このプログラムについて
緊張でからだがこわばっている方は、何か気がかりなことに漠然と意識が向かい続けていて、そのネガティブな印象から、持続的に緊張が引き起こされてしまっています。
このプログラムでは、まず「止める呼吸」を行うことで、気がかりなことから意識を引きはがして息苦しさに意識を向け、その後に身体的な緊張をほぐし、最後は「腹式呼吸」で穏やかなこころの状態を取り戻していきます。
- 現在、治療を受けておられる方は、事前に主治医にご相談ください。
- 特に血圧異常、脳や循環器系に不調のある方はお控えください。
プログラムの流れ
STEP 1
止める呼吸
※現在、治療を受けておられる方は、事前に主治医にご相談ください。
特に血圧異常、脳や循環器系に不調のある方はお控えください。
この呼吸法は、ヨガの呼吸法の中で最も大切に考えられている呼吸法の一つです。
息を軽く吸い込んで止めるだけのシンプルなテクニックですが、やり方を間違えるととても危険なので、ポイントをしっかり把握して行っていきましょう。
まず、大切になるのが、絶対に我慢して息を止めないことです。この呼吸法の目的は、息を我慢して止めることではなくて、脳と全身の筋肉の酸素消費をできるだけ抑えて、息を長く止めるテクニックです。
ですから、全身の筋肉をできるだけリラックスさせ、余計なことを考えず、脳をできるだけリラックスさせ、息苦しさにも寛大でいることが大事です。
楽な姿勢で座り、のんびりと背骨を伸ばしましょう。
のんびりと深呼吸を行い、できるだけ上半身の力を抜いて、できるだけ脳をのんびりと休め、次に息を60%ほど吸い込んだら、ゆっくりと息を止め、鼻をつまんでも構いません。
喉、首、顔をリラックスさせ、からだの内側で起きるすべての出来事、湧き起こる感覚におおらかでいます。
少し息苦しくなってきたら、相変わらず息を止めたまま、その息苦しさにもおおらかでいて、どうしてもおおらかになることができず、息苦しくなってきたら、ゆっくりと吐いて、深呼吸を5回ほど繰り返し、味わいましょう。
その間、からだの内側で起きる感覚を優しく味わっておきます。
STEP 2
押し上げのポーズ
好きな姿勢で、背骨をのんびりと伸ばします。
胸の前でゆっくりと手を握り合わせ、手を感じます。
一息吐いて、吸う息でゆっくりと両腕を持ち上げ、吐きながら手のひらを上に返し、吸う息でさらに上半身を伸ばし、息を吐きながら上半身を右に傾けていきます。からだを倒すというよりは伸ばすイメージで、ちょっぴりつらいところまでいき、首が楽になる顔の向きを探り、のんびりと呼吸を繰り返しながら、伸ばされている部分を感じます。
もうひといき息を吐き、吸う息で中央に伸びるように戻し、吐きながら逆サイドへ傾けていきます。からだを倒すというよりは伸ばすイメージで、ちょっぴりつらいところまでいき、首が楽になる顔の向きを探り、のんびりと呼吸を繰り返しながら、伸ばされている部分を感じます。
もうひといき息を吐き、吸う息で中央に伸びるように戻し、吐きながらゆっくりと腕を下げていき、手を楽な位置に垂らし、のんびりと呼吸を繰り返しながら、からだの内側の変化を感じておきます。
STEP 3
ツルのポーズ
好きな姿勢で、背骨をのんびりと伸ばします。
お尻の後ろあたりで、手を組みにくい方でゆっくりと組みます。
上半身をリラックスさせながら、胸をゆっくりと吊り上げ、肩を背後で互いに寄せ合い、腕を斜め後ろ下方向に向け、ゆっくりと伸ばしていきます。
首の力がもっとも抜けやすい顔の向きを探り、やわらかい表情とともに、ゆったりと呼吸を繰り返しながら、痛気持ちいい部分をのんびりと感じておきます。
もうひといき息を吸い込み、ゆっくりと肩を緩め、手をほどき、のんびりと呼吸を繰り返しながら、全身の感覚を優しく感じておきましょう。
STEP 4
腹式呼吸
楽な姿勢で座りのんびりと姿勢を伸ばしましょう。
左右の手をお腹に当て、のんびりと呼吸を繰り返します。
吸う息でお腹が膨らみ、吐く息で凹んでいる人はそのまま次に進みます。逆の動きの方は、はじめに腹式呼吸の方法をご覧ください。
肩の力を抜いて、ゆったりと気持ちのいい呼吸を繰り返します。
できるだけのんびりと自分のペースで、気持ちの良い呼吸を繰り返しましょう。
その吸う息を、下腹の下の方に吸い込んでいくイメージ。
吐く息を、その辺りから押し出していくイメージを描きましょう。
吸う息でお腹の辺りが少し膨らんでいき、吐く息でお腹の辺りが軽く引き締まってきます。その辺りの感覚をのんびりと意識しましょう。
もし、どうしても吸う息の時にお腹が凹み、吐く息の時にお腹が膨らんだとしても、今はそれに逆らおうとせず、なんとなくその辺りを感じておくだけで結構です。
のんびりと好きなだけその辺りの動きを感じておきましょう。
ワンポイント・アドバイス
- 「止める呼吸」(※)では、他のことをすべて忘れるくらいの状態を作りましょう。
- 「押し上げのポーズ」、「ツルのポーズ」では、緊張している部分を意識しながら呼吸しましょう。
- 最後の「腹式呼吸」では気持ちよさを重視し、くつろいで行いましょう。
※現在、治療を受けておられる方は、事前に主治医にご相談ください。
特に血圧異常、脳や循環器系に不調のある方はお控えください。