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株式会社ミトリ(神奈川県大和市)

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株式会社ミトリ
(神奈川県大和市)

石見さん 株式会社ミトリは1960年(昭和35年)に機械加工会社として設立され、1989年(平成元年)に先代社長の引退を機にソフトウェア開発へ事業転換した。横浜市や福岡県にも事業拠点を設けている。
従業員は10年以上働いている従業員が多く、40代以上がほとんどである。
今回は、代表取締役会長の石見邦夫さんにお話を伺った。

デスクワークによる運動不足を課題と捉え、全拠点をオンラインでつないだラジオ体操から始めた健康管理を継続している。

まずは、健康経営に取組み始めた経緯や運動の取組みなどについてお話を伺った。

健康管理を個人の責任にしないようにしています 「当社はIT企業のため、一日の大半を座って過ごします。従業員が健康に働き続けられることは、会社にとっても重要であるため、健康管理は個人任せにせず、会社として関わる必要があると考えました。様々な保険会社などから、健康経営に関する情報提供を受け、認定制度についても知りました。社会全体が従業員の健康を経営課題と捉える方向に進んでおり、自社に合う制度なら活用しようと2020年に“健康経営宣言”を行いました。その結果、2022年に“健康経営優良法人(中小規模法人)”、2023年には別拠点のある横浜市の“横浜健康経営認証”を取得し、今年(2026年)は“健康経営優良法人(ブライト500)”の認定を受けることができました。」

離れた拠点をつないで毎日2回、オンラインラジオ体操を続けています 「健康づくりとして最初に始めたのが、短時間で参加しやすいラジオ体操です。毎朝9時と昼の13時に自動で社内に音楽が流れるようにしています。当社は本社、横浜、福岡の各拠点をオンラインシステムで常時つないでおり、テレワークの従業員も含めて離れていても一緒にラジオ体操を行っています。朝と昼の始まりに合わせているので、業務を中断する面倒さも少なく、無理なく習慣化できました。」

毎月の歩数を申告し、自分の運動量を把握するようにしています 「次の段階として、月1回の全体会議で健康経営の話題をしているのですが、運動不足が課題に挙がったため、会社から全員にスマートウォッチを支給しました。毎月の勤務表提出時に歩数も報告してもらい1日の平均歩数を確認しています。当初は1日に何万歩も歩く人と1,000歩程度の人で差があり、全体平均は5,000歩台でした。そこで、無理なく達成できる目標として『全従業員で平均6,000歩/日』を設定しました。今は6,000歩前後で落ち着いていますが、目標を大きく上回るよりも、毎月自分の歩数を確認し『少ない時は少し歩こう』と意識してもらうことが大切だと考えています。」

ストレスチェックや柔軟な働き方を導入し、従業員が心身ともに安心して働ける職場を目指している。

次に、ストレスチェックとメンタルヘルス対策についてお話を伺った。

心の不調に本人が早く気づけるよう、ストレスチェックを始めました 「IT業務は一人で黙々と作業する時間が長く、心の不調は周囲から見えにくいため、本人も気づかない場合があります。過去には、私(石見さん)が、相談を受けた時点ですでに退職を決めていた従業員もいました。本人がストレスを抱えていることに気づかないまま不調に至る前に、早めに自分の状態を把握できる仕組みが必要だと考え、従業員数が50人未満のため、実施義務がありませんが、今年(2026年)から初めてストレスチェックを実施しました。受検は健康診断と同様に大事と考え、朝礼で従業員に制度の趣旨を説明し、年1回、自身のストレス状態を振り返る機会として受検を勧奨しました。」

「小規模であるため、プライバシー保護の観点から集団分析は行わず、個人結果は人事評価や労務管理には用いないと明言しています。まずは個人結果を見て、各自が自分のストレス状態に気づくことが大事です。その上でセルフケアや外部窓口を利用するよう案内しています。今回は医師による面接指導希望者は出ませんでしたが、利用中の外部機関サービスには面接指導も含まれており、必要な場合に医師の面接指導につなげられる体制も整えています。」

会社で過ごす時間を、苦しい時間にしたくないと考えています 「1日の3分の1を過ごす会社は、苦しいだけでなく『楽しく』あるべきです。これは、遊んで過ごすという意味ではなく、自分の仕事に集中し成果を実感できる環境のことです。昔は深夜まで働く時期もありましたが、今は顧客と直接契約し、自社で無理のないスケジュールを策定して納期を調整しています。そのため、ほぼ終業時間に帰宅できています。『今日は仕事が進んだ』、『よく頑張った』と思える日があれば、働く時間も前向きになります。会社へ行くのがつらい要因を少しずつ取り除くことも立派なメンタルヘルス対策だと考え、これからも負担を減らす取組みを進めていきます。」

健康動画の視聴や血圧測定を日常業務へ組み込み、従業員が自分の健康状態を振り返る仕組みを整えている。

最後に、従業員の健康意識を高める様々な取組みについてお話を伺った。

毎月1本の健康動画を全従業員が視聴しています 「以前は従業員各自で健康情報を知るよう勧めていましたが、会社として共通の情報を提供する方針に変えました。加入する健康保険組合が毎月配信する健康動画(2〜5分程度)を、当社が開発した申請・承認システムを用いて全員に案内しています。見終わったら完了報告を行い、全員が視聴したか確認できる仕組みです。毎月1本なら負担にならず、全員が同じ情報を見るため社内で健康について話すきっかけにもなります。自社のITシステムを健康経営に活用できている点も、当社らしい取組みです。」

血圧と脈拍を測り、健康状態を可視化できるようにしています 「また、社内に血圧計を設置し、従業員が自由に測定できるようにしています。知人のIT企業が開発したシステムを使い、アプリに数値を入力すると健康状態が色と図で表示されます。基準範囲内なら緑、注意が必要ならオレンジや赤になるため、数字だけより直感的に理解できます。赤い表示が出れば『少し休もう』という注意喚起になり、健康診断が年1回でも、日常的な測定が小さな変化に気づくきっかけになっています。」

従業員が安心して働ける会社を目指し、健康経営の取組みを次の世代へ引き継ぎます 「当社は、健康経営の取組みを年間事業計画に入れて予算を組み、経費を確保しています。仕事で使うPCと同じように、従業員の健康管理も事業に不可欠であり、『必要な経費だから仕方がない』ではなく『会社運営のための計画的な投資』として扱っています。認定を取って終わりではなく、従業員が安心して働き続けられる会社を目指し、次の世代へこの取組みを引き継いでいきます。」

【取材協力】株式会社ミトリ
(2026年10月掲載)