ご家族にできること

  • ご家族の方へ

何か疲れているように見える、うつ病だろうか、病院に行かせた方がいいのだろうか?

《まずは安心できる場を》

お身体の病気の時と同様に、こころの不調な時も一番大事な基本は「安心して休息する」ということです。こころの不調により「食欲が減った」「元気がなくなった」「口数が減った」「趣味のゴルフに興味を示さなくなった」「ため息が多い」「眠れていないようだ」など今までの行動と違ってきます。これらに対して、言葉だけでなくさりげない気遣いなどが、苦しむご本人にとっては安心感を与え、ご家庭でゆっくり憩いの時間をとることができます。病気への発展を防止するだけでなく、回復力を促すこともつながります。

《話を聴いてみましょう》

ご本人のお話にゆっくり耳を傾けてみましょう。その際に「そんなことはない」など否定せず、まずはご本人が一番言いたいことは何かを理解しようという姿勢が大切です。ただし、ご本人があまり語りたがらない様子が強い時は、無理に聞き出す必要はなく、「話したくなったら」というお気持ちを伝えるとよいでしょう。そっと見守っている、というスタンスがちょうどいいことがあります。

《病院を勧めてみましょう》

様子を見ていても、本人が以前と違う状態が続くようでしたら、病院にいくことを勧めてみましょう。これもお身体の病気と同様で、早期に対応することにより回復も良好となります。その際に「うつ病」などという言葉を使わずに、「疲れが抜けない状態がずっと続いているのが心配」というお気持ちを伝え、初めての受診には付き添って行けるとなおよろしいでしょう。

《専門医療機関は?》

精神科医、心療内科医などの専門医に診てほしい、必要なら治療してほしいという場合には、次により病院や診療所(クリニック)をお探しください。

  • 下記の専門家への相談をされた場合には、その専門家に紹介していただく方法があります。
  • サイドメニューにありますように、本サイトで医療機関を地域別に紹介しています。
  • ご近所にかかりつけ医がいれば、精神科医、心療内科医などの専門医を紹介していただけるかも知れません。

《精神科や心療内科はなんとなく気が引ける。相談する場所は他に?》

次のような方々が候補になります。ご本人だけでなくご家族もご相談いただけます。

  • 電話などによる無料の相談機関(サイドメニューにありますように、本サイトで相談機関を紹介しています。)
  • ご本人の職場の産業医、保健師、臨床心理士など(これらの専門家は法律により守秘義務が課せられています。なお、産業医は常時使用する労働者が50人以上の事業場に選任することが義務付けられています。)職場の専門家にご相談される場合は、ご本人の了解を得ることが望ましいです。
  • ご近所にかかりつけ医がいれば、相談していただき、状況に応じ専門家を紹介していただける場合もあります。

うつ病などのこころの病で病院にかかっているが、家族としての対応は?

《病気の理解と基本的な対応》

「治療にはご家族の協力が重要」などといわれますと、大きな責務を感じて、ついつい力が入りがちですが、あまり特別なことを考える必要はありません。一つ一つ言動に気をつけるあまり、ご本人が「まわりに心配ばかりかけてしまっている」と感じさせしまうこともあります。まずは力を抜き、病気の理解からはじめてみましょう。分かりにくい言葉は「用語解説」のページをご覧ください。

《原因探しをしない》

「なぜ、この人は病気になってしまったのだろう」「自分たちに何か問題があったのか」など、原因が何なのか家族として大変気になるかと思います。実際は様々なことが関与して特定できないことがよくあります。「今できること」を中心に考えるようにしてみましょう。家族の生活の中で、本人がストレスを感じることがあれば、今は取り除いておくということも大切です。

《励まさない》

このキーワードはご存知の方も多いかもしれません。すでに頑張りすぎて、こころの病になってしまった場合には、励まされることで「もうこれ以上頑張れない」とか「こんなにまわりの人が自分のために気をつかってくれるのに、何もできない自分は情けない」と症状を悪化させてしまうためです。ただ、励ますことが効果的な時期もありますので、その対応の時期については主治医の先生によく相談してください。

《無理に特別なことはしないでおく》

ご本人の元気がないと、「気分転換をさせよう、旅行でも連れ出そう、パーッと飲み明かそう」など家族で考えることもあるかもしれません。しかし、こころのエネルギーが消耗している状態ですと、普段楽しめることは楽しめず、むしろ疲労感を増し、悪化してしまうこともあります。また、こうした気遣いに応えられない自分に嫌悪感を募らせ、自殺のリスクも高まる場合もあります。ご本人が、楽しみたくなる気持ちが湧いてくるのを待ちましょう。

《大きな決断は先延ばしに》

「職場でみんなに迷惑をかけている」など自責的な思いから、退職や離婚などについて口にする場合があります。こころの病では、心理的な視野狭窄ということが起きていて、悲観的な発想しか頭に浮かばなく、その道しか残されてないようにとらえてしまうことがあります。自責な気持ちを汲みつつも、「今はまず健康に留意することを最優先しましょう。その問題は、もう少し良くなったら一緒に考えましょう」と説明してみましょう。

《受診に付き添いはお勧めです》

毎回の受診に付き添う必要はありませんが、一緒に主治医のお話を聞くことで、ご本人のどんな点に気をつけてサポートするといいのか分かることがあります。また主治医に面会しておくことで、ご本人が調子を崩してどうしても通院できないときに、代理で受診して相談することもできます。主治医にとっても家庭での様子をご家族からの客観的な情報が治療の役に立つこともあります。注意していただきたいのは、あくまで「付き添い」ということです。ご本人と主治医の貴重な接点の場ですので、ご家族がしゃべりすぎないようにしましょう。

自殺のサインは?

《基本は、いつもと違う言動に気がつくこと》

自殺から救うために、ご家族など身近にいる人が、自殺のサインに気がついてあげることが大変重要です。自殺を考えている人は、意識的・無意識的にサインを発しています。サインを発している人が必ずしも自殺のリスクが高いわけではありませんが、下記の自殺予防の十箇条を参考にしてください。特に、「自分は不甲斐ない、駄目な奴だ、責任を果たせずつらい、みんなに迷惑をかけている」などの自責感が強いときはリスクが高まっていると考えてよろしいと思います。主治医がいる場合には、ご家族が連絡して対応について相談をしてもよろしいでしょう。まだ受診していない場合は《病院を勧めてみましょう→》の項を参考にしてください。

自殺予防の十箇条

次のようなサインを数多く認める場合は、自殺の危険が迫っています。早い段階で専門家に受診させてください

  1. うつ病の症状に気をつける
  2. 原因不明の身体の不調が長引く
  3. 酒量が増す
  4. 安全や健康が保てない
  5. 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
  6. 職場や家庭でサポートが得られない
  7. 本人にとって価値あるものを失う
  8. 重症の身体の病気にかかる
  9. 自殺を口にする
  10. 自殺未遂に及ぶ

出典:職場における自殺の予防と対応(中央労働災害防止協会 健康確保推進部 メンタルヘルス推進センター 2008.09)

※参考 本サイトの用語解説では、「うつ病とは、精神活動が低下し、抑うつ気分、興味や関心の欠如、不安・焦燥、精神運動の制止あるいは激越、食欲低下、不眠などが生じ、生活上の著しい苦痛や機能障害を引き起こす精神疾患です。」と説明しています。また、うつ病は、数週間〜数か月かかることがありますが、治療と休息によりなおるものです。

過労死を予防するには?

長時間労働など過重な業務による脳・心臓疾患(脳出血などの脳血管疾患及び心筋梗塞などの虚血性心疾患等)を予防するため、ご家庭では、健康状態に見合った食生活、継続的な運動、禁煙などの生活習慣の改善に心掛けましょう。

健康状態としては、肥満、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高血糖症などに特に注意が必要で、これらは、脳・心臓疾患の発病の危険を増大させます。

働く人が職場の産業医や保健師、あるいはかかりつけ医(主治医)などから健康の維持・改善のための保健指導などを受けているときは、ご家庭でもその情報を共有し、指導された事項の実践に協力することが必要です。

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