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労災補償関係

ア行

遺族給付
→遺族補償給付を参照してください。
遺族補償給付
遺族補償給付(通勤の場合は遺族給付)は、仕事(通勤)が原因となって死亡した場合に、遺族の請求により給付基礎日額をもとに算定された額が支払われるものです。労働者の死亡当時にその者の収入により生計を維持していた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹のうち最先順位にある者に対し遺族補償年金が支払われ、該当者がなく、又はいなくなったときは、一定額の範囲で遺族補償一時金が支払われます。

カ行

介護給付
→介護補償給付を参照してください。
介護補償給付
介護補償給付(通勤の場合は介護給付)は、障害補償年金(通勤の場合は障害年金)又は傷病補償年金(通勤の場合は傷病年金)をうけることができる労働者が、その障害の程度が「要介護障害程度区分表」に該当し、現に介護を受けている場合に請求により支給されるものです。なお、障害者支援施設(障害者自立支援法に規定されるもの)などに入所している間は対象となりません。
過労死
長時間労働などの過重な仕事に就労したことにより、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患や心筋梗塞などの虚血性心疾患(心臓の筋肉の血管が詰まることによる疾病)等にかかったり、その結果死亡に至ることがあり、これを過労死と呼んでいます。一般の人にも仕事に関係なく起こることの多い疾病ですが、過重な仕事に従事することにより、血管がもろくなったり、詰まりやすくなり、あるいは血圧が高くなることなどがあって発病することがありますので、業務上の疾病として労災補償の対象となります。
過労死の認定基準
①異常な出来事への遭遇、②短期間(1週間程度)の過重業務への就労又は③長期間(6か月程度)の過重業務への就労の後に脳血管疾患又は虚血性心疾患等を発症した場合は業務上疾病として取り扱う旨を示した通達です。(平成13年12月12日付け基発第1063号)
過労自殺
→精神障害等を参照してください。
休業給付

→休業補償給付を参照してください。

休業補償給付
休業補償給付(通勤の場合は休業給付)は、仕事(通勤)が原因となって負傷し、又は疾病にかかり、療養のため労働ができずに賃金を受けることができない場合で、休業が4日以上になるときに請求により受けることができるものです。その額は、休業1日について給付基礎日額の60%です。休業を始めた最初の3日間については、使用者が平均賃金の60%に当たる額を支払うことになりますが、通勤災害の場合にはその支払いの義務はありません。
休業補償給付等の請求手続
休業補償給付(通勤の場合は休業給付)、障害補償給付(同障害給付)、遺族補償給付(同遺族給付)、葬祭料(同葬祭給付)、傷病補償年金(同傷病年金)又は介護補償給付(同介護給付)は、本人又は遺族が労働基準監督署に請求します。請求書は労働基準監督署でもらうことができます。
業務上疾病

業務上疾病とは、仕事が原因となってかかった疾病をいいます。負傷と異なり、疾病の原因は分かりにくいため、どのような疾病が労災補償の対象なるのかを労働基準法施行規則別表第1の2と関係の告示に列挙しています。具体的に掲げられていない疾病であっても、業務起因性の認められたものは労災補償の対象となります。

業務起因性
業務起因性とは、仕事と負傷、疾病、障害又は死亡との間に因果関係がある状態をいい、仕事中(事業主の支配下にある状態)に原因を受けて負傷、疾病、障害又は死亡に至ったと認められることをいいます。労働者の不注意などがあっても、故意がある場合を除き、因果関係の否定材料にはなりません。
業務災害
業務災害とは、仕事が原因となった負傷、疾病、障害又は死亡をいいます。
業務遂行性
業務起因性が認められるためには、その前提として原因を受けたのが仕事中であることが必要になりますが、その状態を業務遂行性があるといいます。業務遂行性とは、労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態をいうもので、一般にいう「仕事中」より広く、業務に従事している状態のほか、休憩時間において事業場構内でスポーツをしているとき、休憩室での休憩中、用便中などは事業主の支配・管理下にあるとされ、業務遂行性が認められます。

サ行

障害給付
→障害補償給付を参照してください。
障害補償給付
障害補償給付(通勤の場合は障害給付)は、仕事(通勤)が原因となって負傷し、又は疾病にかかり、その結果障害が残った場合に、その障害の程度を第1級から第14級までに区分して決められる額が請求により支払われるものです。第1級から第7級までが障害補償年金、第8級から第14級までが障害補償一時金として支払われます。
傷病年金
→傷病補償年金を参照してください。
傷病補償年金
傷病補償年金(通勤の場合は傷病年金)は、仕事(通勤)が原因となって負傷し、又は疾病にかかり、その療養期間が1年6か月を経過したときに、その負傷又は疾病がなおっておらず、かつ、傷病等級に該当する重い状態である場合に、休業補償給付(通勤の場合は休業給付)に替わって給付基礎日額をもとに算定される額が支給されるものです。
精神障害等
精神障害には多くの種類があり、仕事による強い心理的負荷により発症したうつ病その他の精神障害は、業務上疾病の一つであり、最近では労災認定件数が増加しています。精神障害の中には自殺に至るものも少なくなく、仕事により精神障害にかかり、自殺に至ったもの(過労自殺といわれることがあります。)は原則としてその死亡も労災補償の対象となります。
精神障害等の判断指針
発病前6か月程度の間に業務による強い心理的負荷があり、業務以外の心理的負荷や固体側要因(既往歴・社会適応状況、アルコール等依存状況)による発病ではない精神障害は、業務上疾病として取り扱い、その精神障害により自殺した場合も原則として労災補償の対象とする旨の通達です。(平成11年9月14日付け基発第544号)
葬祭給付
→葬祭料を参照してください。
葬祭料
葬祭料(通勤の場合は葬祭給付)は、仕事(通勤)が原因となって死亡した場合に、葬祭を行う者に対し請求により決められている額が支払われるものです。

タ行

通勤災害
通勤災害とは、通勤が原因となった負傷、疾病、障害又は死亡をいいます。
特別加入制度
労災保険は、労働者の保護を目的としていますが、法律上の労働者に該当しない①中小事業主等、②一人親方等、③家内労働者・労働組合常勤役員・介護作業従事者等の特定作業従事者、④海外派遣者については労働者に準じて災害からの保護をするため、特別加入制度が設けられています。

ナ行

二次健康診断等給付
一次健康診断(労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断)の結果、①血圧、②血中脂質、③血糖、④腹囲又はBMI(肥満度)の4項目のいずれの検査結果も「異常の所見がある」と診断された場合には、労災保険給付として(無料で)脳・心臓疾患に係る二次健康診断及びその予防のための特定保健指導を受けることができます。
二次健康診断等給付の請求手続
二次健康診断等給付は、労災病院又は二次健康診断等給付指定医療機関でなければ受けることができません。該当する労働者は、これらの医療機関で無料で二次健康診断等給付を受けることができます。
認定基準
主な業務上疾病については、労働基準監督署長が公正・迅速に認定することができるように厚生労働省から通達として基準が示されており、これを認定基準といいます。認定基準には、仕事にある有害な要因にどの程度さらされたらどのような疾病にかかるのかなどが医学的見解に沿って示されています。
脳・心臓疾患
→過労死を参照してください。

ハ行

不支給決定
→労災認定を参照してください。
保険給付(業務災害関係)

仕事が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。
 これらに該当する保険給付には、療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償給付及び介護補償給付があります。

保険給付(通勤災害関係)

通勤が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。
 これらに該当する保険給付には、療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付、葬祭給付、傷病年金及び介護給付があります。

ラ行

療養給付

→療養補償給付を参照してください。

療養補償給付

療養補償給付(通勤の場合は療養給付)は、仕事(通勤)が原因となって負傷し、又は疾病にかかり、療養のための給付です。被災労働者の自己負担はありません。 なお、労災病院又は労災保険指定医療機関等で受診するときは無料で療養できますが、これら以外で受診するときは被災労働者が一旦療養費を支払い、その額を労働基準監督署に請求して支払いを受けます。

療養補償給付の請求手続

業務災害又は通勤災害を被り、労災病院又は労災保険指定医療機関で受診したときは、無料で療養できます。これら以外の医療機関で受診したときは、被災労働者が一旦療養費を支払い、その額を労働基準監督署に請求して支払いを受けます。この請求は、被災労働者本人が行います。請求書は労働基準監督署でもらうことができます。

労災認定

労災認定とは、仕事又は通勤が原因であるとして労災保険給付を請求した場合に、請求を受けた労働基準監督署において必要な調査が行われ、保険給付を支給すべきかどうかの判断をすることをいいます。その結果、支給決定又は不支給決定が行われます。支給決定することを労災認定すると表現される場合もあります。

労災保険制度

仕事が原因となって負傷し、又は疾病にかかったとき、それらの結果として障害がのこったり、介護を要するに至ったとき、あるいは死亡したときなどに労災保険給付がなされます。通勤を原因とする場合も同様です。予防のための二次健康診断等給付もあります。その他被災労働者の社会復帰への支援、遺族への援護などを行います。

労災保険率

事業主による保険料支払いの計算の基礎となる率で、その負担が公平となるように、過去の災害率などを考慮して54種類の業種ごとに4.5/1000の範囲で労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則別表第1に定められています。

労災保険料

労災保険の財源であり、労働保険の保険料の徴収等に関する法律に基づいて事業主が支払います。金額は、労働者に支払う賃金総額×労災保険率によって計算するのが基本です。

労働保険

労働保険とは、労災保険と雇用保険とを総称したものです。保険給付は両保険制度で別個に行いますが、保険の適用及び保険料の徴収については、原則的に、一体のものとして取り扱います。