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うつ病は、日本では約15人に1人が、一生のうちに一度はかかる病気といわれ、誰でもかかる可能性のある病気です。一方で、うつ病の対応では、「早期発見」、「早期対応」が大切になります。
一日の大半を職場で過ごす人たちにとって、職場にいる上司・同僚は、きわめて身近な存在の人のひとりです。職場で働く部下や同僚に、うつ病のサインがみられたら、すぐに声をかけてみてください。うつ病のサインは、自分ではなかなか気づきにくいものです。また、もし気づくことができても、なかなか言い出しづらい、周囲に迷惑をかけられないという理由で抱え込んでいる人も中にはいます。身近にいる上司・同僚である方々には、うつ病のサインに気づいたら、声をかけ、話を聴いてあげてください。
下記に、上司・同僚からみても分かりやすい「周囲が気づく変化」を示します。ここでのポイントは、「普段のその人からの変化」です。その人の変化に気づくためには、普段からの部下や同僚の様子、行動を知っておくことが大切です。
周囲が気づく変化
- 遅刻・欠勤:遅刻や早退が増えた、欠勤することが増えた。
- ミスの増加:ミスや事故が増えた。
- 仕事の能率:判断力の低下、仕事の能率の低下が見られる。
- 会話:周囲との会話が減った、昼食などでも一人でいることが多くなった、口数が減った。
- 表情:表情が暗い、元気がない、顔色が悪い。
- 身体の症状:頭重感、頭痛、めまい、微熱、吐き気などの訴えがあった。
このような変化に気づいたら、まず、話しかけてみてください。その際には、「期待してるからがんばれ」、「気合で乗り切れ」などのむやみな励ましや、「そんなことではダメだ」、「自分の立場を分かっているのか」、「誰だってそうだ」などの非難は禁物です。心配な気持ちを伝え、まずは「話を聴く」ことが大切です。
また、人によってはうつ病の症状が悪化した際に、将来を悲観して、仕事を辞めることを考える人がいます。しかし、症状が回復すれば、考え方が変わることもあるので、重要な決断は、病気が回復してから行うよう促すことも大切です。
対応において気になる点がある場合や、心配な場合は、会社の産業医・看護職・心理職などの産業保健スタッフや人事担当者、社外の相談機関に相談するとよいでしょう。社外の相談機関は「相談窓口案内」から探していただくこともできます。 「こころの耳相談窓口」も利用できます。
不調のサインに気づいたら声をかけ、話を聴いてみること、そして、心配であればひとりで抱えずに周囲に相談し、人事や産業保健スタッフ、主治医などと連携をして対応していくことが大切です。