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7 産業保健スタッフの方へ

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うつ病は、働く人たちがかかる心の病の中で、もっとも頻度の高い病気です。企業で1か月以上の長期のお休みをする方の半数以上がこころの病、中でも、うつ病であると言われています。うつ病にかかると、その症状のために本人がつらい思いをするだけでなく、判断力が低下する、ミスを起こしやすいなど、職場での生産性にも影響が出てきます。この意味で、うつ病は働く人の生活や仕事にとって、大きな影響を与えるといえるでしょう。

一方で、うつ病は医療的介入が成功しやすい病気とも言われており、予防活動を行うことの効果が非常に期待できる側面も持つと言えます。このことからも、産業医・看護職・心理職などの産業保健スタッフは、うつ病についての十分な知識を持ち、早期発見につとめ、職場上長・人事、そして必要に応じて主治医や家族とも連携を取り、適切な対応をとることが望まれます。「eラーニングで学ぶ「15分でわかる事業場内産業保健スタッフ等によるケア」」も参考にしてください。

産業保健スタッフの注意すべき点について、大きく3つの項目にまとめました。

うつ病の知識啓発活動を含めた教育・研修活動

職場の管理監督者をはじめとする職場の方々に、うつ病の知識、こころの不調のサインなどを知ってもらい、うつ病についての理解を深めてもらうことは、うつ病の早期発見において大切なことです。このような機会を通して、産業保健スタッフの役割についても理解してもらい、職場で気になることがあった際に、すぐに、産業保健スタッフや人事と連携がとれる体制がつくれるよう、普段から教育・研修の機会をもつように心がけましょう。

うつ病の評価

うつ病は、より医療的介入が成功しやすい病気でもあることから、産業の現場においても、適切にその評価をすることが望まれます。いくつか開発されている構造化面接のためのツールを活用するのもひとつでしょう。健康診断時や健康相談の際に、あわせてこのようなツールを活用する企業も増えてきています。また、面接・相談を行う際には、健診結果や問診などだけに頼るのではなく、勤務状況・作業能率など、日ごろからの職場の情報についても、必要な収集を行い、判断の材料とするとよいでしょう。

うつ病の方への対応

健康相談などをしていて、うつ病が疑われる場合には、ご本人のプライバシーに十分に配慮をしながら、主治医や外部の専門機関との適切な連携を行いましょう。今後の支援体制や、フォロー方法について、ある程度の見通しを本人に伝えておくことも大切です。特に、はじめてうつ病になった方の場合には、本人の不安も大きい場合が考えられます。ご本人の心配な点、気がかりな点についても確認の上、対応を進めていくとよいでしょう。また、職場での業務上の配慮、勤務面での配慮が必要な場合、また、職場への理解を求める必要がある場合など、ご本人の了承のもと、職場上長や人事とも連携をとります。

なお、うつ病により会社をお休みすることが必要な場合には、職場上長や人事担当者、また、必要時、家族とも連携をとりながら、ご本人が安心して休養に専念できる環境を作れるようサポートします。また、職場復帰後は、本人への支援はもちろんのこと、職場の方々にも十分な理解が得られるよう、フォロー体制を整えるとよいでしょう。