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[事例2-4]再休職中のうつ状態の労働者への職場復帰支援の事例

2回目の休職で本人も妻も不安になっていた状況に対して、支援専門家が面談し連絡調整を行うことで、本人の職務適性に合った職場への復帰が可能になり、また妻とも面談し本人が安心して回復に専念できる家族関係を作ったことで、復職がうまく進んだ事例です。

1.事業場の情報

事業場規模 約700名
業種 事務用品の製造販売
産業保健スタッフ 嘱託産業医1名(支援機関以外)
事業場担当窓口 人事労務担当者

2.労働者本人の情報

性別(年齢) 男性(50歳代)
家族 既婚、子供2人(小学生)
職種・職位 製造部門一般職
休業時の診断書病名 抑うつ状態

3.事例の経過

1)支援前の事例の状況
 Aさんは、会社に中途入社した後、多数の部下の管理がうまくできず、うつ状態となって休職されました。9ヶ月休んで復職し、負担の少ないと思われる部署に異動しましたが、慣れないパソコン業務で、上司からもミスを叱られ、うつ状態となって再度休職となってしまいました。2回目の休職ということもあり、ご本人にも復職できるか不安がありました。また夫の再休職に不安になった奥さんも、ご本人をつい激励してしまい、ご本人が落ち込むことも何度かありました。もし支援専門家の支援がなければ、本人の三度目の休職、家庭不和から離婚などの状況も考えられる事例でした。

2)休職中の支援
 今回の支援は、この2回目の休職後1ヶ月目に開始されました。支援専門家(この事例では健診機関医師と協力した保健師が担当)は、まず主治医と連絡をとり支援の許可をえた上で、ご本人と連絡し、月1回の面談により支援を開始しました。休職期間後半からは、妻も交えて2回の面談を行いました。これら面談では、本人および家族の休業中の不安、自宅のローンがあることなどの経済的事情、復職への希望などについてお話を聞きました。妻に対しては本人の病状について説明し、本人の復職に向けて協力するよう助言しました。
支援専門家は、主治医からも復職が適切との意見が出されたことを受けて、本人から職場復帰にあたっての適性を判断する情報や、その他の希望を聞き、主治医の意見も聞きました。その上で、本人の許可を得て会社および産業医に、復帰先の職場や職務内容について考えてもらえるよう依頼しました。

3)復職および復職後の支援
産業医が本人に面談し、支援専門家も含めた会社での関係者との相談会の結果、Aさんに、まず一定期間の試し出勤(休職中)を行ってもらい、それで大丈夫なら正式に復職という手順(復職プラン)を行ってもらうことになりました。支援専門家は、試し出勤中および正式な復職後には1~2週間の頻度で本人の状態を把握し、問題がないかどうか確認しました。復職した新しい職場では、本人の職務適性とも合い、やりがいもある仕事ができており、復職後約1年半の間、休職せずに元気で働いています。本人は「会社に感謝している」と話しています。

4.解説

 この事例では、(1)本人の職務適性の情報や主治医の意見を支援専門家が聞き、会社・産業医にこれを伝えることで、本人に合った職場への復帰が可能になったこと、(2)妻とも面談し、本人が安心して回復できる家族関係を作ったことが、復職がうまくいったポイントです。こうした関係者との連絡調整は、一見簡単に見えますが、実は専門的な技術と経験が必要なため上司や人事労務担当者が行うことは難しく、また嘱託産業医では時間的な制限で難しいことが多いので、このような事例では、支援専門家が関与する意義があると言えます。

 また、支援専門家が支援して、厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」および本事業「技法開発・好事例等に関わる手引」に記載された手順に従いA氏の復帰を進めたことで、事業場は復職の手順についてよい経験を積むことができたとの事業場からの感想が寄せられています。

図1 A氏の経過と支援専門家の支援の概要
支援期間(回数) 7ヶ月間(合計 9回の面談、連絡、その他の支援)
支援時期 休職中から復職後4ヶ月まで
職種・職位 健診機関から派遣された保健師(1名)
経過
[休職期間と支援期間の関係、及び終了後のフォロー状況等の関係]
* 本専門家派遣事業で支援専門家が支援を行った期間。

【出展】メンタルヘルス不調の労働者の再チャレンジ支援のための専門家派遣事業に係る総括報告書(手引編)-事例1-