ストレス軽減ノウハウ

3 ストレスからくる病

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読了時間の目安:約4分

メンタルヘルス不調

 私たちは日常生活でストレッサーを経験すると、そのストレッサーを解決したりストレッサーによる悪影響(ストレス反応)を緩和するために、さまざまな工夫をします。これをストレス対処(コーピング)といい、ストレス対処が適切になされている場合には、心理面、身体面、行動面のストレス反応はしだいに低下していきます。

 しかし、対処能力を上回るほどのストレッサーを経験したり、ストレッサーが長期間続いたりするとストレス反応も慢性化していきます。ストレス反応が慢性化すると、まず活気が低下して、元気がなくなってきます。この状態が解消されずに慢性化すると、イライラや不安感を覚えるようになります。そして最終的には気分が落ち込んだり、ものごとがおっくうになるなど、いわゆる「うつ」の状態に近づいていきます。

 以下のような症状が2週間以上続く場合には、「うつ」が疑われますので、専門家(精神科、心療内科)に早めに相談することをおすすめします。

  • 気分の落ち込み、憂うつな気分
  • 趣味などが楽しめない
  • 体重の減少または増加、食欲の減少または増加
  • 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、どれだけ寝ても眠気がとれない
  • 気持ちが焦るイライラしやすい
  • 疲れやすい
  • 価値のない人間だと思う、周りに対して申し訳なく思う
  • 思考力や集中力が低下する、決断が難しい
  • いっそのこと消えてなくなりたいと思う

ストレス関連疾患(心身症)

 ストレス反応が改善されずに慢性化していくと、メンタルヘルス面での疾患だけでなく、身体面での疾患に至ることがあります。表1は、ストレスに関連していると考えられている疾患(心身症)のうち、代表的なものを示したものです。この表を見ると、普段見たり聞いたりするさまざまな疾患がストレスに関係していることが分かります。

 しかし、これらの疾患の原因がすべてストレスによるわけではありません。たとえば同じ高血圧でも、ストレスによる場合とそうでない場合とがあります。両者の違いは、疾患の発症や経過にストレスが関係しているかどうか、という点にあります。もしこれらの疾患にストレスが関係していると判断される場合には、体の治療とともに、ストレス状態の改善についても考慮する必要があります。たとえば、ストレッサーに対する対処方法(コーピング)の工夫は、疾患の改善にとって有効な方法の1つとなります。

表1 ストレス関連疾患(心身症)

部位 主な症状
呼吸器系 気管支喘息,過喚起症候群
循環器系 本態性高血圧症,冠動脈疾患(狭心症,心筋梗塞)
消化器系 胃・十二指腸潰瘍,過敏性腸症候群,潰瘍性大腸炎,心因性嘔吐
内分泌・代謝系 単純性肥満症,糖尿病
神経・筋肉系 筋収縮性頭痛,痙性斜頚,書痙
皮膚科領域 慢性蕁麻疹,アトピー性皮膚炎,円形脱毛症
整形外科領域 慢性関節リウマチ,腰痛症
泌尿・生殖器系 夜尿症,心因性インポテンス
眼科領域 眼精疲労,本態性眼瞼痙攣
耳鼻咽喉科領域 メニエール病
歯科・口腔外科領域 顎関節症

「日本心身医学会教育研修委員会編1991心身医学の新しい診療指針,心身医学,31(7),p57をもとに作成」

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