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4 相談機関やスクールカウンセラーの活用

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 スクールカウンセラーは、心理学の専門家です。しかしながら、その臨床経験はさまざまで、学校現場での問題の実際的な解決策は教師の手にゆだねられることも少なくないのが実情です。しかし心理の理論が、現場の教師の心の支えになることも多く、積極的にともに考え学ぶ姿勢を共有することが、スクールカウンセラーを有効に活用する第一歩となります。

 次に、スクールカウンセラーはその所属校での役割分担にもかなりバリエーションがあります。大変な問題を抱えている児童生徒がいても、スクールカウンセラーに相談し、たとえば児童生徒・保護者との面談を任せたり、教師の面談の問題点を忌憚なく話しあったりして、問題の火を拡大させないで済むこともあります。また、教師同士の連携が取りにくい学校で、スクールカウンセラーにその連携の音頭をとってもらったという学校もあります。

 これは、直接児童生徒に対するのではなく、教師全体のあり方へのアドバイスですので、教師のほうも、スクールカウンセラーという個人を部外者扱いせず、丸投げではなく協力体制を整えて臨めば、怒りや攻撃性の強い保護者への対応などにおいては、特に教師の援助者(もしくはサポーター)になることでしょう。また、スクールウカウンセラーは、発達障害など、保護者が受け入れにくく理解しがたい自分の子供の学校での行動を、教師とともに保護者に説明し、さらに医療機関受診の具体的提案もできますので、保護者にとって有用な存在となるでしょう。

 児童生徒に関わる問題の相談は、地域の精神保健福祉センター、地域の教育センターなどがまず窓口としてあげられます。病状がはっきりしてきて、保護者に抵抗がない場合は、神経科、小児科、精神科などの受診が初めから可能になる場合もあります。ただし、医療機関によって違う「得意とする分野」を調べたり、あるいは「通いやすさ」を調べたりといったことは、スクールカウンセラーを通すか、または直接センターに問い合わせることが便利でしょう。

 また、出勤が辛くなったり、児童生徒とのコミュニケーションが億劫になったり、書類処理がいつもの自分のペースとは違って極端に遅くなった、などの症状が出たときは、早めに職域に理解のある精神科・心療内科などを受診されることをお勧めします。

 公立学校共済組合は、公立学校の多くの教職員が加入出資している組合ですので、公立学校共済組合のホームページや直営病院は、教師の仕事の実情に合わせた職域のメンタルヘルス・精神科領域の相談・受診の糸口が見つけられるでしょう。