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欠勤が続き、その後本人と連絡が取れなくなった事例

経過

28歳男性。一人暮らし。ガス機器の保守点検サービスの仕事をしています。ずば抜けて優秀とは言えないながらも、日々の業務を着実にこなしていました。
これまでにも年に数回は体調を崩し、3・4日連続して休むということがありましたが、有休休暇の範囲内に収まっていました。数日の連休後には復調し、またいつものように勤務をしており、周囲もこの体調の波や休み方を理解、許容していました。

今回も体調不良により3日連続で休んでいます。1日目と2日目は、上司へチャットで休みの連絡が入りました。3日目の朝は連絡がありません。上司は「おや?」と思いましたが、いつもように今日くらいまでお休みかな、と思い、連絡がないことは出勤してから注意をしようと考えました。
4日目、連絡なく姿を現さないため上司が本人に連絡をします。すると「どうせ自分がいなくても仕事は大丈夫。自分のことなど誰も気にも留めていない。自分はダメ人間だ。」という内容の返事が返ってきます。心配した上司がその後何度もメッセージを送りますが、既読マークもつきません。
翌日も無断欠勤。上司は緊急連絡先である男性の父親に電話をしました。父親も本人と連絡が取れないとのことでしたが、父親は遠方で本人の元を訪ねるのに時間がかかります。上司が人事部長と共に本人の自宅を訪ねることになりました。
インターホンを鳴らしても応答がありません。その場で本人に何回か電話をしたところ、ようやく自宅のドアが細く開きました。隙間から説得をし、家に上がり、父親の到着を待ちました。

その後父親と共に実家に帰り、精神科を受診。現在は休職中です。

ポイント

無断欠勤が起きたとき、連絡がないことに対する呆れる気持ちやイライラが、そのうち安否を心配する局面になります。大げさかもしれない、本人を刺激したくないという気持ちが起きるのも理解できますが、自殺の可能性なども考え、命を守ることを優先に、連絡がない時点で「待つ」以外の行動をとるべきです。特に一人暮らしの場合はより素早い対応が求められます。
具体的には、緊急連絡先への連絡、自宅訪問などです。その場合、事前に本人にも緊急連絡先への連絡や自宅訪問する旨、断りのメッセージを残すといいでしょう。

この事例においては、3日目の朝に、上司は異変に気付いたにも関わらず、連絡していませんが、本人の命を守ることを考えれば、直ちに連絡をとることが望ましいでしょう。