PDF版について
このコーナーでは、一人でも多くの方に正しいセルフケアを学んでいただくことを目的として、ホームページに掲載された情報と同じ内容のデータのPDF版をご用意しています。PDF版は、セルフケアを学ぶ、広めるという目的の範囲内において、印刷や内容の部分抜粋など自由にお使いいただくことが可能です。注意事項を良くお読みの上、ご利用ください。
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目次
働く方自身がストレスに気づき、これに対処するための知識、方法を身につけ、それを実施することが重要です。ストレスに気づくためには、働く方がストレス要因に対するストレス反応や心の健康について理解するとともに、自らのストレスや心の健康状態について正しく認識できるようにする必要があります。最初のステップとしてストレスへの気づきと対処および自発的な健康相談といった基礎知識から学んでいきましょう。
※学習時間の目安は15分です。
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1.こんなことはありませんか?
ストレスを感じていると、身体面、心理面、行動面に反応が表れます。 ここ1ヶ月を振り返ってこのようなことはありませんでしたか?
- ひどく疲れた
- へとへとだ
- だるい
- 気がはりつめている
- 不安だ
- 落ち着かない
- ゆううつだ
- 何をするのも面倒だ
- 気分が晴れない
1.ストレスとは
ストレスには、「ストレス要因(ストレッサー)」、「ストレス反応」、そして「ストレス耐性」の3つが含まれます。
図に示されている「ストレス耐性」とは、ボールが元の状態に戻ろうとする力のことです。
2.ストレス要因
「ストレス要因」とは、ストレスを生じさせる外界からの刺激のことで、仕事、職業生活、家庭、地域等に存在しています。
3.ストレス反応
ストレス要因に対しては、身体面、心理面、行動面にいろいろな反応が生じます。この反応を「ストレス反応」と呼びます。
このようなストレス反応が出てもその要因が何であるかについては、なかなか気づきにくいものです。
4.職業性ストレスモデル
ストレス要因によるストレス反応が続くと健康障害につながります。
ストレス反応の出方は、図のように仕事外の要因、個人要因、緩衝要因によって影響を受けます。
職場で重要な緩衝要因は、上司・同僚からのサポートなどがあります。
5.ストレスと上手につき合おう
働く上でストレスはつきものです。
ストレスと上手につき合うことが大切です。
1.ストレス反応への対応
自分自身で心身の緊張といったストレス反応に気づき、それを解消していくことを目指しましょう。
次に具体的な方法を紹介します。
2.リラクセーション
自分にあったリラクセーション法を身につけましょう。「リラクセーション」とは、心身の緊張を緩めることです。
手軽な方法の一つとしては、呼吸法(腹式呼吸)があります。
自宅や職場の自席などでも短時間で簡単に行えます。
ヨガもリラクセーション法のひとつです。
3.ストレッチ
長時間同じ姿勢でいるとき(立位・座位)も筋肉は緊張しています。また仕事の量や人間関係などのストレスがかかる状況でも筋肉は緊張しています。筋肉をゆっくり伸ばすストレッチは、筋肉の緊張をゆるめ、血行を促し、心身のリラックスに効果的です。
4.適度な運動
運動というと、勝ち負けにこだわり技術を競うというイメージを持つ人もいると思いますが、ストレス解消のためには、あくまで「楽しむ」という気持ちが大切です。手軽にできて好きな運動を楽しい環境で行いましょう。
5.快適な睡眠
ストレス解消法のひとつに、快適な睡眠があります。「快適な睡眠」とは起きたときに気持ちがいい睡眠、日中に眠くならない睡眠のことです。快適な睡眠に必要な時間には個人差があります。
また15分程度の昼寝をすることは、仕事の効率アップにつながるといわれています。
6.親しい人たちと交流
友人や知人と話をすることで、不安やイライラした気持ちが整理されて、自ずと解決策がみえたり、アドバイスがもらえたりします。
7.笑う
笑いによって、自律神経のバランスを整えたり、免疫力を正常化させたりする効果もあります。
日常生活に笑いをとりいれましょう。
8.仕事から離れた趣味を持つ
自分の好きなことができる時間を大切にしましょう。仕事から解放されているという実感が、仕事への意欲も高めます。
趣味を介した、仕事とは関係のない人々との交流は、新たな人間関係を生み、生活の幅を広げます。
9.ストレス解消の誤解
ストレス解消のための喫煙は、お勧めできません。
また、飲酒はストレス解消に役立つこともありますが、量と頻度のコントロールが必要です。習慣的な飲酒は、お勧めできません。
運動や趣味においても、翌日の生活に影響を与えるほどやってしまうことは、逆効果です。
10.相談することの有用性
相談の窓口は、たくさんあることも知っておきましょう。
親しい人と話しても問題が解決しない場合の窓口として、事業場内の専門家(産業医・保健師など)、会社や健康保険組合が契約している相談機関などが挙げられます。
また、地域の医療機関や保健所などに相談することもできます。
1.働く人を取り巻く環境
社会情勢の変化に伴い、職場環境も大きく変化してきています。
働く人を取り巻く環境によっては、働く人の心に不安と緊張を与えます。
2.職場のメンタルヘルスケアの必要性
こうした状況下で、メンタルヘルス不調のために休業する人が増加しています。
休業することにより、周囲の人の負担が増加してしまうこともあります。
そのことがまた新たなメンタルヘルス不調者を生むという悪循環になりかねないのです。
1.メンタルヘルス不調とは
メンタルヘルス不調とは厚生労働省の指針によると、『精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むもの』をいいます。
(うつ病も精神および行動の障害に分類されます)
2.メンタルヘルス不調に関する誤解
メンタルヘルス不調になった人に対して、「精神的に弱いから」、「怠けている」、「甘えている」、「少し休めば治る」、「復帰してももう仕事は任せられない」などと、あなたは思っていませんか。
3.誰にでも起こりうる
メンタルヘルス不調は、ストレス過多の状況下においては、誰にでも起こりうるものです。こころの強い、弱いは関係ありません。
あなたにも起こりうるものです。
4.メンタルヘルス不調への気づきと対応
予防のポイントは3つあります。
1.ストレスへの気づきをよくすること
自らのストレス状態を客観的に見ることを習慣化してみましょう。
2.メンタルヘルスへの理解をすすめること
メンタルヘルス不調を理解するために、小冊子やオンライン記事などでメンタルヘルスへの知識を高めましょう。
3.相談すること
話を聞いてくれる人を持ちましょう。相談窓口がたくさんあることを知りましょう。
5.病気ではないと言われるけど、なんだかつらい人
頭痛や胃痛などで会社に行けない日が増え、医療機関を受診したけれども、その原因が分からない・・・といった経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしかしたら、メンタルヘルス不調に陥っているのかもしれません。
事業場内の専門家(産業医・保健師など)に相談してみるとよいでしょう。
事業場内の専門家がいない場合には、外部の相談窓口や専門医(精神科・心療内科)に相談してみましょう。
6.メンタルヘルス不調になってしまったら
1.日本の自殺者数
日本では1998年(平成10年)から2011年(平成23年)まで14年間連続して自殺者が3万人を超えていました。2012年(平成24年)以降3万人を下回りましたが、依然として多数の方が自殺で亡くなられていることに変わりはありません。その中でも、働く人の占める割合は2022年(令和4年)において約39%となっています。
自殺は、もはや個人的な問題ではなく、社会的にも自殺予防対策が大きな課題となっています。
国としても平成18年に「自殺対策基本法」を策定し、対策を講じています。
2.日本の自殺予防対策
3.国を挙げてメンタルヘルスケアを推進しています
厚生労働省は、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針、平成18年3月策定)を定め、労働安全衛生法第69条を根拠として、職場のメンタルヘルス対策を推進しています。
4.4つのケア
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に定められている、これら4つのケアが事業場の中で1つのシステムとして機能することが効果的です。
この学習ではこの4つのケアのうち、「セルフケア」について学んできました。
これで、「15分でわかるセルフケア」は、終わりです。
お疲れ様でした。