PDF版について
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目次
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睡眠は、からだだけではなくこころの健康とも深く関わっています。しかし、日本人、特に働く世代の方の睡眠は、世界の中でも短く、不十分です。
働く方が、多忙な毎日のなかでこころの健康を保ちながら良い仕事をするために、どのようなことに気をつければよいか、実践的な睡眠について学びましょう。
※学習時間の目安は15分です。
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不眠や睡眠不足などの睡眠に関する問題とメンタルヘルス不調には、密接な関係があります。
睡眠に関する問題が続けば、ストレスを感じやすくなり、メンタルヘルス不調のリスクも高まります。
良い睡眠をとることで、ストレスを感じにくくなり、メンタルヘルス不調の発生リスクを減らすことができます。
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良い睡眠を考えるポイントは3つ。
「量」、「リズム」、「質」です。
次に、多忙な毎日のなかで、どのように良い睡眠を取ればよいか、3つのポイントから具体的に紹介します。
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1.量:睡眠不足を防ぐ
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睡眠時間は、何時間くらい取れば良いのでしょうか?
個人差はありますが、日本人の成人の標準的な睡眠時間は、25歳で7時間、45歳で6.5時間くらいです。
それくらいの時間眠れていて、日中の眠気で困ることがなければ、十分な時間眠ることができていると考えて良いでしょう。
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理想的には6.5~7時間くらい眠りたいところですが、多忙な毎日の中では難しいこともあるでしょう。
そんな方にお勧めしたいのは、「平日6時間以上眠ること」です。
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睡眠を6時間以上取ると、日中の眠気と疲労感が改善し、ストレスを感じにくくなり、うつ状態に至るリスクを減らすことができます。また、風邪にもかかりにくくなります。
忙しい平日でも、睡眠時間6時間以上を維持して、こころとからだの健康を守りましょう。
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繁忙期やトラブル対応などで「平日6時間以上眠ること」が難しいときは、週の真ん中や週末だけでもいつも以上に長い睡眠時間を確保し、睡眠不足が蓄積しないようにしましょう。
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昼休みに15分程度の短時間の仮眠を取ると、午後の眠気が改善します。
30分を超えて仮眠してしまうと、深い睡眠から目覚めるため、仮眠後に一時的に頭がぼーっとしたり、体がだるくなることがあります。この現象を「睡眠慣性」といいます。
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短時間の仮眠前に、コーヒーや緑茶などのカフェイン飲料を飲んでおくと、仮眠から目覚める頃にカフェインの刺激も現れ、より効果的です。
2.リズム:社会的時差ボケを防ぐ
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睡眠は、体内時計という仕組みにコントロールされています。
体内時計の時間がずれたために、不眠や眠気が起こる状態を、「社会的時差ボケ」と言います。
良い睡眠を取るためには、社会的時差ボケを防ぐ必要があります。
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体内時計の時間は、光と食事という外部要因によって、整ったりずれたりします。
朝の光と食事は体内時計を整えますが、夜遅い時間の光と食事は体内時計をずらしてしまいます。
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朝は、一定の時刻に起きて、しっかりと朝食を摂りましょう。忙しいときは、せめてバランス栄養食やゼリー飲料だけでも摂れば、体内時計を整えることができます。
通勤すれば自然と光を浴びます。在宅勤務の日は、午前中に窓際やベランダで日光を浴びましょう。
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日頃から夕食時間は遅くならないようにしましょう。残業で夕食が遅くなりそうなときは、分食が効果的です。
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分食とは、遅い時間にまとめて食べていた夕食の一部を早めの夕方に食べておくことです。たとえば、早めの夕方におにぎりやパンなどの少量の炭水化物を摂っておき、帰宅後は肉・魚などのタンパク質と野菜だけ食べるなどです。
分食すると、太りにくくなるだけでなく、体内時計がずれにくくなります。
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夜遅くにスマートフォンやパソコンのディスプレイを見るのは避けましょう。これらから発光されるブルーライトは、体内時計をずらし、寝つきを悪くします。
少なくとも寝床に就く90分前には、見るのを止めましょう。
3.質:生活習慣を整える
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適度な運動で、深く、長く眠れるようになります。20~30分のウォーキングを週2~3回行うだけでも効果があります。
また、夕方以降のカフェイン摂取は避けましょう。寝つきを悪くします。
そして、寝酒は寝つきを良くしますが、眠りを浅くして、早く目が覚めるようになります。適量にして、休肝日を取るなど、節度のある飲み方にしましょう。
3.質:睡眠環境を整える
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寝室が明るいと眠りの質が悪くなります。3ルクス以下(月明り程度)にしましょう。
また、温度や湿度は、季節に応じて心地よいと感じられる程度に調整しましょう。
騒音などが気になるときは、耳栓が効果的です。
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今回の学習では、働く方がこころの健康を保ちながら、よい仕事をするために、どのようなことに気をつければ良いか学んでいただき
ました。
忙しいときでも、「量」、「リズム」、「質」を意識して良い睡眠を取り、こころの健康を守りましょう。
これで、「15分でわかる働く人の睡眠と健康」は、終わりです。
お疲れ様でした。