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[事例6-1] 中途採用者のメンタルヘルス不調に配偶者の支援を得て職場復帰ができた事例

1 本人の概要

対象者: 年齢41歳、男性、電気機械器具製造業、研究開発職
診断名: 適応障害
既往歴: 特記なし
家族: 妻(専業主婦)・長女(高校1年生)・長男(中学2年生)・次女(小学5年生)
症状: 不眠、出社困難

2 経過

 2年前に同業他社からのキャリアー採用の方です。前の会社とのマネジメント方法の違いのため戸惑いがあり、また上司からのプレッシャーおよび業務集中(残業時間 月100時間以上)が半年以上続いていました。その頃から突発年休が増え、勤怠不良が目立ちはじめたため、上司からの依頼で産業医面談となりました。症状は焦燥感・仕事が手につかない・頭痛などで、メンタル不調が疑われたので近医を紹介し、産業医の意見と主治医の判断により休業の診断となりました。

 当該事業場では休業の診断書で当初年休処理されますが、年休が無くなって1か月以上経過すると休職となります。本人は休職による給与削減を非常に気にされていましたが、奥様に来社いただき、休養と投薬が必要であることは産業医から説明し、給与の85%は2年間保障されることを人事から説明していただきました。奥様も生活面での安心を得て、ご本人の体調優先の考え方を、非常に好意的に受け止めていました。特に、家族の支援の有無が今後の予後に大きな影響を及ぼすことも説明し、できるだけ仕事のことなどは話題にせず、安心して休養できる家庭環境にしてもらったことが、円滑な職場復帰に繋がったと考えられます。

 休職中は職制との連絡の取り方(例えばメールなど)と連絡頻度を予め決めておくことが重要です。頻繁すぎると仕事のことが頭から離れませんし、逆に少なすぎると、会社から見捨てられたのではないかと勘違いされることがあります。原則2週間~1か月に1回程度の連絡を上司(または産業医)に取ってもらっておりました。ご本人も安心して休養され、症状軽快のため、3か月後に復職可の診断書の提出がありました。そこで、職場復帰時に主治医の意見を加味して、今回のストレス源であった直属の上司の支配下から(波風のたたないように)変更していただき、本人・奥さん・人事・上司・産業医とで再度健康会議を開き、新しい上司の元、出社時間・業務量・業務内容を調整し収束案を決めて復帰していただきました。

 現在、通院治療と一定の配慮は継続していますが、2年経過して順調に推移している事例です。このように、職場復帰には人事・職制・主治医・産業医との連携が必要なのはもちろんのこと、家族(特に配偶者)の理解と支援が極めて重要であると考えられます。ここで、家族の支援として必要なポイントを列記します。


  1. (1) 休職当初は自宅でゴロゴロさせてあげてください。子供の教育に悪いとの文句は禁じ手です。
  2. (2) 給与が下がることや、生活面での愚痴などもご法度です。安心して休養できる雰囲気作りが重要です。
  3. (3) 家庭に心の余裕が無いと受け入れられません。度量と覚悟が肝要です。
  4. (4) そのためには、本人も日頃から家族を大切にすることです。突然頼っても無理です。
  5. (5) 心身の状態が良くなってくれば、生活リズムを整える練習に家族の協力も必要です。
  6. (6) 特に睡眠・覚醒のリズム作りへの助言や昼間の活動(外出)には付き合ってあげることを考慮してください。