成14年10月から19年9月に初職に就いた者の4割以上が非正規労働者だったと報告されています。勤務は9時から5時までなどと思われがちですが、メンタルヘルス対策を進める上で、労働者には様々な働き方があることに注意が必要でしょう。
サ行
タ行
2000年3月に最高裁判所は仕事とうつ病の因果関係を認めたうえで、東京高等裁判所に差し戻す判決を出し、東京高等裁判所において和解が成立し、会社が1億6800万円余(遅延損害金を含みます。)を支払うことになりました。
本件は、仕事と精神障害の因果関係を最高裁判所が初めて認めたものとして意義があり、また、損害賠償額が多額になったことは社会に警鐘を鳴らすものとなりました。
タ行
病気のため長期にわたって休業した労働者が職場復帰をする際に、正式な職場復帰に先がけて、出勤あるいはそれに近い取組みを行ってみる制度をさします。「リハビリ出勤」などと称されることもあります。労働者本人にとっては、職場復帰に対する不安を軽減できるという効果が期待でき、職場の側にも労働者が勤務可能かどうかをある程度見極められるという利点があります。
通勤訓練は、メンタルヘルス不調により休業した労働者が職場復帰に向けて一般的に行う訓練の一つです。自宅から職場の近くまで通常の出勤時間、出勤経路で出勤をシミュレーションします。通勤に必要な体力の確認や生活リズムを整えるといった効果が期待できます。
施設への通所によって行う治療訓練です。精神障害などで治療により病状が改善し安定状態となると、日常生活を行いながら社会復帰や職場復帰を目標に行う、計画的段階的な訓練です。再発を防ぎ、必要とする対人関係能力や社会適応能力、職業能力などの改善を目指します。
かつて本邦では、英語ではschizophrenia、ドイツ語ではSchizophrenieという障害名を,精神分裂病と訳してきました。しかし,この病名は、患者に対する社会的な偏見や差別を生み出し,また患者や家族もその病名に不快さを感じるということもあって,2002年8月に,統合失調症という病名に変更することが決められました。厚生労働省もすぐにこの決定に対応し,行政レベルでも本病名の使用が公認されました。統合失調症の症状としては、幻覚、妄想、興奮、意欲障害、思考障害、睡眠障害等が認められます。しかし、最近では、副作用の少ない向精神薬の使用が可能となり、日常生活や社会的生活に支障が出ることは少なくなっています。また、リハビリテーション等によって社会参加が可能になる場合も多くなり、障害者雇用促進法でも一定の配慮がなされ、就労する機会も多くなっています。
うつ病により、職場不適応が生じると、些細な失敗を恐れて「ひきこもり」が生じることがあります。しかし旅行に行く、仕事以外の社会活動には活発、というような現実問題から逃避しているかのような状態をさします。いわゆる「現代型うつ病」のひとつの類型と考えられています。
タ行
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一方、低下した機能を補うためインスリンが過剰に分泌されます。この過剰インスリンと高血糖が、動脈硬化を進めます。糖尿病の初期でも生じる脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症などの大血管障害と、長期間にわたる糖尿病で生じる腎障害・網膜症・神経障害などの細小血管障害が問題となります。
最近では、腎不全に至る腎障害(糖尿病性腎症)を防ぐことが、血糖コントロールの主要課題です。
労災補償関係
→休業補償給付を参照してください。
業務上疾病とは、仕事が原因となってかかった疾病をいいます。負傷と異なり、疾病の原因は分かりにくいため、どのような疾病が労災補償の対象なるのかを労働基準法施行規則別表第1の2と関係の告示に列挙しています。具体的に掲げられていない疾病であっても、業務起因性の認められたものは労災補償の対象となります。
仕事が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。
これらに該当する保険給付には、療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償給付及び介護補償給付があります。
通勤が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。
これらに該当する保険給付には、療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付、葬祭給付、傷病年金及び介護給付があります。
→療養補償給付を参照してください。
療養補償給付(通勤の場合は療養給付)は、仕事(通勤)が原因となって負傷し、又は疾病にかかり、療養のための給付です。被災労働者の自己負担はありません。 なお、労災病院又は労災保険指定医療機関等で受診するときは無料で療養できますが、これら以外で受診するときは被災労働者が一旦療養費を支払い、その額を労働基準監督署に請求して支払いを受けます。
業務災害又は通勤災害を被り、労災病院又は労災保険指定医療機関で受診したときは、無料で療養できます。これら以外の医療機関で受診したときは、被災労働者が一旦療養費を支払い、その額を労働基準監督署に請求して支払いを受けます。この請求は、被災労働者本人が行います。請求書は労働基準監督署でもらうことができます。
労災認定とは、仕事又は通勤が原因であるとして労災保険給付を請求した場合に、請求を受けた労働基準監督署において必要な調査が行われ、保険給付を支給すべきかどうかの判断をすることをいいます。その結果、支給決定又は不支給決定が行われます。支給決定することを労災認定すると表現される場合もあります。
仕事が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。通勤を原因とする場合も同様です。予防のための二次健康診断等給付もあります。その他被災労働者の社会復帰への支援、遺族への援護などを行います。
事業主による保険料支払いの計算の基礎となる率で、その負担が公平となるように、過去の災害率などを考慮して54種類の業種ごとに4.5/1000の範囲で労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則別表第1に定められています。
労災保険の財源であり、労働保険の保険料の徴収等に関する法律に基づいて事業主が支払います。金額は、労働者に支払う賃金総額×労災保険率によって計算するのが基本です。
労働保険とは、労災保険と雇用保険とを総称したものです。保険給付は両保険制度で別個に行いますが、保険の適用及び保険料の徴収については、原則的に、一体のものとして取り扱います。
タ行
ナ行
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精神障害の病因は内因・外因・心因の3つに分類されてきました。これらの分類は1994年以前に用いられていたもので、現在は公式には用いられません。遺伝や脳の働き方(素因)といったもともとの個人の病気のなりやすさ(脆弱性)を内因といい、これを病因とする精神障害を内因性精神障害といいます。診断名でいうと、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害(躁うつ病)などが含まれます。外因は脳に直接影響を与える物質や外傷、全身疾患などを、心因は社会生活上の出来事を指します。
ナ行
一般労働条件
法律によって、少しずつ定義が異なりますが、一般的には労働者から労務の提供を受け、これに対して賃金を支払う者を言います。会社や個人事業主がこれに当たりますが、労働条件の最低限を定めた労働基準法や労働安全衛生法の義務を負う使用者には部長や支店長、支配人、工場長、場合によっては課長等の事業主のために行為をするすべての者が含まれます。派遣中の労働者の場合には、原則として、労働契約や賃金などについては派遣元が使用者としての責任を負いますが労働時間等の規制については派遣先が負うことになります。
(算定例:時間外労働の場合で、割増分を含む賃金額)
通常賃金×残業時間数×1.25 〔深夜労働と重なった場合は1.5となります。〕
ハ行
仕事が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。
これらに該当する保険給付には、療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償給付及び介護補償給付があります。
通勤が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。
これらに該当する保険給付には、療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付、葬祭給付、傷病年金及び介護給付があります。
ハ行
障害の原因が、精神あるいは身体的、またはその両面にわたっており、自立した生活能力や言語機能、学習などいくつかの領域で、機能的に制限があります。子どもの発達の側面は多様であり、それらは相互に関連性を持っているため、ある側面に何らかの障害が見られる場合は、ほかの側面にも悪影響を及ぼしている可能性を考えなければなりません。
いやがらせやいじめのことをいいます。職場においては、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、パワーハラスメント(パワハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)が問題となることがあります。
強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつでパニックディスオーダー(panic disorder)とも呼ばれ、従来不安神経症と呼ばれていた疾患の一部です。パニック発作と呼ばれる状態が繰返されます。
突然強いストレスを覚え、動悸、息切れ、めまいなどの自律神経症状と強い不安感に襲われるものです。「死ぬのではないか?」などの恐怖感もよく感じます。手足のしびれやけいれん、吐き気、胸部圧迫感、息苦しさなども生じ、症状を抑えようとしても抑えられず、逆に症状は悪化し、救急搬送されることも多いようです。しかも、これらの症状は、特別な処置がなくとも、しばらく安静に過ごしていれば多くは回復します。
パワーハラスメントの略で、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えることをいいます。うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。
専門家の間でも見解は一致していない「現代型うつ病」のひとつの類型と考えられています。DSM-Ⅳ-TR(米国精神医学会)にはメランコリー型に対し非定型うつ病の診断基準の記載があり、1)気分の反応性:楽しい出来事には気分が明るい、2)食欲の増加、体重増加、3)過眠、4)鉛様の麻痺(身体が鉛のように重い)、5)拒絶過敏性(他人の言動にひどく敏感)、などを特徴としています。
不安を主症状とする神経症が不安神経症ですが、現在では「神経症」という用語は使われなくなっています。不安神経症は現在の「パニック障害」か「全般性不安障害」になります。
労働安全衛生法により、健康診断の結果が有所見である労働者に対して、事業者が医師または保健師により実施させるよう努めなければならないこととされており、実際は「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」を参考に行われています。
ハ行
人間をはじめとして多くの生物がもっている約24時間周期の生理現象をさします。このリズムの乱れは、短期的には疲労や睡眠障害(例えば、海外旅行などによる時差ぼけ)、長期的には心身の健康に深刻な影響をもたらすことがあります。
内臓脂肪型肥満は、中年男性に多く、上半身に脂肪がつくリンゴのような体型で、おなかの皮膚はつまみにくく、生活習慣病の原因になる悪玉の生理活性物質(サイトカイン)を分泌します。生活習慣の改善で減らしやすいという特徴もあります。
腹部CTで内臓脂肪面積が100cm2以上のものを指しますが、へその高さの腹囲で代用し、男性で85cm以上、女性で90cm以上を内臓脂肪型肥満としています。
皮下脂肪型肥満は、女性に多く、お尻に脂肪がつく洋梨型のような体型で、おなかの皮膚はつまみやすく、サイトカインは分泌されにくいとされています。皮下脂肪は一度ついたらとれにくいという特徴があります。
ハ行
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マ行
マ行
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この状態をメタボリックシンドロームと言い、生活習慣病の代表です。
内臓脂肪型肥満を改善することにより、これらの病気を改善し、脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げることができます。
免疫系の低下は、ヒト免疫不全(HIV)ウイルスにより起こる後天性免疫不全症候群(AIDS)があり、肺炎や悪性リンパ腫などのがんを併発しやすくなります。
免疫系の亢進は、関節リウマチなどの自己免疫疾患があり、正常な組織にあたかも異物のように攻撃を加えます。花粉症などのアレルギー疾患も、免疫系亢進の一つです。
マ行
マ行
2006年3月に厚生労働省から公表された「労働者の心の健康の保持増進のための指針」のこと。事業場で推進されるべきメンタルヘルス対策のあり方を包括的に記しており、2000年8月に示された「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」の増補改訂版にあたる。労働安全衛生法第70条2第1項に基づくものと位置づけられており、この指針に沿った取り組みを行うことは、事業者の努力義務となっている。
アメリカの心理学者フロイデンバーガーが1980年に提唱した概念で、それまで人一倍活発に仕事をしていた人が、なんらかのきっかけで、あたかも燃え尽きるように活力を失ったときに示す心身の疲労症状をいいます。主要症状として、心身の疲労消耗感のほか、人と距離をとり感情的接触を避ける、達成感の低下などが認められています。精神医学的にはうつ病と診断されることもあります。エネルギッシュで高い理想をもって仕事に取り組む性格特徴の人に多いと言われています。
言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることをいいます。パワハラと同様に、うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。
ヤ行
ヤ行
AKK(アディクション問題を考える会)、NA、Nar-Anon(ナラノン)
気分が落ち込み、憂うつになる状態をいいます。抑うつ状態を呈する代表的な疾患としては、うつ病が知られていますが、不安障害、統合失調症、適応障害、パーソナリティ障害、などあらゆる精神疾患の併発症状となり得ます。
ヤ行
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ヤ行
AKK(アディクション問題を考える会)、NA、Nar-Anon(ナラノン)
ラ行
安全衛生分野でのリスクアセスメントとは、事業場に存在するハザード(危険性や有害性)を特定し、リスクの大きさを見積り、その結果に基づき優先度を設定した上で、リスク低減措置を決定するとともに、その過程を記録する一連の手順を含みます。労働安全衛生法第28条の2では、「危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置」として、製造業等の事業者に対しては、リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に取り組むことが努力義務として規定されています。また、厚生労働省は、そのための技術的指針として、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」を公表しています。
一方、ハザードは不利益な事象を引き起こす固有な性質であり、安全衛生においては怪我や病気を引き起こす固有の性質ということです。リスクとハザードを具体的なイメージとして理解するためには、いくつかの例が必要になります。たとえば、ある毒性の強い化学物質が密閉された容器に入れられている場合と、労働者が実際に取り扱っている場合を比較した場合、ハザードとしては同一であっても、前者に比べて後者の方が、リスクが高いとみなすことができます。またフェンスがない屋上があっても、そこに入口に鍵がかかって滅多に人が入らない状況と、頻繁に人が立ち入り作業をする状況を比較した場合も同じです。
この法律に基づいて政令、厚生労働省令、厚生労働省告示及び指針が多く定められており、大きな法律体系となっています。
事業場でのOSHMSの導入に当たっては、規格やガイドラインなどの基準文書を参考にして設計することになりますが、外部認証を取得することが目的の場合には国際的な規格であるOHSAS18001や厚生労働省の指針を基本としたJISHA方式適格OSHMS基準を利用することになります。
労働条件、安全衛生、労災保険に関する事務を行っており、事業場に対する監督指導、各種の報告・申請等の受理、労働者からの申告(相談)の受理その他労働基準行政の第一線機関としての役割を果たしています。
近年、社会の変化とともに労働態様も急激に多様になっており、派遣、契約社員、嘱託、パート、アルバイトなどの非正規労働者が増加しています。注目すべきは初職就業時の雇用形態で、平成14年10月から19年9月に初職に就いた者の4割以上が非正規労働者だったと報告されています。勤務は9時から5時までなどと思われがちですが、メンタルヘルス対策を進める上で、労働者には様々な働き方があることに注意が必要でしょう。
ラ行
1960年代にアメリカで大流行し、その後、西欧、日本へとひろがりました。自分の手首をカッターナイフや剃刀などで傷つける自傷行為をさす、手首(wrist)と切る(cut)を合わせて作られた和製英語です。10~20代、未婚の女性に多く、何度も繰り返し行い習慣化する傾向があります。手首の他には、腕、足、顔、腹部などを切ることもあります。情緒的には慢性的な空虚感や抑うつ感を抱いていており自己愛が傷つきやすいと言われています。自分が生きているという実感が薄いため、自傷行為に伴う痛みや出血によって実感を取り戻すという嗜癖行為であるとの指摘もあります。
一般には「試し出勤」として職場復帰前に職場復帰の判断等を目的として、無給で本来の職場などに試験的に一定期間継続して勤務することを指します。「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」によると、通常の勤務時間と同様な時間帯で時間を過ごす模擬出勤、通勤訓練などがあります。この制度の導入に際しては、「試し出勤」の際の人身事故時の対応や人事労務管理上の位置づけ等を、あらかじめ検討し、就業規則等で定めておく必要があります。
近年増加している勤労者のメンタルヘルスに関する需要に総合的に対応するため、健康セミナーをはじめ、ストレスドックの実施による健康管理を含めた心身医学分野の総合的医療を提供しています。
労働者災害補償保険(労災保険)は、労働基準法に定める使用者の災害補償義務に基づいて、仕事が原因で起きたケガや病気、障害、死亡などに対して保険給付を行う制度です。原則的に、パートや日雇い労働者などを含め全ての労働者が対象になります。精神障害や自殺が労災に該当するかどうかは、厚生労働省から出されている指針に基づいて労働基準監督署長が判断します。
安全衛生規則等の法的な教育として、雇い入れ時教育、作業内容変更時の教育、一定の有害業務への配置時の特別教育、職長等教育を規定しています。安全衛生業務従事者や有害業務従事者に対する能力向上教育(努力義務)、安全配慮やリスクアセスメントのための教育など、その領域は拡大しています。
ラ行
→療養補償給付を参照してください。
療養補償給付(通勤の場合は療養給付)は、仕事(通勤)が原因となって負傷し、又は疾病にかかり、療養のための給付です。被災労働者の自己負担はありません。 なお、労災病院又は労災保険指定医療機関等で受診するときは無料で療養できますが、これら以外で受診するときは被災労働者が一旦療養費を支払い、その額を労働基準監督署に請求して支払いを受けます。
業務災害又は通勤災害を被り、労災病院又は労災保険指定医療機関で受診したときは、無料で療養できます。これら以外の医療機関で受診したときは、被災労働者が一旦療養費を支払い、その額を労働基準監督署に請求して支払いを受けます。この請求は、被災労働者本人が行います。請求書は労働基準監督署でもらうことができます。
労災認定とは、仕事又は通勤が原因であるとして労災保険給付を請求した場合に、請求を受けた労働基準監督署において必要な調査が行われ、保険給付を支給すべきかどうかの判断をすることをいいます。その結果、支給決定又は不支給決定が行われます。支給決定することを労災認定すると表現される場合もあります。
仕事が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。通勤を原因とする場合も同様です。予防のための二次健康診断等給付もあります。その他被災労働者の社会復帰への支援、遺族への援護などを行います。
事業主による保険料支払いの計算の基礎となる率で、その負担が公平となるように、過去の災害率などを考慮して54種類の業種ごとに4.5/1000の範囲で労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則別表第1に定められています。
労災保険の財源であり、労働保険の保険料の徴収等に関する法律に基づいて事業主が支払います。金額は、労働者に支払う賃金総額×労災保険率によって計算するのが基本です。
労働保険とは、労災保険と雇用保険とを総称したものです。保険給付は両保険制度で別個に行いますが、保険の適用及び保険料の徴収については、原則的に、一体のものとして取り扱います。