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第2回 メンタルヘルス対策支援センター(新潟県)

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メンタルヘルス対策支援センター
(新潟県)

促進員 本間 哲也

こころの支援に関わっている現場担当者からの生の声をお伝えいたします。

職場のメンタルヘルス対策における管理監督者の重要性

メンタルヘルス対策支援センター(新潟県) 促進員 本間 哲也

 近年、日本の多くの事業場ではメンタルヘルス不調をきたす労働者が増加している。対策に決め手を欠くなか、新潟労働局は平成20年度から24年度までの5ヵ年計画で「メンタルヘルスケア普及促進計画」を実施し、導入の数値目標と6項目の重点事業を示している。

 現場で最も身近に接する部門の一つに独立行政法人労働者健康福祉機構の各地の産業保健推進センターに設置されているメンタルヘルス対策支援センターがある。

 そこでは啓発事業とともにメンタルヘルス対策の具体策として、一次予防から三次予防に至る健康管理体制の提案をはじめ個別相談への対応そしてPDCAサイクルを回す取組みに至るまで総合的な支援を実施している。ニーズや対応は一律ではなく、地道であり何回かの訪問が期待され、時間を要することもあるが着実に成果に繋がっている。このことはブロック会議等で各地の促進員の方々の発言の内容の濃さ、真剣さ熱心さに如実に表れている。すなわち現場では常に誠心誠意、事業場の幹部をはじめ衛生管理者や人事労務担当者とともに、真摯に対峙している。

 促進員は支援ツールの一つのである「管理監督者研修」とその後のフォローアップ研修を手がけており、研修実施後に多くの感想が寄せられる。
・メンタルヘルスは個人の問題、組織で対応する場合、個人情報保護の取り扱いが難しい
・メンタルヘルス対策はすなわちうつ病対策ではないか。
・ラインケアが対策の要、管理監督者が職場のキーマンと言われるにつけ新たな負担を強いられるのではないか。
・今日、管理監督者は厳しい立場にある。管理監督者にこそメンタルヘルスケアが必要ではないか。など
これらの疑問、感想の先には、「具体的に心の健康づくり計画をどう策定すべきか、どう運用していけばよいかがわからない」に行き着く。

 もとより研修会ではメンタルヘルス対策は管理監督者に新たな負担を強いるものではなく、通常の管理監督業務をメンタルヘルス対策の観点から点検してもらうことであること、すべてを管理監督者が担うものではなく社内、社外の資源をネットワーク化して役割分担と連携を明確にすることなどを説明している。そしてメンタルヘルス対策が目指すのは職場活性化対策であり、組織活性化対策であることを強調している。

 従って、心の健康づくり計画の導入にあたって重要な点は、組織の歴史、文化、伝統に最もフィットした形で策定することが求められる。一方で導入をキッカケとしてこれまでの習慣を改善するというスタンスも有効といえる。大切な事は、実効ある運用が実現できるというスタンスが最も重要となる。いくつかの基本形を参考とする場合には、改めてこの点について再点検、再構築を欠かすことはできない。

 個別支援、研修会等支援や助言の機会で気になる点は品質管理の分野で利用されるいわゆる”管理限界”がある。すなわち提供する情報の質、量の適切さ、内容の適否そして研修会における研修能力の格差など、平準化というよりも一定の範囲にあることが促進員の自信と事業場に対する誠意につながって結果として成果に結びつくものと考えられる。この点に関してはブロック会議においても同様の声が大きく、促進員全体の悩みではないだろうか。

 当面、事業場が助言や支援を必要とする点は、職場復帰支援プログラムを含む心の健康づくり計画策定にあると見られる。これまで接触があった事業場に対し、必要な提案や助言を行っていくことが、安全衛生計画における確実な取り組みに加えて職場環境調査や情報提供事業、研修事業等を継続していくことを強く促し、実効を期するためにも重要な活動といえる。

 こうした活動の中で、それぞれの立場において、打つべき手はまだまだあるはずである。

(平成25年1月時点)

※平成26年4月に「メンタルヘルス対策支援センター」事業は、「産業保健総合支援センター」に一元化されました。