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[事例1-18] パニック障害にて休職に至った女性管理職の事例

概要

症例: 女性 30歳代
職業: 事務職
症状・問題行動:  元来、几帳面な性格でルールを厳守し、柔軟性に欠ける傾向にありました。自分では、「仕事人間である」と考えており、仕事に高いプライドを持っているために、すべて自分でしないと気がすまない性格でした。こうしたことから、しばしば、仕事上で同僚と衝突し、ストレスの原因となっていました。ある日、自宅で突然の動悸や呼吸困難感に襲われるといった症状がでたため、近医を受診し「パニック障害」との診断を受けて内服治療を受けるようになりました。治療により一度は症状が落ち着いたものの、その後管理職に昇進したことで人間関係がより複雑化し、ストレスも蓄積していきました。ある日の会議中にパニック発作が出現し、その後もしばしば繰り返すようになりました。発作への不安から出社することも次第に困難となってしまいました。

ポイント

 こうした事例では、職種変更や配置転換を含む、就業上の措置に、産業医や保健師など産業保健スタッフが積極的に関わらなければ問題は解決しません。

 復職の成功の可否は職場の支援、とりわけ上司の支援が得られるか否かに大きく影響される場合があり、上司がどのような考えをもっているかを、産業保健スタッフが直接確認する必要があります。今回の事例では、上司は「管理職として総合的にみて100%の力を発揮できていないのが問題」と考えられました。しかし、実際には人事管理能力以外の面では、他の人と同等以上の能力を発揮していました。一方で、本人にとっては「人事管理が負担になり、そのことが原因でその他の業務に集中できず、自分のもつ能力がまだ十分に発揮できていない」とのジレンマがありました。したがって、人事管理に関わる業務を軽減し、人事管理以外の業務に集中できるような職種に転換することが問題解決につながるものと考えられました。このほかに、残業時間の制限など業務量への配慮、パニック発作になりそうな時に医療スタッフとすぐにコンタクトをとれるような体制の整備、体調に合わせて出勤時刻を遅らせるなど、フレックス勤務制度等の積極的な利用、業務上重要な判断を自分1人でしなくても済むようサポート要員の配置等が必要であると判断されました。

対処の評価・考察

 本人は元職への復帰を望んではいましたが、元職に戻っても業務を十分遂行出来ないことを本人自身が十分に認識していました。こうしたことから、同じ所属部のままで複雑な調整作業や人事管理業務からははずした業務を行うことを条件に復職しました。復職にあたって、フレックスタイム制度を利用し、体調にあわせて出勤時間を遅らせ、残業禁止の制限も加えました。復職後も軽度のパニック発作を時どき起こしていましたが、大きな発作が起こりそうになった時は、保健師に相談することで何とかコントロールできていました。その後数年間、再発することなく勤務を続けることができています。