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[事例1-4] 職場に定刻にたどり着けなくなった国家公務員の初老期認知症の事例

概要

58歳、男性、国家公務員

 高校卒業後は職業訓練校に進み、卒業後は国家公務員となりましたが、10年前から単身赴任で生活しており、精神科受診する年の初め、自宅に戻った際に妻から物忘れがひどいことを指摘されました。この頃から自分で自信がなくなり、上司に一つの仕事を行う上で何回も確認するようになり、当然、仕事の能率も落ちてきました。自分では忘れてはいけないと慎重になり、念を押して聞くが、よけい萎縮してしまい行動が遅くなってしまいます。職場に遅刻することも頻回になり、上司が本人の状態を心配して精神科受診となりました。

ICD-10による主要症状:認知症の存在の確認

  1. 1 新しい情報の学習における著しい記憶減退
  2. 2 判断力、思考力及び一般情報処理障害を特徴とする認知能力減退
  3. 3 情動統制欠如、無関心、社会行動の粗雑さ
  4. 4 上記症状の6か月以上の存続

ポイント

対応の留意点:

  1. 1 MRI、CT、EEGなどの脳の器質的機能的検査を行うこと。
  2. 2 WAIS知能検査、記銘力テスト等で客観的評価を行うこと。
  3. 3 クレペリン作業能力テストで作業能力の評価を行う。
  4. 4 家族を含めた職場関係者との関係者面談を行い、通常勤務・業務に耐えうるかどうか、業務に配慮する必要があるかどうかを検討する。

診断と対応の留意点:

 初老期認知症の始まりは、うつ状態と誤診されることが少なくありません。本人自らも病識があるため、物忘れがひどくなり、自分がボケるのではないかという不安にさいなまれることが多く、そのためのうつ状態が合併していることが多いのです。大事な点は、職場、家族からの客観的情報を集めることであり、早期に脳の機能検査、心理検査を行うことです。心理テストでも脳のCTスキャンでも異常があまりないのに臨床症状が先行して出現することがあり、臨床的所見をまず第一に対応を考えることが望まれます。