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[事例1-5] アルコール専門病棟への入院治療を契機に断酒に成功したアルコール依存症の事例

概要

50歳、男性、総合事務職

 10年ほど前から飲み過ぎて翌日欠勤、遅刻は時にある程度でありました。2年前から深酒の翌日の欠勤が職場で目立つようになり、ある年の11月に5日間欠勤した後、無断欠勤が続き、会社から家族に連絡をしたところ、初めて妻に出社していないことがわかりました。欠勤の間は家を定時に出るが、飲酒して時間をつぶして家に帰っていました。上司の勧めで診療所を受診しましたが、アルコールのための欠勤と認められず、今回の欠勤は「妻に愛想がつき、仕事もいやになったから」と言い、断酒はできないが、酒量を減らすことを約束しました。その後は、仕事は休まず、遅刻もなく順調でした。しかし、翌年の6月から再度、欠勤状態となり、上司から家族へ連絡、妻はその事実をまったく知らず驚き、自宅近くの精神科を受診し、「アルコール依存症」と診断され、「断酒の意志がないと治療できない」と言われました。当初はアルコール依存症との診断を受け入れることはできませんでしたが、家族、上司に説得され、アルコール専門病院への入院を本人自ら決意し、ようやく同専門病院へ入院しました。

ICD-10による主要症状:依存症候群

  1. 1 ある物質を使用したいという強い欲望・切迫感
  2. 2 物質摂取行動の開始・終了、使用の程度の統制能力の障害
  3. 3 禁断症状を避けるためにその物質を使用
  4. 4 同じ量ではその物質の効果が得られず、量が増加し耐性ができること。
  5. 5 物質使用で頭が一杯になること。
  6. 6 有害な結果がわかっていながら最低1か月以上連続使用すること。

ポイント

対応の留意点:

  1. 1 連続飲酒の理由を聞く。
  2. 2 飲酒の理由については、言い訳が多い。
  3. 3 飲酒についての弊害、欠勤、トラブルなどの確認
  4. 4 職場の問題をどう考えているのか、確認
  5. 5 本人が困っていることに対する具体的な対処を検討
  6. 6 断酒の意思を確認する。
  7. 7 なるべく完全断酒へ持っていく。

アルコール依存症治療の留意点:

 専門病院へは3か月入院しましたが、1か月を過ぎた頃から自分をさらけだすことができるようになり、病院内外の断酒会に参加することで徐々に過去35年間の自分の生活態度を反省し、本人自身も「自然と謙虚になれた」と言うようになりました。家族も「アルコール依存症の家族の集い」に参加して、本人に対する対応も受容の方向へと変わりました。妻、子供たちとも対話が戻り、会社へはしばらく酒の付き合いのある仕事からはずしてもらうように上司に相談し、営業から飲酒の機会が少ない企画業務に変えてもらいました。毎日可能な限り会社の帰りは帰宅までの電車の沿線途中の断酒会に参加、アルコール依存症自助グループのAA(アルコホリック・アノニマス)にも参加しました。その後、5年以上経過していますが、現在、地域の断酒会副会長、N病院断酒会OBとして、また全国断酒会へも年に1回必ず参加、熱心に断酒会活動を継続しています。