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[事例3-5]商社マンのうつ病の事例

1 概 要

年齢・性別:37歳 男性(独身)
職業:商社
職種・職位:プロジェクトマネージャー
主訴:体調不良を理由に欠勤を繰り返す

2 経 過

  37歳男性、大手商社で北米部門に属しています。英語が堪能で、積極的に取り組む姿勢が評価され、昨年、アメリカで展開される新しいプロジェクトのマネージャーに抜擢されました。ところが、経済状況の不安定さから、期待されるほどの進捗が果たされません。そのため、短期間での日米間の出張を繰り返し、加えて時差の関係から、早朝や夜中でもメールや電話でのやり取りが頻回となります。

  次第に、プレッシャーを感じるようになり、睡眠不足や身体の不調が出現します。体調不良を理由に遅刻早退、欠勤が目立つようになりましたが、直接的な上司がいなかったことと、プロジェクトに欠かせない人材ということで、特別な対応は取られませんでした。

  そうした状況が3か月以上も続いたため、勤労部門がやっと変調に気がつき、産業医を経て精神科受診となります。うつ病と診断され2か月間の自宅療養となりました。ところが、自宅においても職場からの問い合わせや、海外とのメールでのやり取りが続いたため、睡眠リズムが保たれず、病状は一進一退の状況が続いています。

3 解 説

  グローバリゼーションが進む日本企業では、海外との業務はめずらしくありません。しかしながら、言葉や商習慣の違いをはじめ、昨今の経済状況の急激な変化など、商社といえども戸惑いがあるようです。また、時差の関係もあって、24時間業務にしばられ、ゆっくり休むことが難しい状況も出てきます。結局は、睡眠リズムの乱れと、過労からうつ病が惹起されたと考えられます。

  業務の特殊性を考慮しても、遅刻早退、欠勤が目立つようになったにもかかわらず、職場側の対応が遅れたのは問題です。また、自宅療養中にも実質的な業務を続けていたことは、本人の問題もありますが、職場での健康管理体制や、休職中の社員への対応に関して、今一度見直す必要があるでしょう。