事業者・上司・同僚の方へ

支援する方へ

コンテンツ一覧

一般労働条件

ア行

育児時間

生後1年未満の生児を育てる女性は、休憩時間(労働基準法第34条)とは別に1日2回各々少なくとも30分、授乳や世話などのために育児時間を請求できます。使用者は、この時間就業させることはできません。なお、請求できる時間帯、託児所等の往復時間、育児時間中の賃金、変形労働時間制のもとで就業している場合の取り扱い等は、通達で示されています。

1年単位の変形労働時間制

1箇月を超え1年以内での期間を設定し、1週間あたりの労働時間が40時間を超えない定めをした場合には、1週40時間・1日8時間の法定労働時間にかかわらず、特定の週に40時間を、また特定の日に8時間を超えて労働させることができる制度です。実施にあたっては、対象となる労働者の範囲や対象期間等を労使協定で定め、労働基準監督署に届出が必要です。

1箇月単位の変形労働時間制

1箇月以内の期間を設定し、1週間当たりの労働時間が週の法定労働時間を超えない定めをした場合で、特定の週または特定の日にそれぞれの法定労働時間(週:40時間、日:8時間)を超えて労働させることができる制度です。実施に当たっては、労使協定又は就業規則等で定め、労働基準監督署に届出が必要です。月末が繁忙になる場合などに有効な方法です。

1週間単位の非定型的変形労働時間制

1日の法定労働時間(8時間)にかかわらず、特定の1週間当たりで1日について10時間まで労働させることができる制度です。日ごとの業務に著しい繁閑の差が生じることが多く、かつ、これを予測して各日の労働時間を特定することが困難な零細規模の一部のサービス業について認められます。実施にあたっては労使協定を結び、労働基準監督署に届出が必要です。

カ行

解雇の予告

労働者の突然の解雇による生活の困窮を緩和するため、使用者は、労働者を解雇する場合、少なくとも30日前に予告するか又は予告手当を支払わなければなりません。ただし、天災事変等のため、事業の継続が不可能となった場合や労働者の重大な又は悪質な義務違反などがあった場合は、使用者の解雇予告義務は免除されていますが、その事由について労働基準監督署長の認定を受けなければなりません。

監視・断続労働者の適用除外

監視又は断続的労働に従事する者については、労働基準監督署の許可を得た場合、労働基準法に定める労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されません(労働基準法第41条第3号)。これらの業務に従事する者は、いわゆる手待時間の多い業務であることから、労働基準監督署長の許可を条件に適用除外を認めています。                                   監視に従事する者とは、原則として、一定部署にあって監視するのを本来の業務とし、常態として身体又は精神的緊張の少ないものをいいます。また、断続的労働に従事する者とは、例えば寄宿舎の賄人のように休憩時間は少ないが手待時間が多いものをいいます。さらに、断続的な宿直・日直の勤務についても、それが非常事態に備えての待機等を目的とし、ほとんど労働をする必要の無い勤務であること、通常の労働の継続でないこと等に限って許可することとされています。

管理監督者等の適用除外

事業の種類に関わらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取扱う者については労働基準法に定める労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されません(労働基準法第41条第2号)。監督又は管理の地位にある者とは、労働条件の決定や労務管理について経営者と一体的な立場にある者のことであって、一般的には、部長、工場長等がこれに当る場合がありますが、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものであり、労働時間、休憩、休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様もこれらの規制になじまないような立場にある者に限って認められるものです。ただし、適用除外となるのは労働時間、休憩及び休日に関する規定であって、年次有給休暇の付与、深夜労働の割増賃金の支払い等は排除されるものではありません。

企画業務型裁量労働制

事業の運営に関する事項についての企画・立案・分析等の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するためにはその遂行の手段や時間的配分を大幅に労働者の裁断にゆだねることとし、その業務に従事する労働者の労働時間の算定は、事業場内に設けられた労使委員会で決議された時間労働したものとみなす制度です。実施に当たっては、労使委員会において対象業務やみなし労働時間数などを決議し、労働基準監督署に届出が必要です。なお、対象労働者の同意を得ることも必要です。     

休業手当

使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合、休業期間中平均賃金の6割以上の手当を支払うことが義務付けられており、これを休業手当と言います(労働基準法第26条)。使用者の責めに帰すべき事由とは、天変地異といった不可抗力を除き、経営難、工場・店舗の移転・増改築、機械設備の故障等であり、これによる休業の場合は、休業手当支払い義務があるとされています。新規学卒採用内定者の自宅待機についても就労始期が繰り下げられた期間について休業手当の支払い義務があるとされています。また、休業手当は賃金と解されており、所定賃金支払日に支払うこと、1日に満たない休業についてもその日について平均賃金の6割が保障されるべきこととされています。

休憩

労働基準法では、休憩は、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上を労働時間の途中に、一斉に与えることとされています。ただし、一斉付与についてはサービス業などの例外があります。また、労働者はその休憩時間を自由に利用することができます。

休日

休日は、労働義務を負わない日のことで、午前零時から午後12時までの暦日をいいます。労働基準法上、休日は毎週少なくとも1回与えることとされており、週休制が基本となっていますが、4週間に4日の休日という変形性も認められます。週休2日制の場合、どちらの休日が法律上のものであるかを特定する必要があります。

強制貯金の禁止

雇入れの条件として、又は雇入れ後の雇用継続の条件として、労働者に社内預金をさせたり、使用者の指定する金融機関(銀行、郵便局、保険会社等)などに預金させることは禁止されています。労働者から委託を受けて使用者が貯蓄金を管理することは出来ますが、その場合、労使で貯蓄金管理協定を締結し労基署に届け出るほか、貯蓄金管理規定の作成・周知、一定利率以上の利率による利子の付与、返還請求に速やかに応じる等の義務があります。

強制労働の禁止

暴行や脅迫、監禁をして、その他一般的に許されない程度に心身の自由を制限して無理やり働かせることは禁止されています。労働基準法第5条に規定されており、違反者には懲役又は罰金が科せられます。かつての「たこ部屋」、「監獄部屋」などに閉じ込めて働かせるような場合が典型的な例ですが、多くの場合、暴行罪や脅迫罪、監禁罪などの刑法犯罪にも当たります。

業務上傷病者等の解雇制限

労働基準法は、労働者が解雇後の就業活動に困難を来すような場合に、一定の期間について、解雇を一時的に制限しています。解雇ができない期間は、(1)労働者が業務災害で療養のため休業する期間とその後30日間、(2)産前産後の女性が休業する期間とその後30日間です。ただし、(1)については、使用者が打切補償を支払った場合、また、(1)及び(2)について、天災事変等のため事業の継続が不可能となった場合は、解雇することができます。ただし、天災事変の場合においては、使用者は、その事由について、労働基準監督署長の認定を受けなければなりません。

サ行

最低賃金

最低賃金法に基づく最低賃金は、都道府県別に適用される地域別最低賃金と特定の産業について適用される特定(産業別)最低賃金とがあります。地域別最低賃金は、産業や職種に関わりなく都道府県内で働くすべての労働者とその使用者(派遣労働者への適用は派遣先の使用者)に適用されるものとして、各都道府県に一つずつ全部で47の最低賃金が定められています。特定最低賃金は、地域別最低賃金よりも水準の高い最低賃金を定めることが必要と認められるものについて設定(特定地域内の特定産業の基幹的労働者とその使用者に適用)されており、全国で251の最低賃金が定められています。地域別最低賃金は、雇用形態の別なく、すべての労働者に適用されますが、雇用機会を狭める可能性のある労働者(例、試の使用期間中の者等)について減額の特例(許可が必要)が認められています。最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金に限られ、臨時給、賞与、割増賃金、精皆勤・通勤・家族手当は除外されます。

最低賃金法

賃金の低廉な労働者について賃金の最低額を保障することにより、労働者生活の安定に資するよう、最低賃金の額、最低賃金の効力、最低賃金の種類、決定手続き、違反した場合の罰則等について規定する法律です(昭和34年4月15日法律第137号)最低賃金額は時間によって定めること、効力については、最低賃金額に達しない賃金を定めるものは無効(最低賃金額の定めをしたものとみなされる。)であること、最低賃金の種類について全国各地域において適用される地域別最低賃金、一定の事業若しくは職業に適用される特定最低賃金について規定していること、最低賃金審議会(中央及び地方)の役割を定めていること、最低賃金を支払わなかった場合には50万円以下の罰金となること等が規定されています。

産前産後の休業

母性保護のため、(1)6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合、(2)産後8週間を経過しない女性は、就業させてはなりません。(1)は、請求に基づくもので任意休業です。(2)は、強制休業ですが、産後6週間を経過した女性が就業を請求し、医師が差し支えないと認めた業務については就業が可能です。また、妊娠中の女性が請求した場合は、他の軽易な業務に転換させなければなりません。

使用者

法律によって、少しずつ定義が異なりますが、一般的には労働者から労務の提供を受け、これに対して賃金を支払う者を言います。会社や個人事業主がこれに当たりますが、労働条件の最低限を定めた労働基準法や労働安全衛生法の義務を負う使用者には部長や支店長、支配人、工場長、場合によっては課長等の事業主のために行為をするすべての者が含まれます。派遣中の労働者の場合には、原則として、労働契約や賃金などについては派遣元が使用者としての責任を負いますが労働時間等の規制については派遣先が負うことになります。

時間外・休日・深夜労働の割増賃金

労働基準法では、時間外労働・休日労働・深夜労働を行わせた場合には、通常の賃金に、時間外労働であれば25%以上、休日労働であれば35%以上、深夜労働(午後10時から翌朝午前5時まで)であれば25%以上の率で算定した割増賃金を支払うこととされています。なお、深夜労働と時間外労働が重なった場合は両方足した率、つまり50%以上の率となります。
(算定例:時間外労働の場合で、割増分を含む賃金額)
通常賃金×残業時間数×1.25 〔深夜労働と重なった場合は1.5となります。〕

時間外・休日労働

労働基準法上、時間外労働及び休日労働は特別の意味を持ち、割増賃金の支払いの対象などにされています。時間外労働となるものは、1日(8時間)又は1週(40時間)の法定労働時間を超える労働のことをいい、事業場独自に定めた所定労働時間を超えた労働でも法定内であれば法律上の時間外労働とはなりません。また、同法により法定休日は1週1日または4週4日と定められていますが、週休2日制のように1週間に2日の休日がある場合は、どちらが法定の休日であるか予め定めておく必要があります。

事業場外労働のみなし労働時間制

外勤営業社員のように労働者が、労働時間の全部または一部を事業場外で従事した場合は、労働時間の算定が難しくなるので、所定労働時間だけ労働したものとみなす制度です。ただし、その業務を遂行するためには、通常、所定労働時間を超えることとなる場合には、労使協定で定める時間労働したものとみなすものです。実施に当たっては、労使協定でみなし労働時間数を定め、その時間が法定労働時間(8時間)をこえる場合は36協定の締結・届出が必要です。

自動車運転者労働時間等改善基準

トラック、バス、タクシー等の自動車運転者については、長時間労働の実態が見られることから、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を定め、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図ることとしています。具体的には、例えばトラック運転者については、拘束時間(労働時間、休憩期間(仮眠時間を含む。)その他使用者に拘束されている時間の合計時間)は1カ月293時間、1日原則13時間以内でなければならないことなどをはじめ、休息期間(勤務と次の勤務との間にあって、使用者の拘束を受けない時間)、運転時間、連続運転時間等についての基準が定められています。

女性労働基準規則

女性に関す危険有害業務の就業制限については、「母性保護」の観点から、労働基準法第64条の3で規定されています。この危険有害業務に対する就業制限は、(1)妊娠中の女性(妊婦)、(2)産後1年を経過しない女性(産婦)及び(3)それら以外の女性に分けて規制しています。以上の具体的な規制は、女性労働基準規則において定められています。女性労働基準規則では、(1)については、重量物を取り扱う業務など24の危険有害業が定められています。(2)については、土砂が崩壊する恐れのある場所における業務、5メートル以上で危害を受ける恐れのある場所における業務を除いた業務について(1)と同様な業務が定められています。(3)については、重量物を取り扱う業務及び鉛・水銀など有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務が就業制限業務とされています。

制裁規定の制限

労働基準法では、制裁規定の制限については減給の制裁につき定めています。減給の制裁は、本来ならその労働者が受けるべき賃金のなかから制裁として一定額を引くことをいいます。したがって、遅刻、早退又は欠勤に対して労働の提供のなかった時間に相当する分の賃金を差し引くことは、制裁としての減給には該当しません。減給の制裁規定を定める場合、一回の事案に対しては、減給の総額が平均賃金の一日分の半額を超えることはできません。したがって、一回の事案について平均賃金の一日分の半額ずつ何日にもわたって減給することはできません。また、一賃金支払期に発生した数事案に対する減給の総額が、当該賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えることはできません。

生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置

生理日において、下腹痛、腰痛、頭痛等の苦痛により就業が著しく困難であるとして、休業を請求したときは、使用者はその者を就業させることはできません。なお、就業が著しく困難であるかどうかは、医師の診断書等厳格な証明は必要でなく、また、休暇日数を限定することはできません。賃金は、就業規則等の定めによって、支給しても支給しなくても差し支えありません。

専門業務型裁量労働制

新技術の研究開発や情報処理システムの分析・設計などの特定の業務で、その性質上、業務の進め方、時間配分などを当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねることとし、その業務に従事する労働者の労働時間の算定は、労使協定で定める時間労働したものとみなす制度です。実施に当たっては、労使協定により適用する労働者の範囲、みなし労働時間数を定め、その時間が法定労働時間を超える場合には36協定の締結・届出が必要です。

タ行

代替休暇制度

時間外労働に対する割増賃金は、2割5分以上の率で計算した割増賃金の支払が必要とされていますが、平成22年4月より、1ヶ月について60時間超えの時間外労働に対しては、法定割増賃金率が2割5分引き上げられ5割以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要となりました(中小事業主の事業については、当分の間、適用されません。)。ただし、労使協定を行うことにより、60時間超えの長時間労働を行った労働者に休息の機会を与えることを目的に有給の休暇(通常の労働時間の賃金が支払われる休暇)を与え、法定割増賃金率の引き上げ分(2割5分)に相当する割増賃金の支払いに代えることができるとする代替休暇制度が導入されました(労働基準法第37条第3項)。                                 労使協定においては、(1)代替休暇として与えることができる時間数の算定方法、(2)代替休暇の単位、(3)代替休暇を与えることができる期間について協定しなければなりません(労働基準法施行規則第19条の2)。なお、この制度を実施するには労使協定を締結することが必要ですが、個々の労働者に代替休暇の取得を義務付けるものではありません。

男女同一賃金の原則

賃金について、女性であることを理由として男性と差別してはならない原則を言います。労働基準法第4条に規定されており、違反しますと罰則があります。男女で全く同じ内容の仕事を、同じ効率でこなしているのに賃金に差があるような場合が典型例です。職務や能率に差があるような場合には当てはまりません。

長時間労働者の時間外・休日労働の割り増し賃金

時間外労働を行わせた場合には、通常の賃金に25%以上の率で算出した割増賃金を支払うこととされていますが、長時間労働の弊害を除去するため、時間外労働が長時間にわたった場合は算定率が高く設定されています。すなわち、時間外労働について(1)1か月45時間以下の時間数に対しては25%以上と原則どおりですが、(2)法定の限度時間(1か月45時間、1年360時間など)を超える時間に対しては25%を超える率(努力義務)とされ、(3)1か月60時間を超える時間に対しては50%以上の率とされています。

賃金

賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者から労働者に支払われるすべてのものを言います。一般的には金銭ですが物や利益であっても構いません。支給条件が就業規則や労働契約等で明確にされているボーナスや退職金も賃金です。これに対し福利厚生施設や旅費は賃金ではありません。

賃金支払いの確保等に関する法律

企業倒産等の場合の賃金の支払確保のための法制度が十分でないことから、賃金・退職金・社内預金の保全のための特別措置が法制化されたものです。賃金支払の確保等に関する法律では、労働者の貯蓄金を事業主がその委託を受けて管理する場合の保全措置を講じなければならないこと、退職手当を支払うことを明らかにしたときは、当該退職手当の支払の確保をしなければならないことが定められています。また、企業の倒産により、賃金・退職金について事業主に支払い能力がない場合に、一定の要件のもとに事業主に代わって政府が弁済する立替払制度があります。

賃金の支払いの原則

賃金は、生活の基本をなすものであることから、通常の賃金(毎月の給与)について(1)通貨で(2)直接(3)全額を(4)月1回以上(5)一定期日に支払うことが義務付けられております(労働基準法第24条)(5つの原則)                                   (1)については、労使協定を行うことにより労働者が指定する銀行その他の金融機関の預貯金・預り金への振込み・払込みが認められており、また(3)については、労使協定等を行うことにより旅行積立金等を控除することが認められています。賞与、退職金等臨時的に支払われるものについては、性格上(4)、(5)の適用はなく、1ヶ月を超える期間にわたる事由によって算定される能率手当等にも適用されません。

ナ行

妊産婦等の就業制限

母性保護の見地から、妊産婦(妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性)は、重量物を取り扱う業務、有毒ガスを発散する場所における業務や妊娠、出産、哺育等に有害な業務への就業が禁止されています。また、妊産婦以外の女性についても妊娠、出産に係る機能に有害な業務への就業が禁止されています。なお、これらの有害な業務の範囲は、厚生労働省令で定められています。この他に妊産婦の坑内労働の禁止、妊産婦が請求した場合における時間外労働、休日労働又は深夜労働の禁止等があります。

年少者の就業制限

発育過程にある年少者(満18歳未満)については、危険有害な業務への就業が禁止されています。就業が禁止される業務は、(1)坑内労働のほか、(2)運転中の機械等の危険な部分の清掃・注油等の業務や重量物を取り扱う業務、(3)毒劇物等を取り扱う業務、(4)著しくじんあい等を飛散する場所における業務、その他具体的な業務の範囲は厚生労働省令で定められています。さらに、深夜業(午後10時から午前5時までの間)は原則禁止され、また、労働基準法の労働時間の規定(1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、1年単位の変形労働時間制及び1週間の非定形的変形労働時間制)は原則として適用されません。

年少者労働基準規則

労働基準法第62条では、危害を十分自覚し難い発育過程の年少者(満18歳に満たない者)に対して、安全衛生及び福祉の見地から危険有害と認められる業務の就業を禁止しています。これを受けて年少者労働基準規則において、重量物を取り扱う業務、危険有害な業務の範囲が規定されています。具体的には、例えば満16歳未満の男について、断続作業の場合15キログラム、継続作業の場合10キログラム以上の重量物を取り扱う業務に就かせることは禁じられています。また、ボイラーの取扱いの業務、クレーン・デリック・揚荷装置の運転の業務など45業務について危険有害な業務として就業することが禁じられています。

ハ行

賠償予定の禁止

雇用期間の途中で労働者が転職するなど、約束した労働条件どおりに労働者が働かなかった場合に備えて使用者が予め違約金を決めておいたり、約束違反によって例えば納期に遅れが出て損失が発生する場合などに備え予め実損額とは関係なく損害賠償額を約束しておくことは禁止されています。違反した使用者は罰せられますが、違約金の定めや損害賠償額を予定する契約は無効となります。

フレックスタイム制

労働者が、予め定められた始業・終業の時間帯の中で自らの出退勤の時刻を決定することができる変形労働時間制の一つで自由勤務時間制とも言われています。この制度を始めるにあたっては、実施する労働者の範囲、清算期間(1箇月以内の期間)、コアタイム(全員が勤務すべき時間)など一定の事項を定めた労使協定を締結することやその旨を就業規則に記載することが必要です。

平均賃金

労働者を解雇する場合の予告に代わる手当や年次有給休暇を取得した際に支払われる賃金、労働者が業務上負傷し、疾病にかかった場合などの労災補償等を算定する際に用いられる尺度を言います。例えば労災補償では「・・平均賃金の○日分の○○補償を・・」などとされています。平均賃金の算定は原則として、「(平均賃金)=(算定すべき事由の発生した日以前3ヶ月間に支払われた賃金総額)÷(その期間の総日数)」ですが、3ヶ月間も働いていない場合や休業期間がある場合など原則どおりにいかないケースも多いので、算定方法については法令等でさらに詳細に定められています。

変形労働時間制

1週40時間、1日8時間と定められている法定労働時間の規制を、1箇月以内や1年以内の期間あるいは1週間といった一定期間に限って各日、各週の労働時間が異なっていても、その期間を平均し1週間当たりの労働時間が40時間を超えない限り、特定の日、特定の週において法定労働時間を超えて労働させることが出来る制度です。時季的な繁閑の差が大きい事業などで所定労働時間が不規則にならざるを得ない場合に労働時間管理として有効な方法です。

マ行

前借金相殺の禁止

労働者の足留策や強制労働の原因ともなることから、労働することを条件にした前借金と賃金との相殺は一切禁止されています。使用者は税や保険料など控除が認められている分を除き、賃金支払日に賃金全額を支払い、前借金については別個の返済契約に従って回収することになります。万一、賃金から一方的に天引きされていればその分の賃金未払いとなります。

みなし労働時間制

事業場外で労働するため使用者の指揮監督が及ばず労働時間の算定が困難な業務や、業務の具体的な遂行について労働者の裁量に委ねる必要があるため、使用者の指揮監督になじまず労働時間の算定が適切でない業務については、みなし労働時間制が採られます。この制度は、現に働いた労働時間に替えて予め労使協定で決めた時間労働したもの等とみなすものです。例えば、外勤営業社員などのように労働時間の正確な算定が難しい場合や新技術の研究開発の業務、事業の運営に関する事項の企画・立案の業務など大幅に労働者の裁量にゆだねる業務の場合が該当します。このみなし労働時間制は、労働基準法では、事業場外労働、専門業務型裁量労働、企画業務型裁量労働の3種類で認められています。なお、これらの制度が採用された場合でも、法律上の休憩、休日、時間外・休日労働、深夜業の規制は適用され、また、みなし労働時間数が法定労働時間を超える場合には、36協定の締結・届出、割増賃金の支払いが必要となります。

ラ行

労働基準法

労働条件の最低基準を定める法律。労働契約、賃金、労働時間、休憩、休日、年次有給休暇、年少者、女性、災害補償、就業規則などについて規定されています。この基準に達しない労働契約はその部分が無効となり、無効となった部分は労働基準法に定められた内容となります。なお違反者は処罰されます。 

労働契約法

労働契約法は、就業形態の多様化、個別労働関係紛争の増加等に対応するため、個別の労働関係の安定のために、労働契約に関する民事的なルール等を一つの体系としてまとめたものです。労働基準法とは異なって使用者が労働契約法に違反したからといって、行政官庁より監督指導を受けたり、罰則が課されるということはありません。労働契約法には、労働契約の原則をはじめ、裁判例において認められた労働者への安全配慮義務の明記や労働契約と就業規則の関係、労働条件の変更の手続き、労働契約の継続・終了、有期労働契約等の定めからなり、労働契約に関する基本的な事項を定めています。

労働者

法律によって、少しずつ定義が異なりますが、労働基準法では、職業の種類を問わず、事業(事務所)に使用され、その対価として賃金を支払われる者を言います。労働災害に対する災害補償等で労働者に当たるか否かが問題となる場合がありますが、業務指示に対する諾否の自由・指揮監督・拘束性・代替性があるかどうかなどが総合的に判断されて決められます。

労働者の申告

事業場に、労働基準法に違反する事実がある場合は、労働者は、行政官庁又は労働基準監督官(以下「監督機関」という。)に申告することができます。監督機関に対する労働者の申告権の保障は、労働基準法の遵守について、労働基準監督官の摘発のみに委ねていてはその実効性を担保することができないことから、労働者の申告によって監督機関の権限の発動を促進することとしているものです。このような申告が労働者からなされた場合には、監督機関としては、当然これを迅速に処理することとなります。また、使用者は、労働者が申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇、配置転換、降職、賃金引下げ等他の者に比べて不利益な取扱いをしてはなりません。

労働時間延長限度基準

時間外・休日労働協定(36協定)の締結・届出により認められる時間外労働については、延長時間を適正なものとするため、労働時間の延長の限度等に関する基準が定められています。延長時間の限度は、1週間15時間、1ヶ月45時間、1年間365時間等一定期間に応じて限度時間が定められ、36協定の締結に当っては、これらの限度時間を超えないようにしなければなりません。ただし、「特別な事情(臨時的なもの)が生じたときに限り、労使間で定めた手続きを経て、限度時間を超えて一定の時間まで延長することができること」とされています。また、工作物の建設等の事業、自動車の運転の業務、新技術・新商品等の研究開発の業務等の業務については、適用除外とされています。

労働時間等設定改善指針

労働時間等設定改善指針は、事業主等が労働時間等の設定を改善するという努力義務に適切に対処できるように具体的な取組を進める上で参考となる事項を掲げています。仕事と生活の調和の実現に向けて計画的に取組むことが必要であるとの基本的な考え方のもとに、仕事と生活の調和の実現のために重要な取組として、(1)労使間の話し合いの機会の整備(2)年次有給休暇を取得しやすい環境の整備(3)所定外労働の削減(4)労働者各人の健康と生活への配慮が必要としています。

労働時間等の設定の改善に関する特別措置法

年間総実労働時間は平成16年度には1834時間となり、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法(以下「時短促進法」という。)が掲げた1800時間という所期の目標をおおむね達成できたことを踏まえ、時短促進法を改正し、今後は労働時間の短縮を含め、労働時間等に関する事項を労働者の健康と生活に配慮するとともに多用な働き方に対応したものへと改善するための自主的取組を促進することを目的とした「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」としたものです。同法は、事業主の労働時間等の設定の改善に向けての自主的取組を促進するため事業主の責務を定め、国は事業主及びその団体が適切に対処するために留意すべき事項等を内容とする労働時間等設定改善指針を厚生労働大臣が定めることとしています。また、労働時間等の設定の改善を進めるため、業界一体の自主的な取組を促進するための仕組みとして、労働時間等の設定の改善をするための実施計画を作成し、それを的確に実施できるよう承認制度を設けています。

労働時間の原則

労働基準法により労働時間は、原則として、1週間40時間、1日8時間と定められています。これを法定労働時間といいます。使用者はその時間を超えて働かせることもできますが、その場合には、時間外・休日労働協定を締結し・届出することが必要となり、また、法定率以上の率で算定した割増賃金を支払わなければなりません。実際には、法定労働時間の枠を前提として、労働する各日の労働時間(所定労働時間)、休憩時間、始業時刻、終業時刻等が働く職種や場所によりそれぞれ事業場で決められます。

労働条件の決定

労働条件の決定は使用者と労働者との契約によりますから、両者が対等の立場で決定すべきものです。実際には労働者一人一人と使用者が個別に細かく決定することは少なく使用者から就業規則を示され同意する場合が一般的です。この場合には就業規則に記載されていない事項で後日問題となりやすい事項について別に取り決めをしておくことが適切です。なお、労働条件の取り決めの効力の優劣関係は「労働協約>就業規則>労働契約」となり、 後者は前者に反してはなりません。

労働条件の原則

労働基準法第1条で定める原則です。労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営める内容であることが必要です。労働基準法の規定があることを理由に労働条件を低下させてはならず、むしろそれを上回る様に努力する義務が当事者にはあります。

労働条件の明示

労働契約を締結する際に、使用者は労働者に労働条件を明示するよう義務付けられています。明示すべき主な事項は(1)雇用期間(2)就業場所・従事業務(3)始業・終業・休憩・休日等の労働時間(4)賃金の計算・支払期日・締切日等の賃金事項(5)退職事項(6)残業の有無などで、通常、労使間で問題となりやすい事項です。特に(1)~(5)については書面(雇入通知書)に書いて渡す必要がありますが、当該事項が書かれた就業規則を一緒に渡すことで記載事項を少なくすることも出来ます。