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第1回 休職中の社員が職場復帰を申し出てきたら

  • 事業者の方
  • 支援する方

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3

多くの企業で抱えていると思われるメンタルヘルス関連の事案に対し、社会保険労務士の2人がリレー方式で答えていきます。

※これらの内容は、あくまでも1つの事例である旨、ご了承ください。

【Q】質問

休職中の社員が職場復帰を申し出てきました。就業規則ではその社員の休職期間は1ヶ月後に満了する予定です。主治医からの復職可能の診断書はまだ出ていませんが、主治医の復職可能の診断書が出た場合、会社としてどのように対応したらよいでしょうか?

ポイント

  • 休職中も定期的に本人と連絡をとる。
  • 社内担当者が本人と一緒に同行受診する。
  • 就業規則に復職の規定と職場復帰支援プログラムを作成する。
  • 「休職中から復職までの流れ」の文書を作成する。

【A】回答

社員がメンタルヘルス不調になり、主治医の診断をもとに休職としたものの、いざ社員から職場復帰の申し出がなされたとき、会社としてどのようにしていいかわからないという相談をよくいただきます。 そのような場合の問題点としては、

  1. 休職中の社員と全く連絡を取っていないので様子がわからない。
  2. 従業員が50人未満なので産業医がいない。
  3. 就業規則で休職の規定は定められているが、復職の手順に関する規定は具体的に定められていない。

などが挙げられます。

休職中の社員と連絡を取らない理由としては、「社員に迷惑ではないか」、「会社の安全配慮義務の範囲なのか」等、休職中の社員に対して会社としてどこまで関わってよいのか分からないことがほとんどのようです。しかしながら、復職支援は休職開始から始まっていると言われています。窓口担当者を決めて本人の負担にならない範囲で定期的に連絡を取って様子を伺うことは、職場復帰の判断の参考にもなります。また、産業医が選任されていない場合は、本人の同意を得て、人事労務担当者等が主治医へ本人と一緒に同行受診することも重要です。普段から主治医と連携を取ること、そして、本人と定期的な連絡を取ることは、スムーズな職場復帰にもつながり、会社の安全配慮義務の範囲とも考えられます。

また、職場復帰支援プログラムをきちんと作成し、さらに就業規則において復職の規定を作成することも大切です。休職の発令をするためだけの規定ではなく、休職中のケアから職場復帰後のフォローまでを就業規則できちんと定めます。特に試し勤務制度を導入している場合は、制度の内容(処遇等)を就業規則に定める必要があります。 社員の中には焦りから、会社に復職を迫ってくる人もいますが、きちんと事前に規定することで、そのような場合にでも対処することが可能になります。
休職中の社員の方が焦らずに安心して休養するためにも「休職中から復職までの流れ」の文書を作成してお渡しすることも有効です。休職中の過ごし方や連絡先、連絡の頻度、傷病手当金などの制度や手続き、復職の目安や復職を希望してから復職、復職後のフォローまで流れ等を文書にして休職者にお渡しします。

根岸純子(ねぎし じゅんこ)

根岸純子(ねぎし じゅんこ)
根岸人事労務事務所
特定社会保険労務士、シニア産業カウンセラー、キャリア・コンサルタント
大学卒業後、都内金融機関に勤務。平成10年社会保険労務士試験合格。その後、社会保険労務士事務所勤務を経て、平成11年に独立開業する。開業後、産業カウンセリングに出会い、勉強を始め、現在は労使のトラブル防止にカウンセリングやコミュニケーションスキルを活かした相談を心掛けている。

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