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こころの耳Q&A 検索結果

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部下の一人が仕事に対して積極的でなく、管理職である私が何を言っても仕事が進みません。注意をするとハラスメントと取られるのではないかと不安で、うまく指導ができません。どうしたらいいでしょうか。

業務上必要かつ相当な範囲でなされる業務指示や指導は、職場のパワーハラスメントには該当しません。職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいうからです。
行政指針においても、「遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をする」ことは許容されるとされています。

ただ、良かれと思った指導であっても、功を奏さない場合には、自ら気付かぬうちに言動がエスカレートしてしまうものです。例えば、長時間かつ繰り返しの叱責、職場の大勢の前やメールの一斉送信の中での罵倒などは、ハラスメントへの該当性を一気に強めることになります。

自身の業務指示や指導に悩みがある場合は、上司や人事労務部門に相談するなどして、指導を仰ぐことを検討しましょう。また、近年は管理監督者研修においてハラスメントをテーマにすることが多いようですので、日ごろからそのような機会を逃さず参加することも重要です。

このような手段が職場内にない場合は、あかるい職場応援団のサイトが参考になります。ふんだんなコンテンツがあり、中でもロールプレイによる「パワハラにならない指導の仕方」の動画教材などを通して、指導上の留意点について効率よく学ぶことができるはずです。「管理職の方」向けのページを中心に、積極的に参照してみてください。

最近元気のない部下がいます。あまり眠れていないようで、体調も悪そうなので、病院への受診を勧めたのですが、気が進まない様子です。何かできることはあるでしょうか。

調子が悪そうな部下の声かけに苦労するケースは少なくありません。

部下の立場からすると、自分が調子悪いことに気づいていなかったり、気づいていても周囲に心配をかけたくないという感情から、医療機関を受診するという行動を起こしていないのかもしれません。

上司としてできることは、「調子が悪そうだ」という主観的な情報のみならず、「締切に間に合わない仕事が何件ある」「いつもしない〇〇というミスが今週〇回あった」といった具体的な事実に基づいて本人の状況を指摘したうえで、「心配している」「必要があれば対応したい」などの言葉を添えて、医療機関への相談を促すとよいかもしれません。

また、精神科や心療内科は、他の診療科と比べて受診することに抵抗感を強く持つ方もいます。本人がだるさや食欲の低下など身体的な病気でも生じるような症状を訴えているようでしたら、まずは内科などに受診してもらってもよいでしょう。産業医がいる職場であれば、「上司として必要な配慮があるかどうか専門家の意見を聞きたいので、産業医と面談してほしい」という形で、産業医面談につなげることも有効かもしれません。

前任者からの引継ぎがほとんどなく、業務が分からない中一生懸命やっていますが、上司から厳しく怒られてしまいます。理不尽だと思うものの言い返すこともできず、最近は仕事にいくのがつらくなってきました。どうしたらいいでしょうか。

新しい仕事は、誰でもわからないことだらけですよね。上司から理不尽な怒り方をされると、前向きな気持ちもそがれてしまうことと想像します。

まず、今の状況を整理してみませんか?
具体的には、仕事について、できること、できないこと、または、理解できていること、いないことを洗い出してみましょう。
できていることも少なからずあるはずです。

次に、それぞれのことについて、上司以外に相談できる人がいないかを考えてみましょう。
前任者や先輩、その他、業務の一部でも関係する人はいませんか?

そして、今のつらい気持ちも誰かに話してみることをお勧めします。
一人で抱え込まず、話してみると意外なところで道が開けることもあります。

また、上司が何について怒っているのかについて書き出してみて、具体的に対応ができることとそうでないことを整理してみるのもよいかもしれません。

仕事で期待されるような結果が出せず気持ちが落ち込んでいます。テレワークなので上司に気軽に相談することもできず、一人で抱え込んでいてつらいです。どうしたらいいでしょうか。

仕事に対して前向きで誠実に取り組んでいる人ほど、思うような結果が出ないと落ち込んでしまったり、自分を責めてしまうのではないでしょうか。そのような時でも、すぐ側に上司がいれば悩む前に相談でき早い段階で挽回ができますが、テレワークの場合は質問のための時間を調整する必要があるために、つい相手に気兼ねしてタイミングを失ってしまうことが多いかもしれません。

特に、失敗しそうな時ほど自分でカバーしようと頑張ってしまい、上司への報告が遅れがちになるかもしれません。しかし、あなたのミスをカバーするのも上司の仕事です。最終的に顧客が納得する商品やサービスを提供すれば良いのですから、あまり思い詰めず、抱え込まず、出来るかぎり早めに相談するようにしましょう。

もし相談する場合は、メールやチャットではどうしてもニュアンスが伝わりにくく、あなたが困っている状況が上司に伝わりにくかったり、逆に上司が怒っているように感じてしまう場合もあるかもしれませんので、オンラインであっても出来るだけ表情が見えるような方法を選ぶと良いでしょう。

それでも、仕事で失敗した後はどうしても落ち込んでしまいがちかもしれません。特に、自宅でテレワークをしている場合は仕事とプライベートの切り替えがうまくいかず、就寝時間まで落ち込んだ気分を引きずってしまう場合もあるでしょう。そのようなときは、散歩をしたり、好きな音楽をBGMにしたり、お気に入りのカップでいつもより少し高価な珈琲を飲んでみたり、コロンやアロマなどを利用して気分を変えてみてはいかがでしょうか。会社の規程やセキュリティの面で問題がなければ、カフェやレンタルオフィスなど場所を移して仕事をしてみるのも1つの方法でしょう。

業務上のミスで叱られたことで、次の日から2日連続で無断欠勤してしまいました。いまさら上司に連絡するのも気が進みませんが、このままでは辞めさせられてしまうのではないかと不安です。どうしたらよいでしょうか。

職場の人間関係やトラブルなどがきっかけで、職場に行きづらくなるということは珍しくありません。
通勤の支度ができないという億劫感や、職場を遠ざけたいという気持ちは、心身の不調に原因がある可能性もあるので、あまりご自身を責めない方がよいでしょう。
また、無断欠勤を数日してしまったからといって、直ちに辞めさせられることはありません。合理的な理由なく、みだりに解雇や雇い止めをすることは、法律上禁止されているからです。

ただし、理由は何であれ、無断欠勤は大きな代償を伴います。
ほとんどの職場で、無断欠勤の日数が重なった場合に懲戒処分の対象となります。
所定の連絡さえ行えば、休業・早退、有給休暇の取得、また、長期化するようであれば病気休暇や休職制度の利用なども可能な場合があります。

自身ではうまく連絡ができない場合は、人事労務部門等や身近な同僚、家族などにお願いする、連絡方法も、電話が難しければメールやSNSを活用するなどして、無断欠勤の状態を解消する努力だけはできるとよいでしょう。
正当に欠勤・休業している状態にさえなれば、考えをまとめたり生活を整えたりする時間を取れますし、必要があれば医療機関を受診して、心身の不調に原因があるかどうかを検査することも可能になります。
面倒かもしれませんが、周囲の力を借りながら、所属先の就業規則を確認し、適切に制度を利用していくことが重要です。

社会人1年目です。まだまだできないことが多く、周りに迷惑をかけていないか、同期よりも成長が遅れているのではないか、などとても不安です。最近はあまり眠れず、朝も動悸がするようになってきました。どうしたらいいでしょうか。

1年目でできないことが多いのは当たり前のことですが、自分の仕事ぶりについて不安になる気持ちもよくわかります。まずは一緒に仕事をしている先輩や上司に相談をしてみてはいかがでしょうか。今できていること、これから力をいれるべきポイントなどを一緒に整理してもらうと不安が小さくなるかもしれません。

また、あまり眠れず動悸がするのは、ストレスによる症状かもしれません。気になる症状について、一度医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。心療内科や精神科などへの受診は抵抗があるという方も多いのですが、これを機に、眠りの相談やストレスについての話ができる主治医を作っておくというのもいいことだと思います。

職場のストレスで心身のバランスを崩しそうです。退職したいと職場に伝えたところ、人手不足だからといって辞めさせてくれません。どうしたらいいでしょうか?

民法では、一般的な正社員(期間の定めのない雇用契約で働く労働者)は、原則として2週間前までに退職の意思を告げれば、雇用契約を解約できると規定しています(民法第627条1項)。仮に就業規則に異なる規定がある場合でも、その所定の手続きさえ行えば、労働者には「退職する自由」が認められるといえます。それにもかかわらず退職を認めないことは、いわゆる「在職強要」として違法となる可能性が高いと考えられます。退職の手続きがどう規定されているのかについて、まずは就業規則等の内規を確認してみることが重要です。

なお、メンタルヘルス不調になると、適正な判断ができなくなることもありますので、退職を即断する前に、心身を休める機会を持つことも有益です。有給休暇の利用、病気欠勤・休業、私傷病休職等の諸制度を活用できないか、職場に問い合わせてもよいでしょう。

もし、退職の申し出に対する報復として、有給休暇の消化を認めない、退職金を規程どおり支払わないなどの違法な取扱いがなされる場合は、自らの労働者としての権利を守ることを念頭に、労働基準監督署等への相談を検討することも考えられます。

仕事以外では元気なのに、心の病ということはあるのでしょうか?

精神的なエネルギーが消耗し枯渇すると、いわゆる心の病になります。このエネルギー消耗の過程で、最初にできなくなることは苦手なことからと言われています。エネルギー消耗が進むと自分の好きなことや得意なこともできなくなり、病気の悪化と言えます。仕事以外では元気でも、病気が悪化する過程にいる、またはその逆で回復の過程にいるのかもしれません。

特に仕事の環境に変化があった、または大きなストレス要因がある場合などには、職場とそれ以外での元気度の差は顕著かもしれません。仕事以外は元気だから大丈夫、ということではなく、放っておくとエネルギーが枯渇し、悪化する可能性もありますので、今こそ早めの対応が必要なタイミングかも知れません。

部下から「最近、うつで通院をはじめた。」と打ち明けられました。上司として何に注意すればいいでしょうか?

まず、部下が安心して定期的な通院を継続できるよう支援しましょう。また、会社に産業医がいれば、本人の同意を得た上で、就業上の措置の要否について意見を求めるのもいいでしょう。保健師や衛生管理者など事業場内メンタルヘルス推進担当者がいる場合は、本人の同意を得た上で連携しましょう。必要に応じて、産業医を介して主治医の意見を尋ねることもあります。一連の対応に当たっては、プライバシーの保護に十分配慮し、連絡する必要がない者には言わないように注意し、同僚などへの情報開示では本人の意思を尊重しましょう。

また、部下の不調の原因が職場や業務にないか検証し、必要に応じて職場環境改善の取組みを行うなど再発防止を図りましょう。

時々、酒臭い状態で出勤する部下がいます。最近遅刻や欠勤も増えてきました。どのように対応したらいいでしょうか?

アルコール依存症、またはその前段階であることが考えられます。放っておかずに個人面談の場を持ちましょう。産業保健スタッフがいる場合には、彼らと連携するようにしましょう。面談では、本人が問題を自覚できるよう、出勤記録などをもとに、遅刻や欠勤の頻度が客観的にわかるものを用いて話し合いを行うとよいでしょう。問題飲酒がある場合はアルコール症の専門機関を受診していただく必要がありますが、一方、本人が飲酒による問題を否認することもしばしばあります。その場合、しばらく様子をみざるを得ないこともありますが、次回、遅刻や欠勤をするなど問題行動がみられた場合は必ず受診をしてもらうことや、家族と連絡をとるなどの約束を交わしておくことが重要です。問題を先送りにしたり、大目にみてあげたりするのは適切でありません。

部下がうつ病で休職することになりました。休み中はそっとしておいたほうがいいのでしょうか?

休職の理由がうつ病など精神的な病気の場合、休職中に連絡を取ったほうがいいのかどうか迷われる上司の方は少なくありません。休職している方にしてみると、職場の人から何も連絡がないと、「自分はもう要らないと思われているのではないか」と不安な気持ちになることが多いようですので、連絡をするのは大事なことです。

もっとも、休み始めの頃など、会社や仕事のことを考えるだけで不安になるということもありますので、休まれている方の状況に応じて、連絡の取り方を考える必要はあります。休みに入る時に、休職中の連絡の取り方について決めておかれるとよいでしょう。頻度としては、うつ病の休職の場合は月単位の休みが多いので、1か月に1回とか、診断書の切れる頃などを目安にされるとよいでしょう。

なお、直属の上司の方が窓口になるのが一般的ですが、部下の方との人間関係がこじれているなど、直接やり取りをするのに問題があるような場合は、他の方を窓口にするといった配慮が必要になります。

仕事が忙しく帰りが遅くなります。妻は出産後間もないため、私が会社にいる時間が多いと、妻にとって大変負担も大きく、また私も帰宅しても気が休まりません。どのように仕事と生活のバランスをとればいいのか困っています。

仕事と家庭生活をきちんと両立させようとすると、時間もエネルギーも足りずに疲れてしまいますね。長い職業人生の中では、その時々で、仕事と家庭生活とにかける時間やエネルギーのバランスが変わっていきます。このバランスの調和を考えていくことをワークライフバランスと呼んでいます。仕事と家庭生活のどちらにも100%なのではなく、子どもの成長やその時々のライフステージに合わせて、柔軟にそのバランスを変えていくことが、あなたと家族の健康のために、とても大切なことです。

家庭での負荷も増える時期は、夫婦間で話し合いお互いの役割分担なども見直してみるのも効果的です。職場の理解や協力が必要であれば、まずは上司に事情を伝えて相談したり、育児を支援する会社の制度がある場合には利用して、ライフステージに合った働き方を考えるのもよい方法です。

また、夫婦2人の時間とエネルギーだけで考えずに、身近な人からのサポートを得て、家庭内の時間やエネルギーを補強することも有効です。

同僚の半分も仕事をしていないのに、能率が悪いため、長時間労働になっている部下がいます。どうすればいいでしょう?

健康維持と生産性向上のため、「長時間労働はなくしていかなければならない」という認識のもと、原因を見極め本人の適性を考えながら改善に向けた指導を行うのも管理監督者の役割です。叱りつけるのではなく、本人の言い分にもしっかり耳を傾けながら、改善への意欲を引き出すような対応を心がけましょう。場合によっては配置転換なども考慮しつつ、柔軟に対応するようにしましょう。

管理監督者が部下のメンタルヘルスの問題で困った際には誰に相談すればいいのでしょう?

管理監督者は、部下の日常的な変化を最初に気がつくことも多く、メンタルヘルスの問題では対応のキーパーソンになることも多いといえるでしょう。相談先として以下が考えられます。

  1. 事業場内の健康管理室(産業保健組織)等の産業保健スタッフ
    事業場内に健康管理部門がある場合は、まずはそこに相談することがよいでしょう。産業医や保健師等の産業保健スタッフが、メンタルヘルスの問題を含む健康についての最初の窓口となっていることが多いといえます。

  2. 事業場内の衛生管理者等
    健康管理部門が常駐ではない等のため直接相談がしにくい場合は、事業場の衛生管理者を通して相談するのがよいでしょう。事業場によっては衛生管理者が相談窓口を担当していることもありますので、確認してみましょう。

  3. 事業場外の相談窓口等
    事業場により、外部の専門的な相談窓口と契約をしている場合があります。また、常時使用する労働者が50人未満の小規模事業場では地域産業保健推進センター等を活用することが推奨されています。このような情報も事業場の担当者に確認してみましょう。なお、地域産業保健センターの連絡先は、こちらをご参照ください。

  4. 事業場の人事総務担当者等
    上述したような対応が難しい場合は、事業場の人事労務担当者や安全衛生の担当者に相談をしてみましょう。メンタルヘルスの問題では労務管理上の問題(欠勤や遅刻等)が発生していることも少なくありませんので、勤務管理上のルールを確認しながら対応することも大切です。

管理監督者が一人で対応できることには限界があります。一人で背負いこまないことが大切です。また、個人情報についてはプライバシーに配慮しましょう。

会社が契約している相談機関の電話相談やメール相談を利用したいのですが、相談内容などは会社に分かってしまうのでしょうか?

会社が契約している相談機関などでは一般的に、問題解決のために相談・助言・援助を行うための専門的訓練を受けた公認心理師や臨床心理士などの有資格者が対応します。これらの専門家は、相談者の人権や生命を守るために遵守すべき職業倫理についても十分に教育を受けていますが、なかでもこの職業倫理において特に重要な項目の1つに『守秘義務』があります。

『守秘義務』とは、職務上知りえた秘密や相談内容を正当な理由なく他人に漏らしたり利用したりしてはならないというものです。医師などの医療関係者の場合は刑法などに定めがあり、さらに労働安全衛生法にも健康診断や面接指導の実施の事務に従事した者に対して守秘義務が定められています。カウンセラー資格の1つである公認心理師も国家資格ですので、他の医療業務従事者と同様、倫理的義務だけでなく法的責任も負っています。

相談に当たっては、何よりも相談者と専門家との間の信頼関係が基礎となります。これを保障するのが守秘義務です。この義務に違反すれば、信頼関係が壊れ、相談自体が成立しなくなります。

私は派遣労働者ですが、派遣先の産業保健スタッフに相談できるのでしょうか?

派遣労働者の健康管理(健康への支援)は、派遣元事業場と派遣先事業場との間で役割分担をすることが法で定められています。一言で言えば、現場での具体的な仕事に関連する事柄については派遣先、それ以外の健康問題は派遣元が主として担当することになっています。わかりやすい例が健康診断で、年に1度の定期健康診断は、派遣元が費用を出して行い、有機溶剤などの作業現場の有害因子による健康影響をチェックする特殊健康診断は、派遣先に実施義務があります(両者が連携して実施すべき事柄もあります)。ストレスや心の健康問題に関する相談の場合も、それに準じて考えればよく、派遣元の産業保健スタッフに相談するのが一般的といえましょう。派遣先事業場で、相談室が相談の内容にかかわらず派遣労働者にも解放されており、ご本人が希望するのであれば、利用してもよいと考えられます。ただし、その場合、相談内容がどの範囲に知られるのか(一切誰にも知られないのか、上司に当たる人には一部報告されるのか、派遣元事業場にも伝えられるのかなど)をあらかじめ確認しておき、納得した上で利用することをお勧めします。

部下が自宅で自殺しました。職場のメンバーに自殺であると伝えたほうがいいのか、迷っています。どうしたらよいでしょうか?

どれほど自殺を隠そうとしても、噂や憶測が短期間のうちに広まってしまいます。むしろ事実を伝えたうえで、動揺している人を適切にケアすべきです。精神保健の専門家の助力も求めることも検討してください。

  1. 「動揺を最小限にするような方法で、正確な情報を、時機を逸することなく伝える」:自殺を隠そうとしても、瞬く間に知れ渡ってしまいます。事実を伝えたうえで、動揺している同僚をケアすることに力点を置くべきです。故人のプライバシーに配慮しながら、淡々と伝えてください。故人を極端に誉め讃えたり、逆に自殺を非難したりすることは、遺された人々に深刻な打撃を及ぼす危険があるので、控えてください。
  2. 「自殺という衝撃的な体験をした後に、起こり得る反応を説明しておく」:よく知っていた人が自ら命を絶つと、嵐のような複雑な感情が遺された人を襲います。うつ病、不安障害、ASD(急性ストレス障害)、PTSD(外傷後ストレス障害)、薬物やアルコールの乱用といった心の問題が生じることがあります。また、持病の悪化など、身体の病気になってしまうこともあります。そこで、心身に現れる可能性のある症状について説明しておきます。
  3. 「知人の自殺を経験した後の感情を他の同僚と分かち合う」:同僚の自殺の後に、遺された人々が自分に現れている複雑な感情を仲間と率直に話し合う機会を設けます。なお、話をするのを強制する雰囲気をけっして作ってはなりません。話したい人は話し、黙って他の人の話を聞いているだけでもよいことを保証します。
  4. 「自殺が起きたために動揺しているハイリスクの人をケアする」:ハイリスクの人とは、若い人、故人と強い絆があった人、自分も精神疾患にかかっていたり、これまでにも自殺未遂に及んだりしたことのある人、遺体の第一発見者や搬送者、故人と境遇が似ている人、自殺が起きたことに責任を感じている人、葬儀でとくに打ちひしがれていた人、知人の自殺が生じた後に職場での態度が変化した人、さまざまな問題を抱えているのだが十分なサポートが得られない人などです。
  5. 「自殺の背後にある問題点に対して長期的な対策を立てる」:自殺が個人的な問題だけから起きたのではなく、たとえば過剰な長時間労働や達成不能な目標の設定といった職場が抱える問題があるのならば、その対策を立てることも必要になります。
  6. 「職場の士気が低下するのを防ぐ」:同僚の死をこのような形で、職場全体で取り上げることは、職場の士気が極端に低下するのを予防するという側面もあります。
  7. 「遺族に対するケアを忘れない」:自殺にもっとも深刻な衝撃を受けているのは遺族です。上述したケアは当然、遺族に対しても行ってください。なお、遺族が自殺に関連して職場に不信感を抱いている場合には、「この人の言葉ならば耳を傾ける」というキーパーソンを通じて、遺族に働きかけていくといった工夫も必要となります。

「死ぬと言う人は自殺しない」と聞いたことがありますが、実際はどうなのでしょうか?

自殺に対して多くの偏見や誤解がありますが、「死ぬと言う人は自殺しない」というのはかなり広く信じられている誤解です。しかし、自殺した人の大多数は実際に最後の行動に及ぶ前に何らかのサインを他人に送ったり、自殺するという意志をはっきりと言葉に出して誰かに伝えたりしています。その「救いを求める叫び」がきちんと受け止められていなかったことが大きな問題なのです。

「自殺の危険の高い人は死ぬ覚悟が確固としている」というのもよくある誤解です。実際は、自殺の危険の高い人であっても、100パーセント覚悟が固まっていて、まったく平静な人はほとんどいません。むしろ、自殺の危険の高い人は、生と死の間で心が激しく動揺しているのです。絶望しきっていて死んでしまいたいという気持ちばかりでなく、生きていたいという気持ちも同時に強いということです。まさに、この点に自殺予防の余地があります。

「自殺について話をすることは危険だ。自殺を話題にすると、その危険のない人まで自殺に追い込んでしまいかねない」というのも誤解です。自殺を話題にすると「寝ている子を起こす」ことになりはしないかという心配をしばしば耳にします。しかし、自殺を話題にしたからといって、自殺の考えを植えつけることにはなりません。自殺したいという絶望的な気持ちを打ち明ける人と打ち明けられる人の間に信頼関係が成り立っていて、救いを求める叫びを真剣に取り上げられるならば、自殺について率直に語り合うほうがむしろ自殺の危険を減らすことになります。自殺について言葉で表現する機会を与えられることで、絶望感に圧倒された気持ちに対してある程度距離を置いて冷静に見ることが可能になるのです。

働きすぎると健康に障害がでるのでしょうか?

日本人の死因の約1/3を占める脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞等)や虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症等)は、血管病変の形成、進行及び悪化により発症します。

働き過ぎが長期に及ぶことにより、休息や睡眠の不足から疲労が蓄積し、血管病変をその自然経過を超えて著しく増悪させ、脳血管疾患や虚血性心疾患が発症することが知られています。これらの疾患の労災認定基準では、時間外労働(休日労働を含みます。)について、1か月当たりおおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まり、発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月ないし6か月にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとされています。

また、長時間労働により疲労やストレスが蓄積すると、仕事などに対するモチベーションの低下やメンタルヘルス不調に陥ることが社会的注目を浴びています。

心身の不調により、産業医に相談の上、1か月の残業を10時間までとしてもらっていますが、上司はあまりそのことを認識しておらず、実際は大幅に超えた労働をしています。どうしたらいいでしょうか?

傷病等による就業制限に関して、産業医は事業者(会社)に対して意見を出す立場で、実行するのは、事業者(会社)やその権限が移譲されている上司です。産業医の意見が適切に事業者(会社)に伝わっていない可能性がありますので、再度、産業医に相談してみるとよいでしょう。

友人から死にたいという電話があった場合、どうすればいいのでしょうか?

このような電話を受けた場合、自分が何とか思いとどまらせなければ・・・と力が入ってしまい、頭が真っ白になってしまうこともあるかもしれません。冷静に対応をするためにも、まずは自分自身を落ち着かせることが大切です。

やみくもに「死んではダメだ」と言っても、あまり響かないでしょう。自殺が良くないことは、本人が一番よく理解していると思われるからです。それでも、「死にたい」と考えてしまうのです。そこまで追い込まれてしまっている背景や、それに伴って生じているさまざまな感情を受けとめ、理解することが大切です。「何かよい一言を伝えなければ」と力むのではなく、ただ語ってもらうこと、本人の話に丁寧に耳を傾けることがとても重要なのです。

「死にたい」という気持ちの背後には、「もっとうまく生きたい」という強い気持ちが存在しているなど、“生への執着と死への願望との間で揺れている状態”というのが、希死念慮を抱える人に多くみられる心理状態と言われています。そんな苦しい思いをかかえながら、あなたに相談してきた意味を考えてみましょう。きっと「誰でもいい」と考えて電話をかけてきたのではないと思います。心理的に追い込まれているからこそ、意識的あるいは無意識的に特定の人を選び、「この人ならきっと自分の気持ちを聴いてくれる・・・」という思いから打ち明けてきているのではないでしょうか。こうした観点からも、まずはじっくり傾聴することに大きな意味があるのです。

じっくり耳を傾け、心を受け止めていると、本人の気持ちにも少し余裕が生じてくるでしょう。落ち着いてきたように見えたら、「どうしても死ぬことが頭から離れないようだったら、専門家にも助けを求めてはどうか」などいくつか選択肢をアドバイスしてみましょう。ただし、「あなたなら聴いてくれる」と思って電話をかけてきたのですから、「専門家へ丸投げされた」などネガティブに受け取られないよう、相談方法などについても一緒に考えていくと良いでしょう。

また、このような相談を受けた場合、ひとりで抱え込まないことも大切です。もちろん相談してきた人の信頼を裏切らないためにも秘密は守る必要がありますが、職場の産業医や保健師、臨床心理士、公認心理師などであれば職業上、守秘義務が課せられていますから、対応方法のアドバイスや、医療機関等の情報などについて安心して相談できるでしょう。

息子さんを自殺でなくした部下がいます。それ以来仕事に集中できないようです。上司としてどう対応すればいいでしょうか?

子どもが自死してしまった親御さんの場合、病死や事故死以上に大きなショックを受け、事実を受け止めきれなかったり、我が子を死なせた自分を責めたり、「なぜ自分を遺して死んでしまったのか」といった怒りを感じたりする場合が多くあります。その結果、突然死別から受容・回復へと至る悲嘆の反応がうまくいかずにPTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病などの心の病を発症する危険性や、遺族自身が自殺を選ぶ危険性もあります。

この部下の方も、仕事に集中できなくなっているようですので、うつ状態になっている可能性が考えられます。「いつまでもクヨクヨしていたら息子さんが可哀そうだ。しっかりしろ!」などと強く叱ったり、励ますような言動は控えましょう。それまでの部下との信頼関係など、関係性によっても声のかけかたは変わってきますが、やさしく声をかけて休養を勧めてあげることが大切です。その際、うつ状態が強くなっていると、「自分が会社で必要とされていないから休むように言われたのではないか」と誤解してしまうことがあるので、「息子さんの亡くなったショックからの回復には時間がかかる場合があるので」と伝え、仕事のことは心配せずにゆっくり休めるよう配慮しましょう。

さらに、上司が一人でこの問題を背負うのではなく、産業医等の産業保健スタッフに対応方法について相談したり、部下の同意を得たうえで人事労務担当の責任者に話しておくと良いでしょう。また、念のため、精神科、心療内科受診を勧めておくと安心だと思います。部下と個人的にも親しく十分な信頼関係が構築されている場合は、「自分でよかったらいつでも相談にのる」と伝えたり、息子さんを亡くした親としての辛さを十分に受け止め、必要以上に自分自身を責めないよう働きかけてはいかがでしょうか。また自死遺族同志で集まれる「分かち合いの場」や、民間組織、最近では各都道府県単位でも行われている「自死遺族支援事業」などについて、情報を提供してあげても良いと思います。

うつ病から職場復帰するときは自殺のリスクも高くなると聞きました。どうすれば予防できますか?

睡眠障害や食欲が改善してきた段階で、仕事の締め切りや家族や周囲の目を気にして、焦燥感がある状態で復帰の準備を始めてしまうケースがありますが、職場復帰時の自殺を予防するためには、うつ病の症状がきちんと改善されていることを確認して復帰の準備を進めることが必要です。主治医等と連携し、病状を確認するとともに、一定期間、休業中に復帰後を想定した生活を送ってみるなど、段階的に職場復帰につなげていくとよいでしょう。地域によってはリワークプログラムを提供してくれる機関もありますので、それらを利用していくのも有効です。

自殺未遂をした部下がいます。それ以来、腫れ物を触るような対応になり、周りの方が疲れています。どうすればいいでしょうか?

自殺企図者の多くは何らかの精神疾患、特にうつ病である場合が多いため、現時点で精神科に通院加療中の有無を確認する必要があります。通院していなければ、精神科の医療にうまくつなげる必要があります。通院中であれば、現時点で主治医からどのような助言をされているのか、本人に聞いてみてください。

主治医の下で治療を受け、体調が落ち着いているのようであれば、日常の勤務についてはあまり神経質にならず、他の部下と同様に接することが大切です。まわりの部下の方が神経質になっているようであれば、「現在は安定しており、他の社員と同じように接して欲しい。もしいつもと違う、何か変わったことがあれば、上司の私に教えて欲しい」と伝えてもいいと思います。

同僚の手首に引っかき傷が多数ありました。この人が近い将来本当に自殺してしまう可能性はあるのでしょうか?

手首にひっかき傷があっても古傷であれば、どのようにしてできた傷かわからないので、あまり詮索しない方がいいでしょう。ですが、手首に新しいひっかき傷が頻回にできるようであれば、精神的に不安定なのかもしれません。その同僚が自殺する可能性については、そのひっかき傷の程度にもよりますし、その時の状況によりますので一概に判断できませんが、その同僚の方がいつもと違う様子で、悩んでいるようであれば、同僚として話を聞いてあげることで悩みが解決する糸口になるかもしれません。そこまでプライバシーに立ち入れないのであれば、上司や産業医に現時点での同僚の様子を報告し、同僚としてどのように接した方がいいか、相談してはいかがでしょうか。