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大同火災海上保険株式会社(沖縄県那覇市)

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大同火災海上保険株式会社
(沖縄県那覇市)

 大同火災海上保険株式会社は、損害保険業としては国内で唯一、地域に基盤を置いており、今年で創業70年になる沖縄県の保険会社である。
 従業員は約320人。沖縄県内の各地域と東京に支店を置いている。営業部門と現場で事故対応をする損害サービス部門に従業員が多い。
 今回は、経営企画部人事課長代理の根元崇英さんにお話を伺った。

衛生委員会で検討・策定した「こころの健康づくり計画」に沿って4つのケアを実施し、日々状況確認をしていく

メンタルヘルス不調の未然防止に向けた「こころの健康づくり計画」を中心とした4つのケアの取り組み、および個別面談によるメンタルヘルス不調者への対応についてお話を伺った。

「職場のメンタルヘルス対策に取り組むにあたっては、2010年に沖縄産業保健総合センターのメンタルヘルス対策促進員の支援を得て、“こころの健康づくり計画”を策定しました。策定する際、衛生委員会(当社では、“ゆとり創造委員会”と言っています)で検討を行いました、当社における推進責任者は経営企画部長、推進管理は、“ゆとり創造委員会”と産業医、社外の産業カウンセラー、そして、推進事務局は、経営企画部人事課と、それぞれの役割を明確にしました。また、具体策として、2010年度から2013年度までの計画を立てて、実行しました。」

「取り組みは、4つのケアの枠組みに沿って進めていきました。“①セルフケア”に関しては、新入社員に対し、入社半年後にメンタルヘルス研修の時間を設けて、セルフケアの重要性や、ストレスへの気づきと対処法について教育しています。毎年15名前後の新入社員全員を対象に、これまで10年以上実施してきました。“②ラインによるケア”については、新任管理職に対し、メンタルヘルス研修のための時間を設けて、実習を交えながら3時間程度行っています。新任管理職全員を対象に、こちらも10年以上実施してきました。」

「“③社内産業保健スタッフ等によるケア”に関しては、産業医が月1回来社しますので、そこで社員からの健康相談の機会をつくっています。ただ、これまでは産業医が在籍していても、なかなか自発的に利用されることがありませんでした。そこで、2019年12月からは、健康診断結果が気になる社員に対して、人事課から声かけをし、産業医と健康相談の機会を設定する仕組みにしました。このような取り組みを通じて、気軽に直接産業医に相談できる流れを作っていきたいと考えています。また、毎月の衛生委員会(ゆとり創造委員会)では、部署ごとの残業時間を把握し増加している部署に対して、残業の要因が一時的なものなのか、恒常的なのかを確認しています。その中で、恒常的なものと確認できた場合は、衛生委員会メンバーの労使双方で話し合いながら改善を図っています。」

「“④社外資源によるケア”としては、“社外の24時間対応のよろず電話相談” や“社外の産業カウンセラーによる個別面談”などがあります。“社外の24時間対応のよろず電話相談”は、社員だけでなくその家族も利用することができる外部EAP機関によるサービスを利用しています。社内掲示板等で案内を通知しています。その際、『守秘義務に則り、プライバシーは厳守されていますので、安心してご利用ください』、『”こころの疲れ“や”悩み“は誰にでも起こることです。ひとりで悩まずにお電話ください』といったメッセージを添えて、気軽に電話相談しやすいように心がけています。」

「“社外の産業カウンセラーによる個別面談”は、毎月3回の面談日を設けて、社内掲示板等で案内しています。面談時間は一人1時間程度です。社外にある近隣のカウンセリングルームに、社員が訪問する形で実施しています。メンタルヘルスやキャリア形成に関してなど様々な相談に、産業カウンセラーが対応しています。こちらも10年以上前から実施しています。」

「相談内容によっては、相談者の同意を得た上で、ヒアリングした内容や会社としての配慮依頼について、産業カウンセラーから人事課長に連絡が来ることもあります。また、相談者の状態によっては、休業について主治医に相談することを産業カウンセラーから勧める場合もあります。また、休業中の社員もこの個別面談を利用することができるようにし、復職をサポートする体制を構築しています。」

「数年前までは、産業カウンセラー個別面談の利用率は低い状況でした。どうしても“カウンセリング”と聞くと重く受け止めてしまう社員が多いため、社内のメンタルヘルス研修やキャリアデザイン研修で、相談対応を行う産業カウンセラーが講師として来社するたびに、個別面談の担当カウンセラーであることを紹介することで、社員にとって利用のハードルが下がるよう工夫しています。やはり、実際に相談する相手の顔や様子を知っているか否かで、相談してみようという気持ちに違いがあると思います。このような取り組みを通じて、個別面談を利用しやすい雰囲気ができてきたのではないかと感じています。」

【ポイント】

  • ①社内資源によるケアの促進として、不調を感じた社員本人が、産業医と日頃から面談をしやすくなるために、まず人事部門が該当社員に健康面での産業医面談を推奨し、機会を設定するところから始める。
  • ②社外資源によるケアとして、社員だけでなくその家族も利用することができる外部EAP機関によるサービスによる電話相談や、社外カウンセラーによる対面相談の窓口を設置する。
  • ③相談者の同意を得た上で、社外カウンセラーから環境配慮についての連絡を受ける体制を準備する。
  • ④さまざまな研修などの機会を利用し、外部相談窓口の産業カウンセラーを紹介することで、個別に利用しやすくなるような雰囲気をつくる。

【取材協力】大同火災海上保険株式会社
(2020年6月掲載)