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[事例2-6]慢性的に欠勤を繰り返す労働者の職場復帰支援

「うつ病」で休職しながら、休職診断書が切れた後も、本人が勝手に不規則な出勤・欠勤を繰り返していた労働者に対して、支援専門家が支援を行い問題を整理することで、人事管理規則に従った対応を行い、また本人の復職も可能になった事例です。

1.事業場の情報

事業場規模 約300名
業種 機械器具製造
産業保健スタッフ 嘱託産業医1名(支援機関から派遣)、常勤保健師1名
事業場担当窓口 産業保健スタッフ

2.労働者本人の情報

性別(年齢) 男性(40歳代)
家族 既婚、子供2人(中学生、小学生)
職種・職位 研究開発一般職
休業時の診断書病名 うつ病

3.事例の経過

1)支援前の事例の状況
 C氏は、以前から身体的な不調を理由に休むことが多く、また周囲を振り回す行動がしばしば見られました。新人教育の担当だったのですが「新人が自分の考えているような行動をとらない」といらいらし、仕事が嫌になったと言って休職をはじめました。はじめは診断書を提出していましたが、診断書の休職期間が過ぎても新しい診断書がでないまま無断で休みつづけ、たまに本人の気まぐれで出社するという状況であり、職場でもひんしゅくをかう状況となってしまいました。しかし人事労務担当者あるいは上司からは、このような状況でも就業規則に基づいた指導がなされていませんでした。たまの出勤も本人がパソコンに出勤記録を入力するだけで、上司や周囲の者は出退勤を確認していません。本人の生活は昼夜が逆転し、「病気のために仕事ができない」「焦らせると返って悪くなる」と上司には言い訳を続けていました。職場復帰の目処はまったく立っていませんでした。

2)休職中の支援
 主治医の了解を得た上で、支援専門家は本人と定期的に面談(あるいは電話、電子メール)により連絡をとり、活動日記をつけてもらうことで、本人の生活リズムを確認するとともに、自ら生活管理ができるよう指導しました。本人、事業場の産業保健スタッフ(産業医・常勤保健師)、人事労務担当者と支援専門家とで復職のための4者面談を行いました。しかし復職プランの作成にあたっては、本人が細かく自分の希望を何度も変更したり細かく要求したりして、なかなか作業が進みません。そこで、支援専門家の助言により、「復職は事業場の基本プログラムというルールがあるので、これに沿って実施される」「今後は就業規則による人事的対応を行う」ことを、本人を含め関係者全員で確認しました。また、今後も本人の思い通りにならないような状況があれば、類似の行動や欠勤をすることが予想されるため、事業場の産業保健スタッフに対して「状況を考慮し、周囲に合わせた行動が出来ることが安定した就労を継続する上でのポイントとなることを、本人に理解させるよう対応してください」との助言をしました。

3)復職および復職後の支援
 復職プランに沿って4週間出社しましたが、子供や家の用事を理由に週1~2回の早退や休みを繰り返しました。またその後、腰痛で欠勤、さらにその後「ストレス障害」の病名で診断書が提出され約1ヶ月休みました。その後も突発的に休むことがあり、一人での責任ある業務を与えるのは無理な状態でありました。しかし工場長から「もう一回チャンスを与える。」と言われてから、休みが減ってきたところです。また、開発部門から工場部門に仕事場が変わり、職場の人間関係は現在の職場の方がよく、明るく笑うようにもなってきています。毎月面談を行っている産業医は、これまでの状況は性格的な要因が大きいと考えています。

4.解説

 支援専門家が関わることで、「うつ病」で休職しながら勤怠管理がおろそかになっており、本人の不適切な行動を助長することになっていた状態を問題として認識し、規則に従った対応ができるようになったこと、さらにルールに沿った対応を行うことで、本人の復職が可能になった事例です。本人のもともとの性格もあるのか、復職後の状態はまだ十分とは言えませんが、休職前にくらべると改善してきていると会社も見ています。こうした職場での問題行動がある事例では、専門家の助言がないとなかなか的確に対応できません。さらに心の健康問題による休職者の復職に関する規定がしっかり作られ、また上司に周知・徹底されてなかった点は、この事業場の反省点であり、この事例以降、支援専門家の支援により心の健康問題による休職者の復職ルール(プログラム)が作られました。

図3 C氏の経過と支援専門家の支援の概要
支援期間(回数) 4ヶ月( 16回)
支援時期 不定期に欠勤を繰り返す期間(4年6ヶ月)の復職前4月から3ヶ月間
職種・職位 医師、心理職、保健師(各1名)
経過
[休職期間と支援期間の関係、及び終了後のフォロー状況等の関係]
* 本専門家派遣事業で支援専門家が支援を行った期間。

【出展】メンタルヘルス不調の労働者の再チャレンジ支援のための専門家派遣事業に係る総括報告書(手引編)-事例3-