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2 職場復帰をあせらない

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 心の病の回復には、一般的に時間がかかります。必要な休養期間が半年から一年以上に及ぶことも稀ではありません。休業期間が長くなると、どうしても焦りが生じがちになります。家族の方も同様かもしれません。職場での居場所がなくなるのではないかとか、周囲にこれ以上迷惑をかけられないとか、あるいは職場の新しい動きについていけないのではないかといった心配や不安が高まることも考えられます。また、焦る気持ちは、心の病の症状の現れであることもあります。

 しかし、焦って職場復帰を試みても、復帰過程でよくなりかけていた症状が再び悪化し、出勤が困難となったり、出勤できても仕事が手につかない状態になってしまったりしては、何にもなりません。休業を継続していた場合よりも、よくない印象を周囲に与えてしまうことにもなりかねません。

 症状がよくなったと感じても、実際にはまだ不安定な場合があることにも注意が必要です。うつ病の回復過程を「三寒四温」に喩える専門家もいます。「三寒四温」とは、冬から春に向かう気候の変化を示す表現です。その時期は、肌寒い日もあれば、暖かい日もあり、また少し寒い日があってといった具合に、変動を繰り返しながら、徐々に温かさが増していきます。うつ病からの回復もそうした過程を経ることが多いのです。

 ですから、少し調子がよいからといって、急いで何かことを起こすのではなく、本当に状態が安定するのを見極める心積もりがほしいところです。職場復帰についても、調子が上向いてきたからといって、速やかに復帰したはいいが、その後落ち込みの波が現れ、無理をせざるを得なくなって、結果的に再休業に至ってしまうといったことのないようにしたいものです。

 そのためには、治療の過程で主治医とよく相談し、自分の状態をみずから進んで主治医に伝えるとともに、主治医からの助言に耳を傾けることが肝要です。

 職場の上司や同僚に心の健康に関する知識が不足していると、「いつまでも休んでいるとかえってよくない」とか「無理をしてでも職場に出て来ることができるようなら、後は仕事をしながら治したらどうだ」といった職場復帰の誘いがあるかもしれません。自分の身を案じてくれることに感謝しながらも、やはり主治医とよく話し合って、ことを進めていくのがよいでしょう。