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株式会社ミカサ
(長野県松本市)

三澤さん
株式会社ミカサは、1954年の創業以来、70年以上にわたり緩衝材の設計・製造・販売を行っている。
従業員数は約30名(2026年7月時点)で、20代から60代まで幅広い年代の従業員が働いている。2026年から定年を65歳へ引き上げ、希望者は70歳まで働ける制度も整えた。
今回は、代表取締役の三澤敏宏さんにお話を伺った。
健康経営の取組みを通じて、完全週休2日制や業務効率の良い新工場の建替えなど、働きやすい職場環境を整えている。
まずは、健康経営に取組み始めた経緯や時間外労働の削減、業務効率改善などについてお話を伺った。
従業員のウェルビーイング向上により健康で長く働ける会社を目指しています
「健康経営については、保険会社から紹介を受けるまで詳しく知りませんでした。説明を聞いて、従業員が健康で長く働ける会社を目指す上でとても良い取組みだと思い、早速挑戦しました。当社では、環境省が策定した“エコアクション21”に20年以上取り組んできたこともあり、社内で新たな取組みを進めるにあたっては、従業員の理解も得やすかったです。」
「最初は全く分からなかったため、金融機関などが行う経営者向けの会合で、健康経営やウェルビーイングに取り組む企業の話を聞いて勉強しました。その時に初めて“ウェルビーイング”という言葉と意味を知り、従業員のウェルビーイング向上を目指すことにしました。紹介を受けた保険会社の支援も大きく、2023年に“健康経営優良法人(中小規模法人)”の認定を受けた後は、『もう少し上を目指そう』と声をかけてもらい、2026年には“健康経営優良法人(ネクストブライト1000)”の認定もいただきました。」
完全週休2日制や時間外労働の削減など働き方の改善に取組みました 「健康経営を進める中で、休日制度も見直しました。以前は月1回の土曜出勤がありましたが、従業員の意見も聞いた上で、2026年から完全週休2日制へ移行し、年間休日を124日としました。育休・産休制度の刷新や、時間外労働の削減にも取組み、今は17時30分の終業時間には工場も電気が消えています。仕事後の時間にスポーツや趣味を楽しむ従業員も多く、良いリフレッシュができていると感じています。」
従業員の声を十分に取り入れた新工場が業務効率の改善につながりました
「また、2025年2月に工場の建て替えが完了しました。以前の工場は暑さ寒さも厳しく作業しにくい環境でしたが、新工場は設計時点から従業員に希望を聞き、内装やレイアウト、床の色まで全て従業員に決めてもらいました。自分たちが作った工場だと感じてもらうことで、思い入れも強くなったと思います。」
「これらの取組みもあり作業効率が改善し、生産性も高まったので、年間休日を増やし時間外労働を削減しても、会社の売上には影響しませんでした。今期は過去最高益を達成できる見通しで、利益分は工場の建て替え費用を差し引いても賞与で従業員に還元でき、好循環が生まれ始めたと実感しています。」
“ストレスに関する調査”や健康習慣アンケートの実施により、従業員の心身の状態を把握する取組みを進めている。
次に、“ストレスに関する調査”や健康習慣アンケートについてお話を伺った。
本格的なストレスチェック実施に向けて段階的に取組み始めました 「“健康経営優良法人”の上位を目指すにあたり、従業員自身に自らのストレス状態を知ってもらうことを目的に、2025年から法定のストレスチェックではないですが、”ストレスに関する調査“を始めました。実施者がいる外部機関のサービスを利用し、従業員がスマートフォンから回答しています。初年度は試行的な実施とし、現場の中心として働く勤続年数の長い従業員9人を対象にしました。」
「今後は全従業員を対象としストレスチェックを実施することで、集団分析を通じて会社全体の状態を把握したいと考えています。外部機関のサービスの中に医師による面接指導も含まれているので、ストレスチェックに関して、一通り体制が整っていることも実際に行ってみることで実感できました。」
毎年実施の健康習慣アンケートと健康セミナーを通じて、従業員の健康向上に取り組んでいます 「また、健康経営への取組みを始めた時から、全従業員に対する健康習慣アンケートも毎年実施しています。運動、食生活、喫煙、睡眠、相談相手の有無などを確認し、会社全体の健康課題を把握しています。毎年同じ時期に行うので、経年変化も確認できます。」
「アンケート結果をもとに、年1回、全従業員に対して健康セミナーも開催しています。食生活や喫煙などをテーマに取り上げてきましたが、禁煙した者が増えるなど効果を感じています。運動が習慣になり始めた者もおり、健康について学ぶことで多くの従業員皆の表情が明るくなったと感じています。」
「さらに、健康診断で有所見となった従業員には再検査を案内しています。そして、特定保健指導の対象者については、協会けんぽ長野支部の保健師に職場に来ていただき支援を受けています。私自身も毎回指導を受けることで大切さを実感し、従業員に伝えています。」
従業員の声を聴き交流を促すことで、良好な人間関係と採用力強化につなげている。
最後に、職場のコミュニケーション活性化や、従業員の声を生かす取組みについてお話を伺った。
レクリエーションや社員旅行を出勤日に実施しています
「年に数回、従業員同士が交流できるレクリエーションを実施しています。春には体育館を借りてバドミントンなどのスポーツを行い、秋には社員旅行を行っています。これらは出勤日にして、費用も会社が負担しています。」
「本社と工場が少し離れているため普段接点がない従業員も多いのですが、レクリエーションを通じて一緒に身体を動かしたり食事したりする中で交流ができ、仕事を進める上でもやりやすくなっていると思います。私も普段話すことが少ない従業員と話す良い機会になっています。昨年は、健康経営に取り組む地元の異業種企業と合同でバーベキューを開催し、他社の従業員同士の交流も生まれる良い機会になりました。」
社内情報共有システムや個人面談によって、従業員からの意見や改善案を共有しています 「当社では社内情報共有システムを使って、職場を良くするための提案を全従業員から発信してもらい共有しています。毎年、工場部門と事務所部門から優れた改善提案を従業員同士で選び、表彰もしています。また、年に1回、私(三澤さん)と従業員の個人面談も実施しており、会社から期待する点を伝えるだけでなく意見や要望も聞いています。ここでも面白いアイデアが出るので、従業員が会社づくりへ参加できる環境を様々な形で整えています。」
従業員の声を生かした職場づくりが採用にもつながっています
「当社では以前から求人募集を出していましたが、年間数人ほどの応募しかありませんでした。そこで外部の専門家に依頼し、全従業員に会社の良い点を聞くインタビューを実施したところ、『人間関係を理由に退職した人がいない』、『完全週休2日で働きやすい』、『残業がなく自分の時間をしっかりと持てる』といった意見が挙がってきました。」
「これらの生の声を紹介する形で、求人サイトやハローワークの求人票を改善した結果、今年3月からの2か月間で40名以上から応募がありとても驚きました。20代から30代の若い従業員の入社につながり、健康経営の取組みがコミュニケーション活性化や職場環境の改善としてあらわれ、採用にもつながったと実感しています。その点でも、健康経営の取組みに対して、最優先に費用をかけて良かったと思っています。」
健康経営を地域や取引先にも発信しています 「取組みが増えることで地元の松本商工会議所やメディア等で発信する機会が増え、取引先からも健康経営について声をかけられるようになりました。今後は“健康経営優良法人ブライト500”への挑戦も始めています。私(三澤さん)だけが中心となって進める段階ではなくなってきたので、社内の団結力も高め、全員が心身ともに健康で長く安心して働ける職場づくりをこれからも続けていきます。」
【取材協力】株式会社ミカサ
(2026年10月掲載)
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